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季節の養生

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薬膳・中医学的にみる季節の過ごし方。人間も自然の一部。季節にあった過ごし方で、より元気に健康に過ごせるようになります。
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梅雨の養生

梅雨入りしても、しばらくの間はここ鎌倉ではお天気が続いていましたが、ここ数日はしっかりと雨降りですね。今日は、梅雨の養生についてのお話です。 みなさん梅雨は得意ですか? 得意という方は、あまりいらっしゃらないかもしれません。梅雨のこのじめじめべたべたの季節、なんだかいろいろとおっくうですよね。 私もこの季節、とても苦手です。からだはなんとなくだる重い。蒸してるのでクーラーつけると、なんとなく冷える。でも消すと暑い。もともとアトピー性皮膚炎もちなので、べたべたした汗や湿気

春の食養生

近所の八百屋さんやスーパーでも、新玉ねぎや、うど、菜の花など、春の食材がちらほらと見かけるよになりました。暖かい春が待ち遠しくて、気持ちが若干前のめりになっていますが、明日から3月。今日は春の食養生についてお伝えします(^^) 酸味を適度に適度に酸味をとることは、春の五臓「肝」を助けてくれます。柑橘類は、香りによってストレスを緩和し、この時期滞りがちな肝の気を巡らせてくれます。(肝についてはこちら) ただ酸味の取り過ぎには少しだけ注意が必要です。酸味には「収れん作用」とい

春の五臓「肝」の働きと養生

今日は春の五臓「肝」についてのお話です。 中医学では、中国の昔の思想の五行説という考え方がベースになっています。世界のいろんなものを「木・火・土・金・水(もっかどこんすい)」という5つのグループに分け、それぞれが助けあったり、抑制しあったりしながら、バランスよく循環しているという考え方です。この五行説では、春と春の五臓「肝」は、木(もく)のグループに属します。 1.木(もく)はどんなグループ?木の特徴は、 ・のびやかに広がる ・上へ上へと成長する です。春の草や木は、

春はのびのびと~春の養生「発陳(はっちん)」~

2月3日の立春を過ぎ、暦の上ではもう春ですね。まだまだ、気温が低い日もありますが、日中は暖かい日も増え、日差しにも春を感じることが多くなりました。 街中では梅がちらほらと咲き始め、やっぱり春の花をみると、気持ちが上向きになりますね。 さて、中医学の古典、黄帝内経では、春の3か月を「発陳(はっちん)」と言います。冬の間にそっと秘めていた思いや行動を、外に表現し行動していくのがよいとされる季節です。 (冬は「閉蔵」。思いや行動もそっと秘めておくのがよい季節でしたね) 春は

冬におすすめの食材

「寒の入り」と呼ばれる小寒を過ぎ、数日後には大寒を迎え、寒さが最も厳しくなる時期に入ります。今日は、寒い冬に元気に過ごすためのおすすめの食材をご紹介します。 1.からだを暖め気の巡りをよくする辛味寒さが厳しくなる冬は、陰が強まる季節。外気も冷たく、また体内も陽の気が弱まりやすくなります。適度な辛味は、冬に滞りがちな気の巡りを助け、からだを暖めてくれます。 【辛味のあるものスパイスなど】 生姜・にんにく・ねぎ・山椒・胡椒・シナモン・唐辛子・八角など ただし、辛い物は、食べ

冬の養生~太陽の光を浴びよう~

漢方・薬膳の古典「黄帝内経(こうていだいけい)」には、冬の過ごし方で「閉蔵(へいぞう)」という言葉があります。 冬は寒さの厳しい季節。寒さから身を守り、からだの中の陽気を逃さないように閉じて、体内にエネルギーを蓄えて過ごすのがよいという意味です。 冬は、春に向けてエネルギーを蓄えるために冬眠する動物もいます。草木は枯れ落ちて、地面の中でじっと種の中にエネルギーを蓄え、春に芽吹くのを待っています。人間も自然の一部。寒い今の季節は、エネルギーを蓄えて、思いや気持ちもそっと

冬の養生~早寝遅起き~

冬の養生のお話。 日本にある四季。春夏秋冬。冬は、陰と陽で分けると陰になります。 薬膳・養生は、中国の古代思想「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」をもとにしています。陰陽五行説は「陰陽論」と「五行説」の二つが組み合わさったものです。(五行説のお話は、またの機会に) 陰陽論って何かというと、 「森羅万象を、陰と陽のふたつに分類する考え方」です。 例えば、月と太陽、夜と昼、女性と男性、冷と熱、裏と表、肉体と精神、などなど。なんでも対になる二つがあるという考え方です。(