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部屋の中で踊り続けて



2023年。やけに早い。もう7月も半ばに差し掛かっていて、わたしの住んでいる地域もそろそろ梅雨があけそうな気配がする。最近夜、窓を開けて、虫の音を聞きながら本を読むと、なぜだか心がとても落ち着く。機械的な涼しさを昼間たっぷり浴びているばかりでは体が疲れてしまうから、自然の夜風に当たるようにしている。

今やすっかり常連になったネイルサロンで、今日もとても可愛いネイルにしてもらった。あまりに可愛くて、手を見ていたいからパソコンの前に座ることにした。2023年も半分が終わったから、上半期に出会った本とか映画とか色々よかったものについて、好き勝手メモみたいに書いてみようと思う。


【本】プロジェクト・ヘイル・メアリー(上下)/アンディ・ウィアー

宇宙SF。とにかく知的好奇心が刺激される。もしこの本に興味を持って、読んでみたいと思ってくれたとしたら、あらすじすら見ずに読んでほしい。。上下巻あって、長編なんだけれど、早く知りたい!楽しい!読みたい!という気持ちが勝って、ページを捲る手が止まらなかった。まだ見ぬ、別の惑星にいる、未確認生物の存在を信じてしまうような。「こんな場面が本当にあったら・・・」と想像すると、ワクワクして、もし自分がもう少し若い時に読んでいたら、学問の道を変更させてしまうのではないか?と思うほどに、本当に楽しい読書時間を過ごせた。また読み直そう〜。

【本】老人と海/ヘミング・ウェイ

これは高校生の時に一度読んだことがあったけど、大人になって再読すると、感じ方が全然違う。「人間潰されることはあっても、負けることはないんだ」という老人の言葉通り、とにかく海の上で逞しく、どうなろうが決して諦めない、老人の姿に心が震えてしまう。なんだか、この本を読み終わった時に、頭の中に「コーダあいのうた」のお父さんが浮かんだ。

【本】猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子

わたしが2023年上半期読んだ本の中で一番好きだったのは、この小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」だったな。生涯をかけてチェスを愛し、チェスと向かい続けた少年のお話。「大きくなること、それは悲劇である」と、とにかく大きくなることを拒む思想がある少年は、チェス盤に潜り込みカラクリ人形でチェスをさし続けた。どんなにちっぽけな光だとしても、その光は誰かを照らし続けているんだよって、そんなことを教えてくれるような優しい物語だった。殻を被ることをよしとしないわけではなく、殻を被っていても良いんだよと小川洋子さんは言いたかったのかな〜ってわたしは勝手に受け取っています。

【映画】RRR

語彙力を失う面白さ。だけど「面白いだろ?それでいいじゃないか!」ではなく、植民地時代の悲惨な統制や監獄生活も描かれていて、そんなことを絶対に繰り返してはいけない、と戒めにもなったりする。だけど、やっぱり面白いし、戦いに効率を求めるのではなく、「勝ちたい」「祖国のために戦いたい」「救いたい」という思いの強さや肉体の強さを単純に(若干無理矢理)詰め込んだところが、本当に良かった。普通に何回観ても良かった。元気が出る。

【映画】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

ガーディアンズ3部作の最終章。笑いあり涙あり。今までというより、マーベル作品の中で群を抜いて大好きな作品になった。「ありのままが一番かっこいいじゃん!ほらね!」を、一貫してガーディアンズは伝えてくれていたんだな。宇宙のどこかで繰り広げられているであろう、ちょっぴりヘンテコな仲間たちの群青劇が終わってしまったけど、きっと今も宇宙のどこかでダンスしているんじゃないか、と信じてやまない。

【映画】少年の君

中国で社会的に問題になっていたいじめを題材にした映画。明日は誰が標的になってしまうのか、そんな恐ろしい環境の中過ごす優等生と、学校に行っていない不良の男の子が出会って、心を通わせていく。とにかくわたしは観ている間、怒りも止まらなかったし、涙も止まらなかった。それだけいじめのシーンが酷くて、展開も苦しくて、どうしたらいいのかわからなかった。エンドロールの最後まで絶対に観てほしい。わたしはこの映画で主演を務めている女優さんを、この映画きっかけに好きになって、出ている作品を他にも観てみたりするくらいになった。

【映画】カモンカモン

ホアキン主演の作品。子どもの考えを記録するラジオのパーソナリティーをしているホアキンが、甥っ子との生活の中で、自分の感情の吐き出し方や向き合い方を学んでいく。ずっと白黒の画面は、言葉に集中できるように、余計な情報が入ってこないように、整頓されているようだった。この甥っ子役の子がすごく可愛らしくて、笑っていると嬉しかったし、泣いている時は一緒に泣きたくなった。ラジオにたくさんの子どもたちが人生のこと、生活のこと、家族のことを吹き込むシーンは、心の中を言語化することを厭わずに、自分と向き合う姿に勇気をもらえたりもした。

【漫画】スキップとローファー/高松美咲

知ってはいたけれど、、、でも読んでみたら何故か涙が止まらなくて。悲しいとか切ないとかではなくて、眩しくて読むたびに涙が止まらなかった。個人的には、とにかく真っ直ぐな主人公みつみちゃんの側にいながら、自分の捻くれ加減に気づいてしまうミカちゃんに感情移入しちゃっていた。志摩くんはまるでA太郎のようで、掴みどころがない、、自分に自信がないから、自分に興味ない人が好きってそれはもう。。。語ると長くなってしまいそうなので、この辺に。

【ラジオ】星野源のオールナイトニッポン/第340回「トゥース!」

今まで特に言及してこなかったけど、わたしは中学生の時からラジオが大好きで、いまだに暇さえあればラジオを聴いている、誰かがずっと喋っているのが安心するのかもしれない。6月3日に放送されたこの回は、ゲストにフワちゃんとオードリーの春日の奥さんである春日クミさん、そして最後に春日もくるというかなり楽しい回だった。クミさんが春日を「この人だ!」と思ったエピソードも、大合唱の「地獄でなぜ悪い」も、最後に全員で歌った「Family Song」も、全てが100点満点だった。聴いていてクスッと笑えるだけではなく、心まであったかくなって、タイムフリーで聴けるだけ聴き続けた。またこんな幸せな気持ちになれる回に出会えるかな〜と楽しみにしている。


下半期もたくさん素敵なものに出会えるといいな。あまりにもインドアな趣味が多いわたし、今日もわたしは部屋の中で踊り続けている。



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