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熱田神宮で厄除をして、他人嫌いな心が救われた話

古事記にハマって以来、神様や神社への興味が抑えきれない私。
「日本ならではの風習や慣しを大切にしたい」そんな思いで生きているのですが、なんと今年は数え年で33歳の厄年でもあります。
本厄は男性の場合は、数え年(生まれた年を1歳で数えるので実年齢+1歳で考える)で25歳、42歳、61歳。女性の場合は19歳、33歳、37歳。なぜか女の厄年は30代に2回も訪れるのです。…配分おかしいやろ!!!

その中でも、特に男性の42歳、女性の33歳は大厄と呼ばれ、凶事や災難に遭う率が非常に高いので十分な警戒が必要。つまり今が私の人生における注意喚起アラート最大限の時。不安しかないご時世ですし、今年1年を健康で安全に過ごせるよう、生まれて初めてのご祈祷を受けに行ってみることにしました。


お金や服装、当日の流れ。

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熱田神宮では厄除の祈祷料が6000円、8000円、10000円以上の3種類であらかじめ決められています。「お気持ちで…」と言われるよりは決めてもらったほうが心が楽で良い。料金によって帰りに頂けるお下がりの内容は異なるみたい。お金は包まず裸で渡してもOKでした。私はのし袋に包んで受付の方にお渡ししましたが、料金確認ですぐにその場で開封されるので、逆に煩わしかったかも?と若干心配になったりもしましたが…。

服装もできればスーツやジャケットが望ましいみたいだけど、ラフな格好の方が多かった印象。デニムはいてきても入れます。神様はお心がとても広いので、この辺は自分の気持ち次第で大丈夫です!

時間は8:00〜16:00まで予約なしで受け付けていて、参拝のついでに気軽に御祈祷して頂けます。申し込み用紙と祈祷料金をお渡ししたら、引換券とご祈祷の種類を示したシールをもらえるので、シールは左胸の上に貼り付けて神楽殿の中の待合室で待機。あとは巫女さんの指示に従ってご祈祷を受けるっていう寸法です!
※神社によって時間や料金などは様々ですので、ホームページを確認しましょう!


お祓いって実際どんな感じなのか。

平成21年に新しく造られたばかりという神楽殿の中は、木と岩が惜しげもなく使われていてとても神聖で厳かな雰囲気。もちろんトイレも最新でピカピカ。ご祈祷は一度に370名が入ることができるお部屋で行われます。もう、ちょっとしたライブハウス。御神楽ライブ。現在はソーシャルディスタンスなので、一つ座席を空けて、ゆとりある間隔で祈祷の儀式を見ることができました。

ご祈祷は神楽(かぐら)と呼ばれる神に奉納するため奏される歌舞を中心に取り行われます。流れを説明した文献などがないか探していたら、とんでもないわかりやすい動画を見つけてしまったので共有。まさか伊勢神宮の御神楽の様子がYoutubeで見られるなんて…令和ってすごい。(アップされたの平成ですが)

流れは本当こんな感じで、もう少しギュッとして規模を小さくした印象。神官の方が祝詞(のりと)を奏上するところで私のテンションはMAXまで達してしまい、無心とは正反対の心境でした…。

祝詞というのは、神様と繋がるために唱える言葉のこと。古文形式の言葉なので、何を言っているかは聞き取りづらいのですが、私の乏しい耳でもイザナギというワードは聞き取れた…!何を言っていたのかがものすごく気になって調べてみたら、おそらく祝詞の中の祓詞(はらえのことば)というものっぽい。神事の前に唱えることで、あらゆる穢れを祓い清めることができるのだそう。

祝詞がDLできてしまう素晴らしいサイト様より引用

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ー現代語訳
口に出してご尊名を申し上げるのも恐れ多い
イザナギノ大神が
筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原で
禊祓いをなされた時に
お生まれになった祓戸の大神達よ
様々な災難・罪・穢れがございましたら
祓いお清めください
と申しますことをお聞き届けくださいませと
畏れ多くも申し上げます


現代語読んでもわからんけど!?
って大半の方はなると思うんですが、これは古事記のお話の中のひとつです。黄泉の国から死に物狂いで帰ってきたイザナギが体の穢れを水で清めた時に、アマテラス・スサノオ・ツクヨミの三貴士と呼ばれる神々が生まれた、というストーリー。そんな偉大な神様たちに、私たちの罪や穢れを祓ってくださいとお願いしているありがたいお言葉なんですね…。古事記ファン、感動の震えが止まらない。特に熱田神宮は、アマテラス(姉)とスサノオ(弟)の姉弟2柱を含む5柱が御祭神。激アツな神宮なんだってばよ!!!!!!

神様に感謝の言葉を捧げたあとは、雅楽と舞を捧げ、その後に個人名や会社名、住所と共に、今年1年の無事を祈って頂きます。祝詞を読み終えるまでは、全員で深くお辞儀をしたまま心を無にします。

ご祈祷を受けたら、お下がりと呼ばれるお札や御供物を頂いて終了!だいたい30分くらいで儀式は終わります。

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御神楽の起源も、アマテラスが弟のスサノオの悪行に困り果てて天磐屋(あめのいわや)に引き篭もった時、踊りの神様のアメノウズメが舞を踊ってアマテラスを引っ張り出した、という天野岩戸隠れ神話から来ているんだって。

ちなみにアメノウズメは踊りに夢中でどんどん服が脱げていって、最終的におっぱいボロロン状態になって、神々の爆笑を掻っ攫ったという、元祖ストリップダンサーでもある。どう?古事記めっちゃおもしろくね????

神様と対面して揺れ動いた気持ち。

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わたしは霊感とか第六感とか、そういったスピリチュアルな能力は皆無なんですが、少しでも神様にお近づきになれたらいいなぁ〜という思いから、今回は事前に本を読んで予習した上で参拝へ行きました。

神様はどんな人間でも許し愛してはくれるけど、お祈りの仕方や心の持ちようでもちろん贔屓はするんだって。古事記を読んでいても感じるけど、神様ってものすごく人間臭い感情を持っていて、実際に神社に祀られているのも昔実在していた人間であることも多いんですよね。

今回は初詣も兼ねた参拝だったので、お参りをしたあとにおみくじを引いたんですが、出たのは半吉。内容は「短気でいるのはよくないから直しなさい」というお告げでした。半吉を見たのははじめてだけど、あまり良くなさそうな運勢なのはわかる。今年も大吉でなかった〜と思いながらおみくじを結んで、ご祈祷の受付を済ませて神楽殿の中の待合室へ。

平日の早朝だったけどそれなりに人数は集まっていて、わたしの隣におそらく同世代の女性2人組が座ってきた。胸のシールを見ると黒色。
あ〜、同じ厄除だ。てことは同じ33歳かなぁ、なんて思ってると、神楽殿の中でスマホで自撮りを始めた。ギョっとした、本当に。
わたしは鳥居をくぐったあとにスマホをさわることすら躊躇ってしまうのに、シャッター音を響かせて「このあと厄払い★」みたいなストーリーをあげるんだろうかこの女は?正気か?!と軽くパニックになった。

受付用紙の裏には注意事項が書いてあって、「神楽殿に入ったら私語を慎むこと」「撮影や録音を控えること」なども表記されていのに。ていうか書いてなくてもそんなことわかるでしょ33歳!!!って思って、どんどん怒りの感情が込み上げてきた。

わたしはルールを守らない奴が大嫌いだ。
交通ルールを守らなかったり、モラルの欠けた行動をとっていたり。そういう他人に対してめちゃくちゃイライラしてしまって、街に出るだけで無駄に疲れてしまうので、なるべく人混みを避けて生活するようにしている。

せっかく神聖な場所で身を清めようとしているのに。なのに、またここでも負の感情に蝕まれそうになって、『なんで世の中にはこんな奴らばかりなんだろう…』って憎しみの気持ちが溢れ出そうになってしまった。

でも、ふとさっき引いたおみくじの内容と、神様はどんな人でも許して愛してくれるんだって本で読んだことを思い出した。神様が許すなら、私が怒る理由はないよなって思ったら少し気持ちが楽になった。

これまで自分以外の他人が嫌いで、「自分は間違っていない、正しいのはわたしで間違ってるのはあいつらなのに、なんで?」みたいな感情をどこにもぶつけられず、ずっとモヤモヤとして心にため込んできたけれど、神様という存在を深く知って信じることで、なんだか救われたような気がしたのだ。
だって神様はどんな人でも受け入れて、みんなで幸せになれることを願っているから。

日本の神話と歴史と神様を勉強したうえで改めてお祈りをしたことによって、今までどうにもできなかった自分の感情のコントロールが少しだけできるようになった気がします。信じるものは救われるって、こういうことなのかな?

何百年、何千年と生きている神様に甘えて、見習って、今年は人を許せる広い心を持ちたいと思った。実りある1年になるよう、日本人としてのスピリットも大切にしながら、精神を高めていきたいです。


………やば、書いてて泣きそうになってきた。
宗教にハマるってこういうこと?(笑)

おわる


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