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《息子の成長記録》(※1歳半の記録)断乳の思い出

ものすごーーーーく今更だが、息子が断乳したときのことを書こうと思う。

昨年8月末、息子1歳7ヶ月になる頃のことだ。
途中まで書いて下書き保存、そのまま放置して早半年以上…。でも私にとってすごく大事な思い出なので、今更ながらちゃんと記録しようと思う。


2023年8月頭。断乳1ヶ月前🌻
息子1歳6ヶ月。

リビングに手書きのカレンダーを貼った。離乳までのカウントダウンだ。
毎晩寝室に行く前に「ここまできたらおっぱいさんとばいばいだよ」と言って、その日の日付にひとつ、何か絵を描いたりシールを貼ることにした。
しばらく続けると、たまに私の胸元を指差して、ばいばいと手を振るようになった。(この頃は発語が無かった)

(お別れ会と書いたところがあるけど、特に何もしませんでした)


「さよならおっぱいさん」という絵本も作った。おっぱいさん目線で思い出の振り返りと息子の乳卒業についての心情を語る一冊にした。

当時は本当に時間がなく、息子のくれよんで荒々しい絵と字で描いたのだが、制作段階で号泣。
完成したのは断乳1週間前とかだったので、息子に読む機会も少なくなってしまったのだが読み聞かせ中も途中から号泣。
今も絵本の棚に置いてあるが、泣きそうなので開けていない。背表紙や表紙には何もないので、今後も息子が開くことは無さそうだ。たぶん彼の記憶にも残らないだろうが、日々自分と息子を生かして過ごすだけで精一杯だったあの頃の私にとっては、それまでの育児を感情爆発で振り返る、貴重なきっかけになった。

最後の授乳の日、寝室に行くとカーテンの隙間から月が見えた。この日の寝かしつけでの授乳でさよならおっぱいさんだ。

この夜を思い出した。
濃い黄色で溶けかけのバターみたいな半月。
あれは生後2〜3ヶ月頃で、そのあたりの記事は今読んでも辛くなり、当時の自分の背中をさすって代わってやりたくなる。
今の私なら、丈夫な気持ちで長時間赤ちゃんを抱っこできるかもしれないし、今もう一度低月齢の赤ちゃん赤ちゃんした息子を抱っこしてすりすりして匂いを嗅ぎたい。あの頃はぼろぼろで、生かすことだけに必死だったから。

おかげさまで2人とも生き延び、私もあの頃よりちょっとだけ余裕があり、育児を楽しいと思えるようになった。
1歳半の息子はもっと違う。大きくなったのはもちろん、「月」が解る。ママもパパも、星も猫も、いろんなことがわかる。
この夜もカーテンの隙間に見えた儚い月を指差して、何か声を出していた。

最後の授乳はいつもと同じく、安心した顔で、満足したら勢いよく離れていった。この子はいつもアクロバティックに乳をくわえていた。


友人に、思わぬタイミングで文才を褒められた思い出


私が寝転がると腹の上に乗って、長い時間、一緒に月を見てから、眠った。
さよなら、おっぱいさん。

当日。今日からが勝負だ。
風呂上がり、牛乳を飲んで歯磨きをして、夫も一緒に寝室に行った。風呂でもよく、おっぱいにばいばいと手を振るようになっていた。

この日はお出かけもしていたので疲れていたのかもしれない。乳どうこう以前に、奇跡的に寝ぐずりもなく、布団でごろごろしていたらスッと寝たので驚いた。
普段1〜2時間は暴れてギャン泣きして寝ぐずっていたので、断乳となると何時間も泣いて暴れるかと思っていた。私も夫も、拍子抜け。

さて、こうなってくると翌日からがほんとうの勝負か。仕切り直しだ。
と、どきどきしていたが、翌日、翌々日は泣いて怒っていたけど1時間程度だった。普段に比べると大したことはなかった。

その1時間の間にめちゃくちゃ暴れた一幕があったとき。咄嗟の思いつきで窓の外を指差し、
「ほら!お月様!おっぱいさんね、お月様に行ってしまったんよ!」
と言うと、なぜか腑に落ちたようで落ち着いてくれた。たまたま窓から月も見えていたのだと思う。

おっぱいが月に飛んでいったことをジェスチャーで教えると、「なるほど」と思ったのかどうか分からないけど、何度かそれを真似して、そのうち私の上で寝た。

その次の日からも、乳が欲しいと泣くことは無く、意外とスッと乳離れしたのだった。
しばらくは毎日のように、月を見ると「お!お!」と言いながらおっぱいさんが飛んでいったことをジェスチャーで話してくれた。数ヶ月はやっていた。

離乳してから、徐々に食事量も増えた。特に離乳後2〜3日は猛烈に食べていた。
寝かしつけも心配していたけど、授乳してても手こずるときは多かったのであまり変わらないかもしれない。むしろ身体の負担の面では楽になった。授乳していると肩も凝るし、同じ体勢もきつかったので。



寂しいなと思っていたけど、終わってみると、やり切った気持ちが大きい。
散々飲んだよね。
新生児期は頻回で辛かった。生後半年くらいまでは1日10回以上は飲んでいた。母乳育児をやめたいと何度思ったことか。

混合で育てる気満々だったのだが、ミルクは全然飲まなかった。誰かに預ける時は大抵搾乳+ミルクだったが、100ml飲んだことは数えるほどで、ミルク缶1缶も消費できなかった。
(消費期限を知らず、ある日見るとカチカチになっていた。)

飲みたくなるととんでもなく泣いて暴れて、慌て過ぎてドタバタと乳ではない方向に顔を向けていた。
私は息子しか知らないが、3人育てた母は「こんなに猛烈に泣く子もいるのね…」と驚いていた。
毎回「いま!いますぐ!飲まな!絶命する!!」という騒ぎっぷりだった。


初めての授乳のとき、病室に来た助産師さんがちょっと嫌な感じで、生まれた翌日の朝、息子を連れてきて早々「ほら、早く授乳してね」と突き放された。それだけ言って病室を出ていきそうな勢いだった。
授乳どころか抱きかたもわからず「すみませんが赤ちゃんを抱っこしたことがほとんど無いので教えてください」と言って、そのまま授乳の仕方も教えてもらった。

授乳用の下着を(当たり前だけど)初めて使ったのでアタフタしてると「デザイン性より実用性で選んだほうがいいですよ?」と言われてイラッとした。可愛いものは売ってないし、実用性の無い授乳下着は無いぞ。

初めて乳を飲む息子をまじまじ見ていると「そんなにジッと見てたら首を痛めるよ。慣れたお母さんはテレビとか見てるから。」と笑われた。またイラッとしたけど、じーっと見ててよかった。
初めての授乳から息子は上手に飲んでいた(らしい。褒められた)。自分の身体でつくられたものを、しかも血液からできたものを、この子は飲んで、生きている。すごいことだ。


入院中、しこりがあることが気になり、助産師さんに相談するとほぐしてくれることになった。それが陣痛と同じくらい痛くて、一瞬叫んで暴れてしまった。産後も痛いことが色々あったけど、あれは先に言ってほしかった。

でもそのおかげで乳の出が良くなり、いろんな助産師さんに褒められた。「素晴らしい!!牧場だねえ!」とまで言われ「わたしは牛…」と呟きながら授乳していた。
良くなりすぎて、体質なのだろうけど過多になり、息子が飲みづらいレベルになってかなり悩んだ。
出ない人向けの情報は多いが、母乳過多の情報は少なかった。
痛いし、服はびしょびしょ、息子はむせて溺れかけていた。
(もし過多で悩んでいる方が読んでくれていたら…。私は授乳の体勢を、レイドバック式というのにして、息子への被害は減らすことができた。あと、パットでは漏れるし経済的ダメージもあり、私はずっとガーゼや手拭いを巻いていた。)

でも出ないより良いのだろう。安産もそうだけど、この健康体に産んでくれた母(スーパー安産健康体)、その母を産んだ祖母に感謝した。

この猫は本当によく授乳中に息子の真横に割り込んできて困った。

授乳中のスマホ、やめられなかったなー。その時間くらいしかスマホをゆっくり見れる時間がなかったから、途中でもう気にするのをやめた。
ネット注文とかもたくさん利用するし、貴重な時間だった。息子が(私も)そのまま寝てしまうことも多かったから、消音字幕でテレビを観たりもしていた。どうせ子どももおっぱいに夢中だし、いいかーということにしていた。
乳じゃないと寝ない、落ち着かないことも多かったので、私の唯一の安息の時間でもあった。

授乳後寝てしまった息子と、同席するぐう猫、後ろにうめちゃん。

ぐう猫氏は息子が誕生してしばらくは荒れることがあり、よくいたずらをして、私は乳に息子をぶらさげて走ってぐうを止めていた思い出。
うめ猫ちゃんは我関せずという態度で頼もしかったけど、食いしん坊が爆発していて、寝かしつけの最中にニャンニャカ鳴いて、限界メンタルな私は猫相手によく泣いて怒っていた。申し訳なかった。大変だったなあの頃。

2歳になる前だったか。もう月を指差してあーあーということもなくなり、乳のことなど忘れたと思っていた頃。
息子が風呂で突然乳を指差し、「ごくごく」と、コップで飲み物を飲む動きをした。
覚えてたの!え、コップで飲んでたっけ?可笑しかった。

同じ時期にもうひとつ。
哺乳瓶や消毒セットを処分しようとしていたら、息子が哺乳瓶を指差し、また「ごくごく」。
いや、ミルクほとんど飲まんかったやん!
でもなんとなく覚えているんだなあと、それを伝えられるようになったことも含めてすごいなと思った。

長くなってしまった。
もう2度と戻ってこない日々だ。こういうことの連続なのだろうけど、苦味も含めて特別思い入れのあるおっぱいさんとの日々。
写真を見返して、赤ちゃんだった息子にじーんとした。
息子はもう覚えてないだろうけど、たらふく飲んで大きくなってくれてありがとう。わたしの乳、おつかれさん。

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