見出し画像

終活で役立つ任意契約の基本形

1. 終活が気になり出すきっかけ
 まず、どの様なことに不安やお悩みがあるかにもよりますが、一般的に終活として、シニアの方の一番最初のご不安は、「今まで難なく出来たことがだんだん出来なくなってきた、この先2ー3年したらどうなるのか・・」といったことから始まるのではないでしょうか。
 例えば、色々なことをする気力が衰えてきた、外に出かけるのが億劫、2階に上がるのが辛い、膝や腰や肩が痛くて思う様に動かない、片付けるのも面倒で部屋が散らかり往診にも来て貰えない、昔はおしゃれだったのにいつも同じ様な服ばかり着てる、人と会うのも面倒、庭の木も伸び放題、記憶力や思考力、忍耐力が衰えたと感じる、一日中ぼーっとしているなどなど・・。

2. 終活として最低考えておく方が良いこと
 家族がいる方、おひとり様の方、障害のあるお子さんを抱えておられる方、老老介護でヘトヘトの方、投薬管理が必要な持病をお持ちの方・・シニアの方のお悩みは、それぞれの方の状況によって異なりますし、必要な支援の内容も異なってきます。
 ただ、準備しておくことで安心に繋がる内容は、大きく分けると、大体同じ様な感じになります。
 ①認知症や寝たきりになった時の備え、②金銭管理、③生活や身体の見守りも含む支援、この3つは、終活の基本になります。

3. 終活とは、不安を払拭し尊厳が保たれ安心な生活を送る準備
 この基本形に、それぞれのシニアの方の状況や、ご不安払拭の緊要度に応じて、オーダーメイドのご支援をしていくことが必要になってきます。なぜなら、終活とは、ご本人の不安を払拭し、最後まで尊厳が保たれる環境で、安心して人生100年を謳歌するために行う準備だからです。
 もし、それが出来ていなかったり、形だけの遺言書を作るという支援しかできないという支援者は、終活を形式でしか捉えていないという事です。
 エンディングノートや遺言書を作成して、認知症や寝たきり、財産管理、法定後見への不安は払拭できましたか?
 納得いかないまま、「本当にこれだけなのか」、と思いながら行う終活では、本当の安心な老後は得られません。中途半端なことに使うお金ほどもったいないことはありません。
 また、そうやって費用を払って遺言書を作成しても、相続人が「遺言とは違う分け方をしよう」と納得したり、少ない者がごちゃごちゃ言い出して鬱陶しいために多い相続人が譲るということがあれば、遺言書が守られることもありません。

4. 基本形に、それぞれの不安を払拭するための項目を追加していく
 2で挙げた基本形の3つの備えを、シニアの方のおひとりお一人のご不安やお悩みを払拭するために、より深めたり広げたり変形したり追加していくことによって、本気のお悩み解決に繋がります。
 例えば、入居施設を一緒に見学して判断して欲しいとか、認知具合が悪化していないか定期的に来て話をしたり見守って欲しいとか、寝たきりになったら誰も世話してくれないかもしれない、と言った本当のご希望やお悩みは、遺言書を作ってもらうことでは解決しないはずです。

5, 遺言書は、単体で作るのは勿体ない
 遺言書は、シニアの方にとって、ご自分の身体介護や生活支援を確実にしてもらうための保障や後ろ盾として担保することも可能です。
  子供が複数いても、現実は、介護などの面倒を見てくれるのは大抵一人です。子育てしている時に感じた「長男に見て欲しい」という思いと、結果的に面倒を見てくれる子は違う場合の方が多いです。寝たきりの不安を払拭してくれ甲斐甲斐しく介護してくれる子供には、相応のお返しをするべきです。
 「財産は兄弟で1/2ずつ」などという素人でも作れる遺言書に金を払って作る意味はありませんし、内容的にも人としての道理に外れています。
 安易に、「長男に預貯金と株式を、次男に不動産を譲る」という一見苦心したかの様な遺言書を作成するために、高い費用を払う前に、まずは様々な情報(契約、制度、行政や民間の支援機関、施設情報等)をご提供させて頂きます。
 そして、本音のお困りごとを、是非お話しください。お話を聞く中で、まだご本人が気づかれてない本当のお悩みが出てくることもあります。
 当事務所では、「シニアの相談窓口」を作って、多様なお悩みやご不安のご相談に乗ったり、様々なご支援を行っております。

©️2023   ようてんとなーたん


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?