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夜の仕事。【10作目】「短編」

み「ゆうきくん、だよね? はじめまして、みさきです!」

ゆ「はじめまして。なんで名前知ってるの?」

み「これからゆうきくんってイケメンが来るって、さっきあっちで聞いたから!
ゆうきくんはこういう飲み会あんまり来ないの?」

ゆ「普段は仕事だからあんまり。
今日はどうしてもって頼まれただけだから。」

み「そうだったんだ!なんのお仕事してるの?」

ゆ「夜の仕事だよ。」

み「あー、どうりでイケメンなわけだ!
そこではなんて呼ばれてるの?」

ゆ「はるとだよ。」

み「かっこいい名前だね!どこで働いてるの?」

ゆ「今は新宿。」

み「新宿か!結構行くから今度遊びに行くね!」


2日後、新宿に向かった。
少しでも近付きたくて。
あの日からLINEも返ってきてないし、
どこの店かわからなかったけど。
客引き、看板、案内所。
どこにも彼の姿はなかった。
当てもなく歩いていると、
工事現場に差し掛かった。

「あ、本当に来たんだ。」
そこには、ゆうき はるとくんが立っていた。
ヘルメットを被って、誘導棒を持って。

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