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日没のすこしまえ

 きょうの午後は外海そとめで過ごした。半分しごと、半分憂さ晴らしのようなもので、半分といいつつほとんど心をおちつかせる目的のほうが大きいといっていいかもしれない。空はよく晴れていた。

 前回の記事に書いたけれど、最近観始めたドラマ『SHOGUN 将軍』では覇権争いが描かれる。その時代のことをドラマに関係なく日常のしごとのなかでも調べたりすることが多かった。
 ちかごろ身近なところでは覇権争いというたいそうなことでもないけれど、つまらない足の引っ張り合いみたいな場面をよくみていて、それにうんざりしているところがある。

 個人的にはどうでもいいような、ほんとうにつまらない物事で、そんなところに使う時間とエネルギーはしっかり実際的な部分に用いてほしいとため息しかでない。

 ゆうがた、もうずいぶん日が長くなっているから日暮れの夕焼けまではまだ時間のある西の空がきれいだった。写真を撮った。

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 いま、もらって読んでいる本がおもしろい。『天離あまさかり果つる国』という小説で、まだ200頁くらいを読んだところだ(上下巻ある)。
 そのなかで、飛騨国白川郷の帰雲かえりぐも城主・内ヶ嶋氏理うちがしまうじまさが真宗門徒を統べる照蓮寺明了との間で金銀採掘と塩硝づくり(鉄砲火薬の原料となるもの)をめぐって苦悩する場面がでてきた。採掘も塩硝づくりも手足をうごかすのは領民であり、領民はすなわち門徒である。そのころ天下布武をねらう織田に仕えるにあたって、一向一揆にそれらを供給してきた件で以後これらについて収めどころが氏理と家臣を悩ませる。

 上がごちゃごちゃやっていることと、現場ではたらくものたちとの間の乖離がふと身近な景色と重なった。ひとのやることというのは何百年経ってもあまり変わらないのかもしれない。

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 やれやれとおもいつつ、せめて休日くらいはなごみの土地を訪ねたり、すきなひとに会ったり、本を読むことや映像を鑑賞しておだやかに過ごそうとおもう。

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