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Sun Ra の『Space Is the Place』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

レーベル縛りシリーズ!イギリスの独立系レコード、レーベルのRecommended Records編!

今回は Sun Ra の『Space Is the Place』を聴いてみた編をお届けします。

混乱と自由、狂気入り乱れる演奏、切り裂くようなサックスの雄叫び、ソウルフルなボーカル。

どの音楽ジャンルにも当てはめることができないような一枚。

ぜひ、読んでみて聴いてみてください!

1.Space Is The Place

冒頭からサイレンのような、危なげな音(オルガン…?)が鳴り響いている。テナーサックスが先導して、他の楽器たちを導いていく。体幹がしっかりしてそうな女性ボーカル。コーラスも数人居る。開始1分くらいで早速まとまりが無くて面白い。みんな我が道を行っている。男性ボーカルの闇雲遠吠え感がツボ。「Space Is The Place」とひたすら繰り返す。2:42〜ずっと聞こえてた「スペースペー」って言ってるコーラスめちゃくちゃ面白い。今気づいたけどこの曲20分以上ある…!?アルトサックスが野生児。格好良い。こんな自由なジャス聞いたことない。そもそもジャズ…?全員が一斉に違うことやってて、聖徳太子になるしかない。5:28〜ちょ、誰か…止めて……なカオス。狂いっぷり凄まじすぎる演奏。これまだ15分くらい残ってるけどここからどうするんだ…。8:12〜サイレンのようなオルガンが前に出てきたのを皮切りに、男性の様子がおかしくなってきちゃった。「ウホッウホッ」してる。全てから解放されてる。中盤になってバンドクラップ入ってきた。飽きない展開が次から次へと用意されていて凄い。あらゆるサックスの奇声。12:50〜全員一旦落ち着く。…と思ったけど女性が急にアグレッシブに叫び出して、本当に怖い。こんな奇声、叫び方聞いたことない。映画「ミッドサマー」思い出して恐怖。どうしてくれるんだ…。この奇声を発してるシーンを映像として見たい。14:25〜健気に「Space Is The Place」と繰り返し歌い続けていて凄い。16:26〜嵐が来る前の静けさみたいで怖い。全然様子おかしいけど。17:15〜スペーシーなオルガンが鳴ったらやっぱり始まりの合図なんだ。ブーブー鳴り出した。18:20〜得体の知れない音と、オルガン、男性のハミング、いつもの「Space Is The Place」。原点回帰。20:03〜みんな帰った…?オルガンサイレンと「Space Is The Place」だけが居る空間。宇宙。このタイトル、Sun Raの座右の銘なんだ…!

2.Images

お洒落なピアノ。さっきまでのこと、全部嘘だったみたいな感じがする。スタンダードなジャズ。一曲目では自由奔放を極めていたのに、一変して一体感があって大迫力。しっかり遊びもある。トランペットの音好き。軽快。4:00〜サックスのターン。饒舌。4:54〜ピアノ、楽しげで上品で、ちょっといたずらっぽさもあって素敵…

3.Discipline

フルートが涼しげだけど、その他の楽器が足取り重たすぎて凄い。(なったことないけどイメージの)二日酔い。リズムもパーカッションもズレたりモタッとしてるのが、またさらに暗い。タイトルが翻訳かけたら「規律」だったけど、「規律」は感じないので面白い。3:23〜冬の夜っぽい。終始大人な雰囲気。

4.Sea Of Sounds

突然騒がしい。これこそ「規律」から解き放たれて、誰もルールとか守ろうとする気持ちがなくて清々しい。基本的に何が起こっているのかわからない。全員が狂っている。ピアノの音なのか甲高いサックスの音なのか叫び声なのか、頭が混乱してくる。子供でもこんなめちゃくちゃ演奏しない。行くところまで行ってしまっていて格好良いと感じてしまう。音楽ジャンル「∞」で良いと思う。2:30〜訳がわからない音が鳴っていて笑いそう。4:00〜狂ったサックス(もはやサックスなのか?)同士の会話。誰にも何を話してるのかはわからないけど、お互いの間だけで多分しっかり意思の疎通取れてそう。6:11〜オルガンによるバグった宇宙との交信。全員大暴れ、ドラムが大変。終わりとか来なそうって思ったけどちゃんと終わった。

5.Rocket Number Nine

愉快でミステリアス。何で喋ってるのかわからない。呪文の掛け合い。掛け合いというか、それぞれが自分のタイミングで発している。アルトサックスはお構いなしに大暴れ。高音が通る。テナーサックスはベース的役割に徹している感じ。2:00〜カチカチ音が何の音なのかわからなくて不安。2:25〜何かを巻き取られまくって、やっぱり宇宙へ。



Sun Ra(1914年5月22日-1993年5月30日)は、アメリカ出身のジャズ作曲家。本作は1973年にリリースされた作品。独自の宇宙哲学と音楽性、パフォーマンスで有名。

●Recommended Recordsは、1978に設立されたイギリスの独立系レーベル。主に「Rock in Opposition(反対派ロックや異端のロックという意味)」に分類されるような音楽を特集しているのが特徴。日本では、ここでリリースしたミュージシャンやバンド、音源などを「レコメンディッド系」や「レコメン系」と呼ぶことがある。


いや〜〜ビックリした〜〜

一曲目から度肝抜かれました。ジャズかと思いきや、ゴスペル、ファンク、ニューウェーヴなんかもあったりして、結局最後にはそのどれにも当てはまらない音楽に到達してました。

「Space Is The Place」の女性のヤバ奇声、トラウマです。あんな叫び方聞いたことない!本当に衝撃的な一曲でした!

Sun Ra自身が脚本や音楽、主演を務めた1974年公開の『Space Is The Place』という映画もあるらしく、とても気になる。

2021年に日本でも公開されたそうです。Sun Ra多才…!

「地球は音楽なしでは動けない。
地球は一定のリズム、サウンド、旋律で動く。
音楽が止まれば、地球も止まり、
地球上にあるものはすべて死ぬ。」

Sun Ra

というSun Raの名言も格好良い。思想家でもあるSun Ra、本当に多才!

レコメン系の音楽、これは面白いぞ……!!!

…と、ここまで書いておいてアレなのですが、勘違いしており、Sun Ra の『Space Is the Place』は正確にはRecommended Recordsからのリリースではありませんでした!!!!!!ごめんなさい!!!

音楽的には確かにレコメン系だけど!!!!!

『Nuits de la Fondation Maeght Vol. 2」』などはレコメンからリリースされていました。

以後しっかりと下調べをして参ります!!

レーベル縛りで行こうと思ったのですが、他に聴きたかった音源もレコメン以外からのリリースで…泣

泣く泣くRecommended Records“系”シリーズにしてもいいでしょうか…!?!

…させていただきます!!

仕切り直して、Recommended Records“系”シリーズ!

次回は Henry Cow の『Unrest(不安)』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに!

最後まで読んでくださり、有難うございました。


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