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アート巡り 2023年2月

訪れた美術館、展覧会、アートイベントの記録です。

三谷温泉アートプロジェクト「ととのう温泉美術館」

三谷温泉5つの旅館とホテル
2023年1月21日(土)〜2023年2月19日(日)

愛知県蒲郡市、三河湾を望む風光明媚な場所にある三谷温泉で、現代アートの芸術祭を開催します。「ととのう温泉美術館」は“郷愁を誘う温泉旅館” で “現代アート”を鑑賞する。まるでサウナと水風呂の温冷交代浴のように、鑑賞者に「ととのう」体験を提供します。鑑賞後は、日帰り温泉で三谷温泉の魅力も味わっていただきたいです。

引用:公式HP
旅館に入るといろいろな芸術作品がありました。
旅館の雰囲気と相まって楽しめました。

ととのう温泉美術館は今年が第1回の開催です。5つの旅館でアートを楽しみながら、日帰り温泉にも入ることができます。まさに「ととのう」価値を提供してくれる、素晴らしい体験です。出展作家も地元出身の方が多く、アートを通じて地域活性化につなげていける、とても魅力的なイベントになっていました。

文化庁メディア芸術祭25周年企画展「A Quarter-Century of Japan Media Arts Festival」

寺田倉庫B&C HALL / E HALL
2023年2月4日(土)〜2023年2月14日(火)

文化庁では、メディア芸術の創造とその発展を図るため、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰するとともに、受賞作品の鑑賞機会を提供する「文化庁メディア芸術祭」を平成9年度(1997年度)より開催してきました。文化庁メディア芸術祭の25周年の節目に開催する本展では、歴代受賞作品の中から社会やテクノロジーの変化、メディア芸術の表現の多様性を感じられる作品群の展示を行い、文化庁メディア芸術祭の25年の歩みを振り返ります。

引用:公式HP
天王洲アイルの寺田倉庫
見たことある有名な作品が並んでいました。

25周年のメディア芸術を振り返ることができる、とても楽しい展示となっていました。「あの時代はあれが流行ったな」とか、当時のことを懐かしく感じながらも、これからの時代の芸術や、これらをヒントに生まれるであろう新たな技術にワクワクしました。

ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END

森アーツセンターギャラリー
2023年2月3日(金)〜2023年4月10日(月)

空想と現実を行き交う自由な発想とタッチで、作品制作のみならず絵本の刊行など幅広い活躍をみせる画家ヒグチユウコ。2019年から初の大規模個展として全国巡回した約500点の作品に、巡回では紹介しきれなかった作品も合わせた展示総数約1000点から、ヒグチユウコの画業を余すところなく紹介します。ヒグチユウコが描く猫や少女、キノコ、この世ならぬ不思議ないきものたちが繰り広げる、楽しくもどこか切ないサーカス(CIRCUS)の世界をお楽しみください。

引用:公式HP
不思議ないきものたち。
絵だけでなく、雑貨や家具、洋服も展示されていました。

私はもちろん、2019年の個展CIRCUSにも訪れたのですが、今回は展示総数約1000点と、ヒグチユウコさんの魅力がさらに余すところなく凝縮されていました。平面作品以外に立体物も多く展示されており、空間ごとヒグチユウコさんの不思議な世界に引き込まれるようでした。

字書きの日常~小坪倭~個展『縁』

GALLERY&CAFE CAMELISH
2023年2月1日(水)〜2023年2月20日(月)

書を通じたアートの世界🎨書道×アートでどんな作品ができるのでしょう

引用:Twitter
かっこいい書体と綺麗な背景が映えます。

ランチでたまたま訪れた「GALLERY&CAFE CAMELISH」で出会ったアートです。「GALLERY&CAFE CAMELISH」は、アートを隣に感じるギャラリーカフェというコンセプトで、3週間ごとに様々なアートを楽しむことができるそうです。

はしもとみお 木彫展 – 時をかけるケモノたち –

ギンザタナカ 銀座本店 5階ホール
2023年2月3日(金)〜2023年3月19日(日)

「時をかけるケモノたち」をテーマに、はしもとみお氏による等身大の動物彫刻や一本の木から作られたミニ彫刻「動物たちの最後の晩餐」、月に座る動物たちがかわいらしいオーナメントなどに加え、レリーフやスケッチなど計44点を展示。 また、2022年にギンザタナカにて制作・展示した「はしもとみお氏のアトリエであそぶ純金オブジェたち」~純金の動物たちがうまれたアトリエをミニチュアで再現~を再展示します。

引用:プレスリリース
有名な秋田犬「わさお」です。
リアルな質感はまるで本物のよう

今回感動したのは、動物たちに自由に触れることができた点です。木の温もりを感じながら、まるで動物たちの息づかいが聞こえるようでした。動物たちのそのままの姿形を木彫りにする、はしもとみおさんの技術はもちろんのこと、動物への強い愛を感じられました。

上野裕二郎 個展 「Clash of Two Spirits ー天地の鬩ぎー」

銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM
2023年2月11日(土)〜2023年2月25日(土)

上野裕二郎は東洋思想の「気」の思想をベースに龍や虎、鳥などの生き物をモチーフに、絵画制作を続ける新進気鋭の作家です。
1996年に京都に生まれ育ち、2015年に沖縄県立芸術大学へ進学。京都と沖縄という異なる文化に身を置くことで、進学前から興味のあった西洋美術、京都で見てきた屏風画、アジアの美術など様々な要素を作品に取り入れてきました。想像上か実際の生き物かは問わず、厳しい環境の中で生きる生物たちのエネルギーを筆のストロークで表現し、具象と抽象を繋げながら制作をしています。

引用:公式HP

すごい迫力で生命の力強さを感じました。古典的な題材をベースに、躍動感ある筆跡で描かれていました。

長島伊織 個展「Another Film」

銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY
2023年1月28日(土)〜2023年2月14日(火)

長島は、2020年に武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻を卒業後、東京を拠点に活動するアーティストです。
自ら撮影した写真や取材現場で収集したイメージから人々のライフスタイルやファッションをモチーフとして現代の人々やその生活について考察し作品を制作しています。今回、昨年数年ぶりのアメリカ旅で取材した風景と日本で取材した風景をもとに構成される新作を発表します。
同じテーマ・モチーフのもと制作された作品が、銀座、京都の2つの会場に並びます。是非それぞれの地で長島の作品世界をお楽しみください

引用:公式HP

よく訪れるFOAM CONTEMPORARYで開催中だった個展。風景の切り取り方、絵のタッチがとても素敵でした。銀座と京都の2箇所同時開催という試みも面白いですね。

平野泰子個展「Two eyes」

銀座 蔦屋書店 アートウォール
2023年2月11日(土)〜2023年3月3日(金)

平野は、日が暮れた森や何気なくふと見上げた空、山並みの風景などをスケッチしていた経験から、「形を捉えることではなく、自身の置かれた位置と風景の配列から誘発されるような感覚を元に筆を走らせた」と語ります。作品は、物質的な平坦さと、視覚的な奥行きや深さという相反する現象に注目しながら制作を続けています。作品と向き合うことで新しい風景が生まれ、線やしるしからは、平野自身の気付きや眼差しが空間に漂います。これらがきっかけとなり、見る人に不可知の感覚や記憶を思い出させ、所在が揺れ動き、時間軸から逸脱した思考へと導かれる平野の作品世界をぜひ会場にてお楽しみ下さい。

引用:公式HP
木製パネルにキャンバス、膠(にかわ)と石膏で下地、油絵。

何層にも塗り重ねられたグラデーション、見ている人を深く誘ってくれるようです。銀座 蔦屋書店のアートウォールはよく見に行きますが、周囲の環境ともうまくマッチし、平野さんの魅力がさらに引き出されているように感じました。

動物会議 緊急大集合!

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
2023年2月9日(木)〜2023年3月25日(土)

ドイツの詩人・作家であるエーリッヒ・ケストナーによって絵本『動物会議』が書かれ、出版されたのが1949年のこと。子どもたちのために、戦争のない世界をつくろう! と、怒りと正義によって、世界中の動物たちが立ち上がる物語です。同書にインスピレーションを受けて企画された本展「動物会議 緊急大集合!」。DNPグラフィックデザイン・アーカイブの中から、「人間と動物との共存と平和」というケストナーの熱い想いを体現しているポスター作品をセレクト、120点あまりが緊急大集合します。これらは、日本のグラフィックデザイナー、アートディレクター、アーティスト34名が、「動物」を主役や脇役にして、生命、環境、戦争、文化、社会に対する問題意識や危機意識を表明した、グラフィックメッセージでもあります。

引用:公式HP
エーリッヒ・ケストナーの絵本『動物会議』
様々な動物のポスター。

メッセージ性が強い作品が多くありましたが、特に感じたのは動物の描き方の多様性でしょうか。極端な表現で動物の姿を描いても、デフォルメしていても、なんとなくそれが何の動物か分かるものです。そういった動物の特徴を的確に読み取り、うまく描く、アーティストの感性は素晴らしいものです。

EASTEAST_TOKYO 2023

科学技術館
2023年2月17日(金)〜2023年2月19日(日)

EASTEAST_は東京・日本を拠点に活動するアーティスト、アートギャラリーを国内外へ紹介、参加者間の文化交流を促進するためのプラットフォームです。EASTEAST_TOKYO 2023では、出展ギャラリーによるアート展示・販売、アートプロジェクト紹介のほか、映像、サウンド、ライブパフォーマンスの実施やディスカッション、ビューイングツアー、フード&ドリンクをラインナップします。またオフサイトプログラムとして、渋谷や新宿の街頭での映像作品展示、クラブやライブハウスでの音楽プログラムなど、東京のカルチャーシーンやアーティストたちのコミュニティの価値観を体験できるプレゼンテーションを実施します。

引用:公式HP
色とりどりの作品。
アーティストの世界観が際立ちます。

次世代を担うアーティストが集結、すごい熱気のアートイベントでした。事前にあまり調べずに訪れたのですが、ギャラリーによる展示も多数あり、知ってる作家さんの作品にも出会うことができました。ブースにより展示方法が様々で、とても個性が際立っていました。こういったアートイベントがもっと増えると楽しいですね。

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