Bリーグ観戦記・3/3・アルバルク東京vs島根スサノオマジックGame2〜TOKYOの沸点を見よ〜
1.春暖に
桃の節句🎎
公園にメジロの声が聞こえるようになった。
ここは原宿。
年齢、性別、主義主張を超えて人々が集う。『わたし』が『わたし』でいられる空気感は昔も今も変わらない。
駅から私が目指すのは、いつもの代々木第一体育館、ではない。
その裏にひっそりと、しかしインパクト抜群💥の建造物がある。
国立代々木競技場 第二体育館
高度成長期の意気込みがそのまま形となったこの空間で、これから息詰まる熱戦が始まろうとしている。
2023/3/3
B league B1 第24節 Game2 アルバルク東京vs島根スサノオマジック
目下東地区首位のアルバルク、
しかし宇都宮ブレックスと千葉ジェッツの猛追で、地区優勝争いは混沌としてきた。
対する山陰の雄スサノオマジック、
年明けからの連敗が祟り、目下激戦の西地区3位。熾烈なプレーオフ出場争いの中にある。
この日は3月3日、しかしチームがアピールするのは桃の節句🎎ではない。
【国際女性DAY】。
今やプロスポーツ興行は、人権啓発、環境保護、その他社会貢献活動を伴うのが当たり前になった。
それにしても、
最大収容数13000の【第一】に慣れた身からすると、【第二】は驚くほどコンパクトだ。
とはいえ、最大客席数約4000といえば、B1のアリーナでも大きい部類に入るだろう。
戦後建築の巨匠丹下健三先生は、アリーナ内部のデザインにも妥協がない。
すり鉢状のアリーナは、かなりの圧を感じる。
既に選手達は練習を始めていた。
私と夫が陣取ったのは、アウェーチーム島根のベンチ側。
マイルドに複数チームを応援する私だが、今回ここに座るのは、チケット購入時にこの付近が空いていたから、ということに尽きる。
島根も好き、東京も好き、な私、
この日はゆっくりバスケ自体を楽しもう、と思っていたが、、
アリーナMCのお二人が応援練習を始めた。いつものこと、ではあるが、状況は【第一】の時と全く違う‼️
let's go TOKYO パン👏パン👏パパパン👏
な、なんだこの轟音は💥💥💥💥⁉️
そう、第二は狭い。第一の半分も客は入らないが【世界のタンゲ】は、手拍子の音が💥反響MAX💥になるよう設計したらしい。
地響きのような猛烈な音の圧がコートに降り注ぐ。
島根はこの中でバスケをやるのか😨😨😨
ガチアウェーじゃないか😭😭😭
しかし、前日のGame1、勝ったのは島根だった。
そんな事情もあったのだろう。
どちらかといえば、マイルドな応援な持ち味の東京ブースターが、今日は練習から盛り上がっている🔥
マイルド、なのはアルバルク東京のBリーグにおける『立ち位置』に関係があるだろう。
リーグ設立当初から強豪の一角であり続け、かつ東京都心ど真ん中、しかも駅チカの大アリーナをホームとするこのチームは、
【Bリーグ観戦の入り口】=【バスケ観戦入門者の受け皿】
という重要な役割を担ってきた。
実際東京の試合は、バスケ観戦が初めて、というお客さんは毎回少なくない。
広い館内、清潔で数の多いトイレ、そこそこゆとりのある座席、での観戦は、私を含め彼らを再びバスケ観戦に導くのだ⭐️⭐️⭐️
そんな東京の観戦風景さえも一変させたのがW杯だった。
TVで【わかりやすくシンプルなバスケ応援】を目撃した観客は、観戦回数に関わらず躊躇なく手を叩けるようになっていた。攻守の切れ目がはっきりしているバスケは、応援しやすいのだ。
しかし、
人口密度MAXかつこの轟音に、私は耐え切れるのか、😨😨、人混みが苦手な私の顔面に、第二のスポットライトは、なぜか容赦なく眩い光を繰り返し命中させてきた。
このライト、位置が低すぎないか💦
やがて場内が暗くなった。チーム紹介が始まる。
まずはアウェーチーム島根スサノオマジックから。
ビュフォード様、せいやくん、の二大スターを擁し、ハマると文字通り【八百万の神懸かり的強さ⛩️】を発揮する島根。
スター不在時の脆さを如何に克服するか、強豪ひしめく西地区を勝ち抜くには、とにかく一つでも多く勝たなければ❗️
続いて、ホームアルバルク東京。
毎シーズン優勝候補に挙げられるがここぞの場面で苦杯を舐めてきた。
だが今季は一味違う❗️
底堅いディフェンスに加え、誰がコートにたっても満遍なく得点する攻撃力で勝利を積み重ねてきた。
とはいえ、宇都宮が手堅く勝利を重ね、かつ開幕当初不振だった千葉が不死鳥の如く蘇り勝ちまくって東京に迫っている。ここで連敗は許されない❗️
東京ブースターは熱い拍手で選手達を迎えた。
再び練習が始まった。
Bリーグを生観戦するようになってから3シーズン目になるが、未だ細かいルールはわからない。
試合前練習が殆どシュート練習に費やされることに当初は驚いた。
スクラム、ラインアウトなどいくつものセットプレーを確認していくラグビー🏉
シュート以上に足元の細やかな動きを確認するサッカー⚽️
バスケの場合、観客と対戦相手に見せられるのはシュートだけ、あとは極秘㊙️という事だろうか⁉️
考えれば当たり前だが、シュートにも色々あると最近ようやく気づいた💦
横、斜め、正面、近くから、やや離れて、スリーポイントライン外の遠目から、等、打つ位置にも色々ある。しかも、
どう打つか、にもバリエーションがある。
リングへ走り込む方向、打つ方向、打ち方、等
この無限にも見える組み合わせから、相手との位置、特徴に合わせ、瞬時に判断する、ということか。
バスケの奥深さを改めて感じてしまう⭐️⭐️
タイムアウト時にコーチがホワイトボードに描く戦術は、どこか魔法にも見える。
いよいよ試合が始まろうとしている。
アウェーの島根はごくあっさりと紹介された。想像以上に青いシャツが目立つ。4割近いお客さんが島根ブースターだ。日曜日だというのに、試合後飛行機に間に合うのだろうか⁉️
そしてホームチームアルバルク東京、
スティックと手拍子の音がアリーナに響き渡る。let's go TOKYO👏 👏 👏👏 👏
応援の轟音の中で、試合は始まった。
2.第1&第2Q〜東京の反攻〜
私はここから先ほぼ写真を撮っていない🥲
猛烈な応援の嵐の中、カメラを構えるのもどこか憚られたのだ🙇♀️しかもコートとの距離はあまりに近い。
東京ブースターの応援は強烈だった。
島根ブースターも負けていない、しかし、
アリーナMCの流す音楽が入ると、物理的にホーム応援以外の音は全く耳に入らないのだ💦
序盤から、東京は猛攻を仕掛けた。
無理もない。強豪同士の対戦で初戦を落とすほど辛い状況はない。
逆に、競合相手なら一勝一敗でよし、と考えられる島根の方が心理的には楽だったかもしれない。
とはいえ、
今の島根、ウィリアムニカ選手の怪我による離脱が大きく響いていた🥲🥲🥲
帰化枠。
身長の高さ、フィジカルの強さがストレートに求められるバスケ🏀、
当然外国籍選手の活躍が必須であり、だからこそ、一度にコート上に立てる外国籍選手の数はリーグのルール上制限されている。
https://www.bleague.jp/files/user/1119.pdf
その意味で、帰化申請により日本国籍を取得した選手の存在はチーム力を格段に向上させる🔥
東京は、ライアン・ロシター選手がこれに当たる。
身長2メートル6センチの彼がコートに居続けられることに加え、同じく2メートル越えのメインデル選手、グダイティス選手、193センチのバランスキー選手、など、身長かつ手足の長い外国籍選手が入れ替わり立ち替わりコートに入るのだ。
この物理的条件に『戦術』なる魔法が加わる。
試合序盤、東京の【魔法】は攻守両面において的面に効いた🔥
島根はリング付近に侵入もままならず、無理な体勢から打たざるを得ないシュートの精度は当然落ちる。
逆に東京はこの体格を生かしてガンガンと攻め入り、リング付近に、あるいはスリーポイントライン外からシュートを次々と決めてきた。
あっという間に点差は開いていく😨
タイムアウト時、アルバルクチアーズもエネルギー全開で登場した🔥🔥
彼女達の登場シーンもまた、試合の進行状況に左右されるようだ。
第1Q終了。
ギリギリ追いつける点差か。
第2Q開始。
島根は、やはり二大スターがどれだけ活躍できるか、がストレートに点に出る。
安藤選手=せいやくんは相変わらず神懸かり的勝負強さを発揮して3Pをピシャリと決めてくる⭐️⭐️
パン 👏パパン 👏👏パパン 👏👏パンパンパン👏👏👏
という表現が正確かは自信がないが、島根ブースターは、シュートが決まる度、青いスティックを打ち叩いて選手達を後押しする🔥
島根は東京の【魔法】を解きかけたのか、ジリジリと点差を詰めてきた。
第二Q終了。
点差は一桁に❗️
これは、面白くなりそうだ⭐️⭐️
ハーフタイム
大音響を聴き過ぎて頭がボーッとした私と夫は、黙々とスナック菓子を食べ続けた。
3.第3Q&第4Q〜東京の咆哮〜
第3Q開始。
島根はさらに反撃を重ね、見る間に点差は縮んでいく🔥🔥青いスティックの音は時折東京ブースターを沈黙させる程の音量を響かせた。
二大スターに加え白濱選手が2Pを決めて遂に3点差🔥
残り時間5分31秒、ニック・ケイ選手が2Pを決めて遂に1点差🔥🔥
ここで東京がタイムアウト、島根ブースターは大音響の喝采と激励で選手達を迎えた🔥🔥
その後、
一旦はメインデル選手が3Pで突き放すも、
残り時間4分、せいやくんも3Pを決めて再び1点差に🔥🔥
さあ、島根ここから🔥🔥
とはいかなかった。理由はわからない、、
メインデル選手を軸に、東京は一気に得点を畳み掛けてきたのだ🔥🔥
あれよあれよという間に再び点差は開いていく。
しかも、島根は第3Q終了間際にモリス選手がファール5つとなり、コートを去った😨。
第3Q終了。66ー55
再び11点差に。
第4Q開始。
東京ブースターの応援は更に熱を帯びてきた🔥
シュートが決まる度、フリースローが決まる度、空気が揺れる程の歓声が沸く。
W杯で大ブレークした吉井選手は、登場から弾ける様な拍手が起こった🔥
結局、その後互いに点を取り合い差は詰まらぬまま、
残り1分42秒で9点差。
追いつけそうで追いつけない島根、遂に一度もリードを奪えぬまま試合は終わった。
90ー80 アルバルク東京の勝利⭐️⭐️
私達はアリーナを出た。
原宿って、こんなに静かな街だったか、、
熱狂の坩堝の外は、春の柔らかな夕暮れと静寂だけがあった。
〜あとがき〜
初めての代々木第二、主にバスケのために造られたというすり鉢状のアリーナは臨場感満載でした。このスタイルが本来のバスケ観戦かもしれません。
強豪同士の対戦は痛み分け、となりました。プレーオフで再び対決、となるか、最終節最後の1秒までヒヤヒヤドキドキが続きそうです。
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