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風邪にふかれて

「子ども 風邪」

その二文字だけで、世の中の親御さんならぶるっときちゃう。

先週、いやそのもっと前から、noterのハネサエ.さんちでインフルエンザが猛威を振るっている。

ドミノ倒しのように被弾するインフルの脅威と、病人を抱えたワンオペの恐怖、発酵臭をはなつ配偶者、一息ついたころに後ろから殴りかかってくるインフル再来に、画面の向こうから(大変だ…ハネサエ.さん……!)と応援のかわりにスキといいねを連打して念を送っていた。

風邪は怖い。インフルはさらに怖い。なんせ、治って社会復帰するまでに最低5日はかかる。

昨年我が家の娘もインフルに羅漢したが、完治まで1週間を要した。そして、家庭内での感染率がめちゃくちゃ高い。夫はあっさりと被弾し倒れ、娘よりもさらに長い期間回復に必要とした。

どうしてかわからないくらい、子どもと一緒に暮らしていると、風邪をもらう。不思議だ。菌の保有者と一緒の家に暮らしているとはいえ、そんなアッサリ大人の免疫力を突破しなくてもいいじゃないか。

しかも、子どもからもらった風邪は、記憶のなかの「風邪」よりも何倍も重かったりする。うちだけかもしれないけど。年をとって、免疫力が弱っているからかもしれないけど。

なんにせよ、子どものいる家庭で病人が出るというのは、一気に臨戦態勢に突入する事態なのである。たいへん。

南半球は冬が近づいてきて、冷たい風が吹くなあと思っていたら、娘が風邪を引いた。

嫌な予感が土曜日からしていたのが、日曜日に的中した感じ。

おもえば、先週の金曜日に一気に冷え込んだのが悪い。今年はじめての雪が、近郊の山に降ったらしい。冬がはじまる合図だ。

ああ冬か、とちょっとセンチメンタルな気持ちになりながらお迎えにいったら、娘はジャケットを脱ぎ捨て靴まで脱いで、裸足で校庭を駆け回っていた。

ニュージーランドでは裸足がかなりの市民権を得ている。娘は、毎朝クツを履いて登校し、下校時にはきっちりクツをリュックにいれている。

冷たい南風(南半球だから)が吹く中、裸足ではしりまわる風の子たち。そりゃ風邪ひくわ。

翌日土曜日の夕方、ほっぺたが赤い気がして、日曜日のお昼にぐでっと横になっていたから熱をはかったら37.5度だった。子どもの平熱ギリギリだ。

部屋に午後の日差しが差し込んで、かなり暑かったので「上着をぬぐ?」と娘に聞いたのだけど、「ぬがない」と言われた。

手足がつめたくて、これは熱がでる合図かもしれないと思ったら、案の定午後3時には38度まで上がっていた。

仕事から帰宅した夫に、娘をみてもらうよう伝えて、とりあえず買い出しに行く。

りんごジュース
トマト
チョコレートアイスクリーム
ヨーグルト
そば
うどん

風邪のときに必要なものをカートにいれ、2日分ぐらいの食料も買う。

娘は38.5度を超えるとがくんと食欲が落ち、39度以上になると水を飲んでくれない。

だから、ちょっと甘い薄めたリンゴジュースやフルーツは必須。

チョコレートアイスクリームは、薬と混ぜて食べさせるため。薬の苦みを抑えるには、チョコレート味のアイスが一番いいってTwitterでみた。

今回、はじめて試してみたけど、すごい。効果抜群。娘が薬を嫌がらない。それだけで、親の心理的負担が減る。

甘いものばかり買っているようだけど、熱が高いときは脱水症状が一番怖い。だから、正直口にいれてくれるなら、なんでもいい。三食アイスクリームだっていいよ。

ハタチすぎると、風邪をひく機会がめったになかったので、しばらく忘れていた。

喉が痛いと、柑橘系はしみること。うどんすら飲み込むのが苦しいこと。

冷たいりんごジュースやアイスクリームがおいしいこと。

熱だけなら、少し塩分がきいた梅干し入りのおかゆのほうが食べやすいこと。

娘の風邪に被弾すると、まったく同じ症状がでるので、あーこりゃ苦しいわ、そりゃ機嫌悪くて泣いたりするわ、とか思ったりする。

それと同時に、子どものときに風邪をひいて、母がしてくれた看病を思い出す。

寒気がするときは湯たんぽ、熱が高すぎるときは氷枕。部屋はあったかくして、でも乾燥しないように濡れたタオルも干して。

体温計に平熱が表示されると、母は「あー、よかったねえ」と心底ほっとした顔をしていた。

その安堵に、「ようやく看病から開放される」という疲労があったことを、いまならわかる。でもそれ以上に、やっぱりうれしかったんだろうな。

子どもが病気だと、元気ないと、心配で心配でしょうがなくなっちゃうもんね。

昨夜、娘はパイナップルとキウイフルーツを少量食べ、そばを一口だけすすり、薬の混ざったチョコレートアイス食べて早々に眠りについた。

熱で眠りが浅いので、夜中に何度も起き、夫婦で交代しながら看病。いまのところ、大人は健康体なのでありがたい。

今日は、朝いちで病院だ。早く熱が下がるといいな。そしたら、「あー熱下がったねえ。よかったねえ」っていおう。

ほんと、健康ってたいせつだよね。みなさんも風邪、お気をつけて。


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