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三十路の心得十箇条【前編】

その一、未婚ならば、早めに結婚すべし。
その二、ハッと気付けば三十八歳になっているので覚悟すべし。
その三、最初の五年で幹を伸ばし、次の五年で枝を剪定すべし。
その四、馬鹿にしていたことを、なにかひとつ始めるべし。
その五、保険と貯金を見直すべし。
その六、同年代の異性には細心の注意を払うべし。
その七、愛されるよりも愛すべしマジで。
その八、若者を責めるべからず。
その九、女は自分の中の少女を大切にすべし。しかしフィルタリングは忘れるべからず。
その十、一生付き合っていきたい友達を見つけるべし。

ジェーン・スー 『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』


先日の記事で少し触れた本、『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』を読んでいる。

この本、以前から存在は知っていた。知っておきながら読まずにいたのは、ピタリ対象年齢で読んだ方が解像度が高いだろうなと思ったから。

その予想は正解だった。
今まさにページを読み進む度、脳を直接活字でタコ殴りにされている。

ちなみにまだまだ全然読了はしていなくて、そんな状態で本のタイトルを用いて語るのはあまりよろしくないなと思う一方、
本日のわたしの思考、そのほとんどがこの三十路の心得十箇条にジャックされていた。
なのでちょっと語らせて。

三十代とはなんだったのか? と問われれば、私のそれは人生初の棚卸だったと思います。

…まさに先日同じようなことを思い、あらためて自己紹介記事を書いた気がする。
ああ、自分のこういう凡庸さ。我ながら時折愛おしい。

そうだなぁ。飾らない言葉で表すなら、やっぱり普通に焦っている。
以前も書いたとおり、わたしは自分を“非婚女性”なんて表現しながら、三十半ばで独身であることに対しては普通〜〜〜に引け目を感じている。

三十代の独身生活は、あまりにも自由過ぎて楽し過ぎる。

ふと同世代の既婚者に目をやれば、子供や姑や旦那や嫁や住宅ローンに教育、自分の時間はどんどんなくなって、慌ただしそうな毎日です。苦労を差し引いてもあまりあるほどの素晴らしさがそこにはあることを頭ではわかっていても、自由を満喫する三十代独身者は、気軽な単独生活をなかなか手放せなくなります。

その一、未婚ならば、早めに結婚すべし。

だからといって、やっぱり『結婚』そのもの対して焦りを感じているわけじゃない。
みんなが早々に「キミにきめた!」してる中で、わたしはきめられないし、きめてもらえない。そういう野生のモンスターである自分に焦りと危機感を感じている。

なんというか。人間としての出来に焦っている。
どう?わたし、人間やれてる?

夜更かしOKの小銭持ち小学生が如く好き放題やっている単身者にとって、三十代はまるで竜宮城。

その二、ハッと気付けば三十八歳になっているので覚悟すべし。

わたしの両親は色々あってかなり早婚で、第1子であるわたしを儲けたのも20代前半と早かった。
なので、現在の自分と同じ年齢の父母の姿はしっかりと記憶にある。あれ?こないだまで40歳くらいじゃなかった?

親との関係性に悩んだことは数しれず。
同居してるのに口もきかないような折り合いの悪い時期も経て、今なら思う。
もしも今、自分と同じ年齢の両親に今のこの姿で会いに行けたなら、「ふたりともさ、よくやってるよ。」と心から労いたい。

わたしなんてまだ、小銭持ちの小学生やってんだから

三十代、最初の五年は体力的にまだ無茶が利く時代。ならば、いままでやれなかったことをフルスロットルでやるべし。旅行、勉強、散財、恋愛、趣味、習い事、なんでもOKです。ここで大人ぶって守りに入ると先細りになりますから、まずは幹を太らせましょう。

その三、最初の五年で幹を伸ばし、次の五年で枝を剪定すべし。

本能的な何かなのだろうか。
三十代を迎えて数年、思えばわたしは今までやらなかった無茶を片っ端からやった。
ここ2年では特に、住む場所が変わり、付き合う人が変わり、職種は3回変わった。

我ながらとてつもない行動力だった。よくぞ耐えた、心と体。いやあの、耐えられてない時もあったけど。

さらには今までのフラストレーションをぶつけるかの如く、周囲に自己を主張しまくった。
「碧色さんは、気に入らないことを気に入らないってちゃんと言えるのがすごい。」若い友人にそんなことを言われて、ふと気づく。
わたしは加齢を経て、間違いなく図々しくなっている。

出会う人も関わる人も桁違いに増えた。わたしのメンタリティもどんどん変化した。マキシマムな日常だった。
しかしながら、嫌なものは嫌だと主張できるようになると人間関係はとてもミニマムに、かつシンプルになった
不思議なものだね。

まさに次の誕生日が来たら、更なる『剪定』のフェーズに入るんだろう。



ああ、このままのペースだと毎日投稿にまにあわない。
一旦区切って、明日また続きを語ります。(多分)

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