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「足るを知る」とサステナブル

「足るを知る」とは私の父の口癖。
子どもの頃は何かを買ってほしいとねだると決め台詞のようにこれを言われてムスッとしたものだが、今では私の生活信条のひとつになっている。


28歳の私とSDGsという単語の出会いは学校教育ということになるが、当時はあまり当事者意識もなく、ただ志望校に合格するため覚えた用語に過ぎなかった。意味は理解していても学生の自分に実践できることは少なく、頭の片隅においたまま大人になってからも数年を過ごしていた。

それが変わる決定的なきっかけとなったのは雑誌「Numero TOKYO」2020年3月号。元々モデルのローラさんのファンで、彼女がその雑誌で表紙を飾っている事実を知り初めて手に取った。


その号は全体がSDGs特集になっていて、表紙には「The Good Life モード見えなサステナブルおしゃれ」「いい服、いいこと、いい暮らし。」とある。当時ミニマリストにも憧れていた私は「ローラ×こんまり の対談企画」をうんうん頷きながら何度も読んだ。編集長の田中杏子さんの言葉にも心動かされた。{自分が持っていて幸せな気持ちになるものを選ぶ+サステナブルを意識した”いい物”選び⇒心も地球も健やかになる}というストーリーに感動した。正直、つい数年前までは”サステナブル=意識高い系”というかちょっとダサいというか、馬鹿にされるイメージもあったが、モード雑誌が”サステナブル=クール”をとことん発信していることに時代の流れを感じた。私の中のSDGsに対するイメージや考え方も大幅にアップデートされた。

それからは自分のペースで情報収集に励み、できることの幅をじわじわと広げる日々を送っている。環境問題や人権侵害の事実は知れば知るほど心が痛み、知らなかったことに罪の意識さえ芽生える。同時に、前向きに活動しているたくさんの人や企業を知ることができ、刺激を受ける。

特に今注力しているのはエシカル消費。例えば洋服について、以前は安いものを買ってはすぐに捨てる自分にうんざりしていたが、サステナブルを意識してから洋服選びもシンプルになり、クローゼットも洗練された気がする。ローラさんの手掛けるブランド「STUDIO R330」ももちろんお気に入り。最近は食生活も見直していて、無理のない範囲でプラントベースを心掛けている。菜食は自分の身体にも良い影響があるし、地産地消にもつながる。こうした取り組みの良いなと思うところは、延長線上に自分の精神や生活の豊かさがあることだ。

エシカル消費(消費者庁HPより) 
エシカル(※)消費とは、地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のことです。私たち一人一人が、社会的な課題に気付き、日々のお買物を通して、その課題の解決のために、自分は何ができるのかを考えてみること、これが、エシカル消費の第一歩です。(※)エシカル=倫理的・道徳的


でも究極のサステナブルは「消費しない」だと思う。それが生活を窮屈にしてしまうのは本末転倒なのでバランスには気を付けなければならないが、ここで父親ゆずりの「足るを知る」精神がいい働きをしてくれている。「足りている」と思えれば「消費しない」ことができる。とはいえ実際は「足りていない」から「消費する」んじゃんと思うこともあったが、知識をたくわえるにつれ「足りている」の基準が変わるから面白い。その基準をどこにするのかを考え続けること自体が、地球に優しくあることであり、自分の幸せを知ることに繋がるんだと思う。


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