哲学って、好きだけど嫌いだ
先週受けていた教育哲学の授業で、
という、先生の話に対して、
と質問したところ、
と、なぜか少し怒り気味で先生に言われました。
「専門家と子どもは違う」って、それってカテゴリ分類に基づくステレオタイプだし、ふつうに差別じゃないですか? と、生意気ながら正直思いました。
教育哲学の研究者は、理論を研究する人と、カリキュラム論などの実践を研究する人に分かれていて、先生いわく前者が上の立場にあるらしいです。つまり、「理論を研究している人は、現場で実践している人よりえらい」ということになります。
しかしここで疑問を呈したいのは、「果たして本当にそんな上下関係が存在するのでしょうか?」ということです。
理論と実践をつないだり、理論と実践を結びつけるというのは非常に難しいことです。
理論を考えている人は、言ってしまえば現場を知らないわけだし、逆に現場で実践している人は、正直理論のことなんて考えていられないほど大変です。そのように考えると、たとえば教育哲学においても理論を研究する人と、実践を研究する人とにそれぞれ分かれているのも、そうした効率面から考えると納得できます。
しかし、では実践より理論の方が立場が上なのかというと、私はそうではないと思います。というか、理論と実践に上も下もありません。
ただ一つ言えることは、理論を考える際には「現場の声」がとても大切になってくるということです。これは研究のみならず、ビジネスを行う上でもそうだと思います。
たとえばユニクロでは、毎年販売している定番商品が多数ありますが、お客様の声を反映しつつ商品改良を行う取り組みがなされています。
ユニクロの代名詞的商品であるヒートテックの中でも一番暖かいウルトラウォームインナーは、「もっと伸縮性があれば、動きやすいのに」というお客さまの声を反映し、ウルトラストレッチの伸縮性ある素材にアップデートされました。
ヒートテック自体はユニクロが発明した商品かもしれませんが、「伸縮性のあるウルトラウォームインナー」は、もしかすると現場のお客様の声なしでは生まれなかった商品かもしれません。
このように、会社がもともと持っている付加価値が「理論」だとすると、アイデアとなるお客さまの声をキャッチできるのは現場での「実践」においてです。
ーー話を戻すと、教育哲学はあくまで “哲学” なので、その分野で扱われるものの大枠は「理論」です。理論は実践のベースになったりするので、それを突きつめて考えることはもちろん大切だし楽しいのですが、理論ばかりを追求し続けていると、「理論ばっかりやっててもなあ」という感覚が私には出てきてしまいます。
「じゃああなたは実践できるの?」「実践に理論を活かせなきゃ意味ないんじゃないの?」と、ひねくれたことをつい考えてしまうのです(笑)。
だから哲学って、深く考えることが楽しいという意味では好きだけど、哲学に固執しすぎるとなんだか現場のことはなおざりになってしまう感じがするので、そういう意味では嫌いかなあ、と思います。
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