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「芸術・芸術家へのあらゆる検閲や介入に反対する!」イタリアでのヴァレンティナ・リシッツァのコンサート

イタリアでロシアやウクライナの演奏家へのキャンセル騒動が相次いでいるのに抗して2023年5月にやっと「芸術家と芸術へのあらゆる検閲へ抵抗する」とする声明とともに、ミラノをはじめとする各都市でのコンサートを「ロシアのプロパガンダ」呼ばわりとともに中止させられたヴァレンティナ・リシッツァ(彼女はウクライナ生まれのピアニストである)のコンサートを開催。
イタリアの芸術家や芸術を愛する人たちが彼女をわざわざ招いて頭を下げた。
このような毅然たる態度を取れるイタリアの人たちの善意の確かさを想う。
下記はYouTubeのリード文。字幕自動翻訳でこの集いに向けられた人々の思いや呼びかけ人たちの言葉が述べられたあとコンサートが開かれた。

芸術は犯罪や政治とは無縁だ、というだけではない。弾圧を加えたり排除をされる対象となってはいけないものが芸術だ。

ただ単にロシア支持者として音楽監督を追われた人やセクハラで解雇された指揮者を何のコメントもなしに舞台へ招いている日本のオーディエンスは何も感じないんだろうか?
このセレモニアムなコンサートは、プロパガンダと演奏芸術は無縁のものであること、それを混同して圧力をかけた事について真向から批判し、自分たちの民主主義社会と憲法が保障する自由と平等と博愛と社会正義について大きな汚点だとさえ言ってヴァレンティナへお詫びの言葉を言える勇気ある正気の人たち。気骨・ポリシーがちゃんとしている人たちが断固支持してコンサートで支える。この支え合うコミュニティ力が芸術家がどんな時代やどんな逆境でも生きていける支えになるはずだ。とりわけソリストの場合、すべて自分のせいであるかのように常に取り囲まれてしまいがちに錯覚してしまいがちだ(実際にはエージェントやファンクラブやレコード、メディアなど沢山の手助けで支えられているとしても、である)。そのぐらい芸術家が置かれる「孤独」と「仲間」はものすごく繊細な関係にあるのを私も父親の仕事を介して見え隠れする芸能界を知る側にあるからだし、芸術家の傍で数年間を過ごす幸運に出会えたからに他ならないだろう。

YouTubeで彼女の演奏に出会ったのは数カ月前。
YouTuberのゆゆうたが「これマジすごい!」って取り上げた月光ソナタがヴァレンティナのものだった。度肝を抜かれた。

ゆゆうたのYouTube
https://youtu.be/WauNN1-V6eE?si=a13mH_ZyDM326Q1U

ヴァレンティナ・リシッツァの「月光」(全曲)
https://youtu.be/ITidiBe-0T0?si=gvDaSR0K8FrZISL1


あらゆる外連味や装飾を排除した、ベートーヴェンの王道といいたくなるような、それでいて現代の演奏。
ワーワーゆゆうたが昂奮しながら話をしている雑音はあっという間に消えてこの演奏に釘付けになった私は、そこから先はヴァレンティナの演奏をYouTubeで可能な限り聞きまくることになる。そうするとコンサートが欧州の限られた地域や韓国までで活躍しているワールドクラスの演奏家だということもすぐ理解した。韓国のオーディエンスが彼女の演奏に熱狂しているだけでなく韓国の若い演奏家に彼女の演奏の良い影響があったんだろうと思える外連味を排除した誠実な演奏姿勢にある種の系譜をさえ感じたのだ。
「ラ・カンパネラ」は特殊特別な曲に仕立ててないか?楽しんでいるか?超絶技巧の神棚に置いてないか?
こんな楽しみながらのコンサートをソウルではできているのに、まだ、神棚を拝んで演奏会に臨んでいないか?

ヴァレンティナ・リシッツァのソウル芸術センターでのコンサート
アンコール「ラ・カンパネラ」(リスト)
https://youtu.be/ZY_eIIFqNxg?si=LjGcXUr36YpVv6aF

風景のようにロシア支持はできない。彼女が育った高度な教育システムへの感動体験があったればこその思いは消せないはずだ

最後に書き添えておきたいのは、セクハラなどで解雇されたような連中と一緒に流浪の民にされてしまう芸術家基盤の脆弱さを思うのだ。
単に政治学や経済学的な情勢判断などをすればいい、というだけの問題ではないからだ。感動体験を踏まえた自分が育った環境や教育への感動体験と相まって批判精神というものも大人の感動と混乱を見て育つからこそより強く焼き付けられていくものだと私などは思うからだ。
つまり、表層における知的教育=刷り込みではどうしようもない、感情ぐるみの感動体験として考え直したときに、ウクライナで生まれ育った彼女が、あらゆる権威に一度は反逆してみなければ気が済まないぐらい「型にはめられること」「飼いならされること」を嫌った若い時代があったように、納得づくの生きざまにならない限りは自分以外を認められない感覚に育ったのだろうなとも思う。幼いうちから表現者としての生き方を決定づけられたピアニストならではの矜持ともいうべきかもしれないが、早い内からアメリカに渡って演奏活動も結婚生活も送っていた彼女が(その限りNATOよりロシアという意見表明の感情の正しき裏側について、覇権主義とプラグマチズムの社会の中にどっぷり住んでいた彼女が、NATOよりロシアとわざわざいう裏にはもしかすれば(邪推に過ぎないが)ロシアというよりはむしろソ連・科学アカデミーの正しい財産を継承していたソ連最先端の拠点であったウクライナの早期教育プログラムを支持していたのかもしれないわけだし。演奏家に細かい事を聴いたところで「良い音楽をやりたい」という以外の正解は導き出せないのだから、これ以上は私ものべないが。
ソヴィエトという覇権と御職と独占の国家は滅びたわけだが、あそこで目指された一人ひとりの可能性を徹底的に伸ばそうとしたり心霊に至るまでのあらゆる伝承にも科学を持ち込もうとしたり、という中で私が学んだパブロフの第二信号理論も生まれたわけだ。簡単にソ連ダメ=すべてダメのキャンペーンよろしく同調するわけにはいかない。私がわたしである事をゆるしてくれた大切な人間観・文学観・芸術館を育んでくれたのもパブロフに立脚した認識論を模索してくれたのも偶然であったにせよ、法政大学の乾孝先生や国立音楽大学の熊谷孝先生と出会わせてくれた法政一高の現代国語の授業があったからだ。その後、教育や政治に対する淡い期待とそれらを裏切られることになる法政大学とその付属学校での話題は別の機会に。



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ヴァレンティーナ・リシッツァ、ビョーブルでコンサート:芸術のあらゆる検閲に反対 - 20230506 - Pangea Speciale

8,334 回視聴7 か月前 2023/05/08
「ラフマニノフの女王」と呼ばれる国際的に有名なクラシックピアニスト、ヴァレンティーナ・リシツァは、ステージ上で「女王」としての存在感を示すだけでなく、聴き手を触媒し、ピアノの弦の間に捕らえ、聴衆を魅了する磁力を持っています。音楽、文化、年齢、国籍などの知識を超えたレベルのリスニング。彼のパフォーマンスは単なる表現ではなく、言語です。生きたコミュニケーションチャネルが到着し、確かに混乱をもたらしますが、分裂はしません。なぜなら、コミュニケーションとは何の関係もない目的のために悪用され、歪められない限り、いかなるコミュニケーションも分裂することはできないからです。これは、非常に暴力的な衝突の後に再征服されたマリウポリ市でのヴァレンティーナ・リシッツァのパフォーマンスの後に起こったことです。彼の音楽とメッセージには検閲の覆いがかかった。国際都市にある音楽の殿堂であるヴェネツィアのフェニーチェ劇場は、ピアニストの「親ロシア的な立場」を理由に、4月5日に予定されていたコンサートをキャンセルした。プロパガンダへの傾向への執着という名の下での陰謀であり、それは世界の他の国々で続く見逃せない光景を我が国から奪うことになるだろう。そうでしょう。この条件が必須であるのは、この時点でBYOBLUがパンゲア・グランダンゴロと協力してコンサートの開催に介入したからだ。このイベントは、あらゆる形態の芸術検閲に対する真のマニフェストを構成するイベントである。BYOBLU が 262 の地上デジタル、462 TìvuSat、816 Sky で放送するイベント。芸術の光がプロパガンダの曖昧さを照らし、分断を克服するというその普遍的な使命を果たす瞬間。ヴァレンティーナ・リシツァは、生誕150周年を祝うロシアの作曲家・音楽家、セルゲイ・ラフマニノフの24の前奏曲をシチズンズTVで演奏します。ラフマニノフが1903年から1910年にかけて作曲した24の前奏曲を一緒に演奏するというアーティストの選択は重要であり、リシッツァは作曲家には未来の予言的なビジョンがあったとし、前奏曲には戦前の世代のあらゆる不安が捉えられていたとしている。私たちと私たちの不確実性にも語りかけています。「ラフマニノフはまさにこのことを、世界大戦で何が起こるかについての一種の予言によって表現しています。私は彼の音楽にそれを感じます」と彼はヴァージニア・カメエリリだけに与えられたインタビューで次のように語った。「「この音楽の中でラフマニノフは何かを見て、私たちに何かを見させている。本当に信じられないほどです。この音楽を言葉で説明するのは難しいのですが、話す必要はなく感じるだけです。」耳を傾けてもらう価値のある言葉です。Valentina Lisitsa のコンサートは、Pangea Grandangolo とのコラボレーションによる Byoblu 限定のコンサートです。テレビで視聴できる時間: 5月7日日曜日午後2時 5月13日土曜日午後2時半 5月16日火曜日午後9時半 5月24日水曜日午後6時 6月4日日曜日午後9時半 *** パンゲアのエピソード作成にご協力ください。私たちは皆様の寄付のみで支えられており、政党や団体からの資金提供はありません。

YouTube動画(イタリア語字幕・自動翻訳機能付き)
https://www.youtube.com/watch?v=P8-Nv7u7g-4


https://youtu.be/P8-Nv7u7g-4?si=vmXb0oFqpW2w9gQR

Wikipedia日本語版
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%84%E3%82%A1


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