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一度食べたい「人工衛星饅頭」と、いとしの「御座候」

地元グルメといえば、「ふるさとの味」「なじみの味」というイメージがある。
しかし、「なじみがない、一度も食べたことのないけれど有名な地元グルメ」というジャンルもあるように思う。食べたことがない理由が、値段なのか、希少性なのか、食わず嫌いか、ハタマタなんとなくか、それはさておき。

わたしにとって、それは「人工衛星饅頭」である。神戸の下町、兵庫・湊川の(たぶん)名物。
なんともインパクトあふれる名前だが、その正体は、「回転焼き」「大判焼き」「今川焼き」と呼ばれる食べ物の亜種である。「亜種」と呼ぶ理由は、見た目がどら焼き風だから。
「人工衛星饅頭」の名前の由来は、食べログレビュー情報によれば、世界初の人工衛星、スプートニク1号の打ち上げ成功翌年にできたお菓子だからだとか。1958年に作られたということだから、70年少しの歴史がある食べ物なわけだ。
繰り返しになるが、見た目は回転焼きというよりも、どら焼き。つまりは人工衛星というよりはUFOだ。でも、名前は人工衛星饅頭でいいんだろうね。おおらかな昭和の下町のノリを感じる。

こんなキャラの濃い食べ物、ぜひ食べたい…と思い続けているのだが、いまだご縁がない。
その理由は、まず、わたしが人工衛星饅頭を知ったのが3年ほど前で、ふるさとの神戸を離れた後だから。
そして、次に、お店が不定休、とくに土日は休業していることが多いから。神戸への帰省はどうしても土日メインになることが多いし、湊川に足を伸ばしても休業、ということも何度かあった。
さらに、最近帰省は車メインのことが多いので、お店が大通りの交差点にあって、車を止めづらいのも行っていない理由。(電車だとアクセス良好な場所なのだが。)
こうしてご縁がないまま、今にいたっている。

食べてみたいなぁ。
できたてのあつあつを、ぱくついてみたい。
きっと食べたら、おいしいんだろうけれど、特別すっごくおいしいってわけではなくて、「ああ、やっぱりなぁ」っていう味がするんだろうなぁ。初めて食べたのに、懐かしいって思うような味がするんだろうなぁ。
そんな妄想をする。

湊川エリアはこうした「初めて食べるのに懐かしい味」というタイプの名物が他にもある。商店街のコロッケや豚まん、サンライズ(白あんのメロンパン)などなど。
おしゃれで洗練された神戸のイメージとは少し違う、下町の情緒あふれるエリアである。

ちなみに、人工衛星饅頭未体験のわたしにとって、回転焼きといえば、「御座候(ござそうろう)」。(兵庫県民は、回転焼き全般を「御座候」と呼ぶ。少なくともわたしの周りでは。)
ホームページを見てみると、東海・中国地方のみならず、関東や北海道にまで進出しているようだ。

あんは2種類で赤と白。小豆餡が赤で、てぼう餡が白だ。1つ100円もしないお値打ち価格(地域によって違ったらごめんなさい)だが、あんがたっぷりで食べ応え十分。女性がおやつに食べるなら半分で良いくらい。朝ごはんにもできるが、2つ食べようとするとボリューム感で胃にもたれるので注意。
家で温め直すときは、トースターで表面をカリッとさせるのが定番。

列に並ぶ間に実演販売を見るのも楽しい。気持ちいい手際の職人さんが大多数なのだが、たまに少し不器用さんもいる。だが、それはそれで、見ていて楽しい。

ああ、食べたくなってきた。
おいしいんだよなぁ。
あったかくて、甘くて、ふっくらして。子どものころのおやつ、ちょっとしたおもてなしおやつ、朝ごはんなどなど、幸せな記憶がいっぱいで、懐かしい気持ちになれる。

いつか、人工衛星饅頭と御座候を食べ比べてみたい…と思ったが、少し胃もたれしそうだなぁ。
なんであれ、御座候は間違いなくおいしいし、人工衛星饅頭もきっとおいしい。どちらも近々、ぜひ食べたい。


お題企画に参加してみました。子育て記事とはちょっと違うテイストの文が書けて、楽しかったです。
今回、みんなのフォトギャラリーからイラストお借りしました。おいしそうで素敵なイラスト、ありがとうございます!

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