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循環型社会・オランダのリサイクル事情

Hoi!こんにちは!
合理主義な国民性だといわれるオランダ。その「ゴミ=無駄を省く」という考え方は循環型経済の実現において大きな役割を果たしています。実際、オランダのリサイクル率はEU内でもドイツ、オーストリア、スロベニアに次いで4番目に高く(2020年)、55%以上のものがリサイクルされています。

今回は前回のフードロス削減の話題に続いて、消費財の循環についてのお話をします。

refuse, rethink, reduceに関するもの

プラスチック容器・包装の禁止

オランダでは、プラスチック以外の代替品が存在する使い捨てプラスチック製品の使用は禁止されています。代替品の例は紙や布などです。

無料レジ袋はもちろん、プラスチックストロー、スプーンも禁止となっています。

スーパーマーケットの商品を見ても可能な限りプラスティックを使わないパッケージが採用されていることに気づきます。小麦粉の袋や冷凍フルーツも紙パッケージで開けると中身がそのまま入っています。

リサイクル容器のデポジット制

飲料の容器はデポジットの仕組みになっていて、購入の際に容器代として何セントか追加されており、飲み終わった容器をお店に持っていき回収してもらうことでその分のお金を割引分として返してもらえる、という仕組みです。先に容器代を含めた価格にするという考え方は日本ではあまり見かけませんよね。

使う分だけ買う

スーパーマーケットのフルーツや野菜も量り売りのことが多いです。このバナナは1.018kgと表示されているため、BONをタッチするとその重さ分の値段を示すバーコードが出てきます。ときどき房から数本のバナナをもぎ取って買っている人もみかけます。

またそもそもパッケージがなく、量り売りをしている商品も多く見られます。街中で開かれるマーケットでは野菜やフルーツはほとんどすべて量り売り!使う分だけ買えるので使わずに捨ててしまう心配もありません。

道端のリサイクル袋Goedzaq

一見ただのごみ袋にも見えるこちらは、自分が不要になったものを欲しい誰かに拾ってもらう、画期的な袋。仕組みはとってもシンプルで、Goedzaqに自分が使わないものを入れてゴミ出しと同じように近所の指定された場所に置いておくだけ。
人々はこの黄色の袋に入った中身のものが欲しいとき、持ち帰って再利用することができます。一定期間拾われなかった場合、地元のリサイクルショップや回収業者が通常通り回収するため、ゴミになってしまう心配もありません。近年ではオランダの大手スーパーマーケットAlbertHeijnとコラボし、子供たちのおもちゃを回収し、新しい子供たちへ届ける取り組みもなされています。
公式HP:https://www.heijltjesakkaya.com/goedzak

セカンドハンドファッション

アムステルダムで開催されていたビンテージマーケット

リサイクルに注力しているオランダ。セカンドハンド(再利用)の商品で最も購入されている商品カテゴリーは、鞄やアクセサリー、本などを差し置いて衣類とされています。
実際オランダの街中にはセカンドハンドショップや古着屋がたくさんあります。綺麗でオシャレなものから巡り巡ってやってきた日本の体育ジャージまで多くのものを見つけることができ、ビンテージ好きの人や安くオシャレな服を買いたい人が訪れています。
オランダのいたるところで古着のみを取り扱った大規模なビンテージマーケットも開催されていたり、街の定期マーケットで古着を売るお店もたくさん見受けられます。

repair, refurbish, remanufactureに関するもの

自転車の修繕

壊れたものも修繕することによってまた使えるようにするのが持続可能な循環型経済ではあたりまえです。移動の28%を自転車で行い、一人当たりの自転車での移動距離は毎日3キロほどだといわれているオランダ。もちろんたくさん使う自転車は壊れてしまうこともしばしば。街のいたるところにある自転車屋さんでは買い替えるよりもはるかに低コストで、ときには無料で修理してもらうことができます。筆者の自転車も中古で買ったもので、使っているうちにベルが盗まれたり(笑)ライトが壊れてつかなくなったりしましたが、無料で修理してもらったり、外付けのライトを購入するなどして今も大切に使っています。

家の修繕

家の修繕も頻繁に行われています。というのも、オランダは常に住宅不足で階段を上るたびにギシギシ音が鳴るような物件も、見つかっただけでラッキーだと思い住むしかありません。手ごろな価格で借りられる物件は築年数がかなり立っているものが多く、みな壊れたところを修繕しながら暮らしています。自分で工具を購入し修繕している人もいれば地元の修理業者にきてもらう人もいます。

日本人による安心の家屋修繕のお問い合わせはこちら
HP: https://7ththrow.nl/japanese

最後にデザイン大国オランダらしくゴミをオシャレに再利用する事例を紹介します。

Gumshoe

Gumshoe(ガムシュー)は名前の通りガムを再利用したスニーカーで、ソールの部分が街中で捨てられたチューイングガムからできています。アムステルダムに拠点を置く彼らが作るスニーカーは鮮やかなピンク色が印象的でゴミから作られたとは思えないほどオシャレなデザインです。
いつでもオシャレさや遊び心を忘れないオランダのリサイクル方法、とても素敵ですよね。

公式Instagram: https://www.facebook.com/gumshoeamsterdam/
公式Facebook: https://www.instagram.com/gumshoeamsterdam/

次回は最終編となる、オランダの建築を通じての循環型社会実現への取り組みをお話しします。以前の記事ではアムステルダムの都市構想や食品ロス削減への取り組みを紹介しています。まだの方はそちらもご覧ください!

それではまた次回、Tot Ziens!






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