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映画『ロード・オブ・カオス』

2018年制作のイギリス・スウェーデン・ノルウェーの映画。

ノルウェーで1980年台に活動していたブラックメタルバンド「メイヘム(Mayhem)」の悪魔崇拝を元にした過激な活動やバンドメンバーでの凄惨な内ゲバが描かれている。全て嘘のような本当の話、故に面白い。

正直、この映画の冒頭からかなり笑った。
恐らく私の笑点のズレもあるだろうが、過激で悪魔的な事を本気でカッコいいと言い出す彼等は半分本気で半分ネタのように見えた。
だから面白いし、笑えたのだ。

悪魔崇拝とか教会放火、殺人までも繰り広げる事に一部のバンドメンバーが真面目に取り汲み始めるのに対し、リーダー格のメンバーは過激なパフォーマンスは続けるもののバンドを運営するレーベルとして真面目な活動を目指している。
妄信的に悪魔崇拝的な活動を真面目にしても破滅しかないのは明確で、真面目に音楽をやりレーベルを運営していく方が悪魔崇拝的な過激な活動も(本人達は至って本気だとしても)エンターテイメントとして楽しめる。

この映画で感じたのは何処にフォーカスして真面目であるかが重要であるという事である。

真面目である事は良い事のように言われているが、間違いがあっても突き進んでしまう危険性をはらんでいるように思う。最終的に自身を苦しめる結果になる事も多々あるだろう。

何処にフォーカスして真面目でいるかは自身で選べるのだから、真面目な人ほど自身の固定観念を再確認して欲しい。

兎に角、厨二病全開の登場人物ばかりの映画だが、視点を変えると人生の学びもあるように思える。
個人的には悪魔も好きだし、ブラックメタルの世界観も楽しめて不毛で面白い。
選ばれし一部の人達の心を強く惹きつける映画である事は間違いないので、我こそはと思う方には是非観ていただきたい。

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