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SNSを辞めてみたら最高だった話 -Vol.1

スマホの中は誘惑だらけなのだ。買い物も連絡も仕事だって指一本で出来ちゃう。SNSをやっていない人を探す方が難しい時代に私はSNSをやめてみた。きっかけは至ってシンプル

『心が疲れたから』だった。

 私の場合SNSと言っても主にインスタを使って、普段会えない友人や知人との交流を目的に、自分の旅行の記録、時折り日常生活のひと幕を投稿した。自分好みのライフスタイルアカウントやブランド、著名人のアカウントもフォローをした。インスタでは自分が知らなかった情報やアイデアも収集出る上、縁もゆかりもなかった遠い世界もが身近に感じることができ、それが新鮮で刺激的だった。
 まさに個人と社会がより近くに繋がる感覚であった。一方で、普段気なって何となく検索したワードがターゲットにされて今度は自分のインスタでその関連の投稿や広告が次々とフィートに上がってくるのをなんとなく気持ち悪くも感じた。

 結婚してからずっと絶賛妊活中、不妊治療体験者の私のフィートには気づけば心がチクっとするような内容に埋め尽くされていた。その上、三十半ばにもなってくると友人たちのほとんどが家族持ちなのだ。妊娠、出産、子どもの投稿が絶えない。
 中にはわざわざ『ご報告』と丁寧な前置きをした芸能人かよと思わせるお知らせ投稿も。私が訳すと『地雷だから覚悟して読めよ』の前置きである。

 どんどん人生の理想と現実がかけ離れていく中で、私がどんなに頑張っても叶わない生活をまざまざと見せられるとさすがに堪えるのだった。本人たちの努力だけじゃどうにもカバーし切れないから余計に辛い。これが不妊の本性。努力と結果は比例しないのだ。

 それになんとなく開いて見ていたSNSは時間食う虫でもあった。気づけば隙間時間にも、移動時間にもスマホを触ればついつい開いてしまうお決まりのアプリ。見たって心がザワつくと分かっているのにやめられない。特に興味もないけどなんとなく。SNSをする時間は日常生活の一部化した。

 そして見れば見るほど心は疲弊し、大きな矛盾に違和感を抱えながら、私はこの悪習慣を断ち切ろうと決心したのだった。

                   つづく

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