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マルチビジネス勧誘員に会って詳細を伺いました

はじめに

本記事は2021年10月にブログに掲載した記事の転載です。一部加筆修正を施しています(今は完全にnoteに移行していましたがブログにも色々書いていました)。

ブログ記事の転載はあまり好きではないのですが、いまだにマルチビジネスや某主教の勧誘とか一向に減らないので注意喚起も兼ねてnoteでも投稿した次第です。

少し長いですが、細かく章を区切りましたので隙間時間でポチポチと読んでいただければ幸いです。

※5300文字くらい

本編

前置きとか

※一部フェイクも入れていますが、勧誘内容や手法は実際に聞いたものです。

※マルチビジネスに対する否定的コメントも記載していますが、勧誘者個人の人格を否定する意図は一切ありません。なぜなら彼(彼女)たちも被害者だからです。

※2021年10月1日現在の情報です。

先に結論から書きます。マルチビジネスは勧誘されても無視してください(最近は信頼関係笑を築いてから勧誘する手口も多いようですね)。実際に会って話を聞くことは絶対に避けてください。関わらないのが一番です。

今回は敢えて「まあ実際儲かる話かもだしいっぺん話聞いてみる?笑」ってノリで行きましたが、想像以上に内容がお粗末なものでした。

マルチビジネスの話を聞きに行くまで

大学時代からの付き合いのフォロワー(以下、Y君)と飲みに行くことになったのですが、Y君から「マッチングアプリの女性から明らかにマルチの勧誘受けた!暇やし話聞きに行ってくるわ!その後に合流しようや!」と連絡がありました。

飲み会の前にマルチビジネスの勧誘を聞きに行くのが面白すぎるだろ。こんな機会を逃してはいけない。「僕も行っていいですか?」とお願いし、相手方にもOKを貰いました。

せっかくなので、その話を別のフォロワー(以下、U君)にしたところ「いいっすね〜(なにが?)」と興味を示したので、こちらもY君経由で相手に伝えてもらい快諾を頂きました。そりゃマルチにとっては一度に勧誘できる人数は多いに越したことはないですからね。

なお、この時点で相手(以下、マルチ勧誘員)から商材に関する情報は「夢のチケットをお渡しします!詳細はメッセージでは伝えられないので直接ご説明します!」しかありません。

「夢のチケット」ってなんだよ。ディズニーランドの年間パスポートか?

予習というか対策でインターネットで検索してもそれらしき商材はヒットしません。謎すぎる。マジで年パスとかお得に売ってくれるのかなとも思ってました。少しだけ。

そして当日。梅田にある某カフェの入口でマルチ勧誘員と落ち合うことになっているので、その前に三人で合流しドトールで作戦会議をしました。ちなみに服装は3人全員がジャケットかベスト着用です(その方が「本当にビジネスをやる気がある」感が出るかなと思ったため)。

作戦会議

作戦会議で纏まったのが下記の3点です。

・基本的には「自分もお金を稼ぎたいけど、それにあたって不安があるので色々質問する」というスタンスで行く。「論破」「相手を打ち負かす」が目的ではない。態度も紳士的に振る舞う。

・商材に関する情報が無いので、これについては出たとこ勝負。

・もしマルチ勧誘員が洗脳されているようだったら、助けてあげよう。

また不安要素として挙がったのは下記の2点です。

・普通(マルチしてる時点で普通では無いが)、カフェという衆人環視がある環境といえども初対面の男3人にホイホイ会うっておかしくないか?

・カフェの値段設定が800円~と高い。こういう勧誘って数を回すために一杯300円くらいの安いカフェじゃないのか?(梅田の某カフェなんてコーヒー超安いからよくマルチ勧誘と思しき人らを目にするし。H●PFIVEのところだよ

懸念点

僕は特に「初対面の男3人にホイホイ会う」というのが気になりました。また、今回は不意打ちではなく事前に男3人で行くとも伝えています。おれが相手の立場なら対策もするが…?

僕はビビりなんで「周りの席に仲間が座ってたり、近くに仲間が待機してるんじゃないですかね・・・」とか「カフェもグルなんじゃ・・・完全に相手のフィールドだったら・・・」「実際はガタイMAXのオッサンかも・・・」とフォロワーにブツブツ言っていました。じゃあ行くなよって話ですが。

対してY君は「俺ら3人のためにそこまでしてくれてたら嬉しいなぁ!!!上等や!」と余裕綽々(しゃくしゃく)だったので「まあなんとかなるか!」で終わりました。

④仲間が来ても上等←追加

U君は「え?僕は今日ICOCAとスマホしか持ってきてませんよ?(万が一でも相手に身分証明書等を奪われる事態を避けるため)」と危機管理能力MAXでした。この辺の頭の回転が早いの素直に凄いと思います。

ちなみにこれは非常に有効な手段です。時間は少し経過しますが、僕も新興宗教団体に俺の祈りの儀式を依頼し現地に赴いた際は似たようなことをしています。この辺のテクニックは「防犯屋さん」からの話も含めて機会があれば別記事に書きます。

閑話休題。クソザコな僕は身分証明書をバッチリ持ち歩いています。Y君は有事でも大暴れして大丈夫そうなので、何かあったら一番最初に詰むのは僕になりました。死ぬかも。

まあウダウダ言っても仕方ないので、取り敢えず待ち合わせ場所へ向かいます。

勧誘員とエンカウント→説明開始

カフェに向かうと、いました。普通に綺麗なお姉さん(マルチ勧誘員)が。

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マルチ勧誘員へは事前に「スーツ着た男3人組で行きます!」と伝えてあったので、相手はこちらを見るや否や「初めまして~今日はよろしくお願いします~」と声を掛けて頂き、こちらも「どうも~」と軽く挨拶を交わして早速店内へ入ります。

着席後、マルチ勧誘員から名刺を受け取り商談開始。ここで初めて相手の社名を知ったのですが、社名についてはまたの機会に記載します。

~以下対話形式も交えて~

※実際にはアプリに関する説明も40分ほどあったのですが、詳細は省きます。あんま関係ないので。

※分かりやすいように実際の流れと一部変えていますが、内容は実際のままです。

マルチ勧誘員「本日は貴重なお時間を頂いてありがとうございます!その前にみなさんはドリンクなに飲まれますか?」

Y君「アイスコーヒーで。お姉さん儲かってそうだし、ご馳走になっていいんですか?😁」

U君、おれ「同じのでお願いします(最初からぶち込んでるなあ・・・)」

マルチ勧誘員「お支払いについては後で説明しますね!☺️早速ですが、夢のチケットについてお話しさせて頂きます!!!」

おれ「(後で説明ってなに?マネーゲームでも始まるのか?)」

思いっきりマルチやないかい!!!

マルチ勧誘員「私たちの会社は月額使用料2,000円の有料アプリの開発をしていて、アプリのテストユーザーになって頂く方を募集しています。テストユーザーの方は同時に資金も出資頂くのですが、正式リリース後には出資いただいた資金額に応じて利益を毎月配当いたします!」

マルチ勧誘員「このお話はインターネットやSNSではやってません!こういった””ご縁があった方々””だけにお声掛けさせて頂いています☺️」

対話形式だと分かりにくいので受けた説明を箇条書きします。

・コンシェルジュサービスを利用できるアプリを試験運用している。

・月額2,000円だが、不動産の契約、交通事故の対応といった自動車保険機能、インターネットショッピング、ホテルの予約、飲食店の選定等幅広いコンシェルジュサービスを提供する。

・またPayPayのようなQRコード決済や、ぐるなびのような飲食店紹介サービスも実施。ホテルや飲食店はその提携先から紹介することで優待を得られる。

・このアプリの開発費用で会社は資金を集めている。また将来的にはCM等宣伝広告費用にも使用する。

・出資は1口90,000円(税別)で一人最大5口まで。

・自分が勧誘した人が出資をすると、自分の「子」としてその口数も加算される。「子」が「孫」を作っても同様

・さらに「自分が勧誘した相手が出資すると、その口数の7割が出資時点で自分に返ってくる」

アプリ云々あるけど、思いっきりマルチビジネスです。


・・・マジであるんだな、マルチビジネス。ちょっと感動しました。最悪の意味で。

カフェもマルチの根城やないかい!!!

説明は続きます。

・法人は出資できる口数に制限が無い。

・15万人テストユーザーが集まったら正式リリースを実施する。2022年予定で口数によって配当を実施する。(詳細は後述します。)

・目標ダウンロード数としては日本国民の1%の約120万ダウンロード。配当も120万ダウンロードされた場合の試算であり、それより多ければ当然配当も増える。

今いるカフェも出資している。なのでアプリで決済できますから支払いはこちらが持ちます🤗

ここ思いっきりマルチの根城やないかい!!!だめだ客も店員も全員グルに見えてきた。詰んだ。逃げる準備しとこう。ここ8階か〜必殺技の「ベランダから飛び降りて脱出」無理じゃん。

話を戻して、マルチの図を表すとこうなります。

↓親の顔より見たマルチの構造図

パワポで作成

「子の中で1系統は会社側が持っていく」という謎ルールがあり、これも本筋には関係ないので省きますが、この図ですと5+4+3+5+3+3で23口を親が持っていることになります。

クイズ!15秒で正解を見つけよう!

この口数に応じて「Lv(レベル)」が上がり、「Lv」に応じて正式リリース後に配当が得られるわけです。そしてその「Lv」ごとの「配当」がこちら

エクセルで作成
実際の写真

さっきの図では23口だから、Lv5で毎月90,000円貰える計算になります。よっしゃ乗るで!!!会社辞めてくる!!!アカウント名も「🌺児玉@不労所得でFIRE達成🌺」に変えるか!!!

ここで突然ですがクイズです。この表で「おかしい」点が2つあります。どこでしょうか?回答時間は15秒です。

ピンポーン!

U君「このパーセンテージ、合計したら70%ですよ?パーセンテージの意味って何ですか?🤔」※瞬間で暗算する発想に至って実行するのヤバイな

なお、もう一点は「単位が記載されていない」です。こういう細かいところにトラップがあり、なおかつ相手に「ん?●●なのかな?」と思わせて足元をすくってくるので注意してください。

これを起点にマルチ勧誘員に「おかしくないですか?」と聞いたのですが割愛。

ここがおかしい!マルチの仕組み

U君「今はテストユーザー何人集まってるんですか?」

マルチ勧誘員「11万人くらいです!」

U君「ということは残り4万人ですか。これって仕組み的に後半参加するメリットって何です?例えば1万口出資したい企業があったとして、残り5000人の時に声かけたらチャンス逃しますよね。今大々的に宣伝しないんですか?」

U君「ん?15万人?15万口?どっちですか?けど法人は口数に上限ない言ってましたね。ん?なんかおかしいな🙄」

マルチ勧誘員「えっと・・・後で確認します」

""後で""っていつだ。

ここがおかしい!マルチのビジネスモデル

Y君「目標ダウンロード数としては日本国民の1%の約120万ダウンロードってことですけど、何を根拠に1%ダウンロードされるんですか?エビデンスあれば見せて欲しいですね」

Y君「例えば自動車保険サービスですが、もう既にJAF(一般社団法人日本自動車連盟)や民間の保険会社が既にやってますよね。JAFなんて会員数1,000万人です。自動車人口はパッと浮かびませんが、これ相当高いシェアだと思います。このサービスについては新規参入で勝てる試算があるとは思えないんですけど。あとJAFは飲食の優待もやってますよね」

Y君「他にも既存のサービスと重複する内容が多いですよね。例えば飲食店の予約とか、食べログはサクラが多いとかでgoogleの口コミも利用され始めてて、それでも食べログはシェアTOPでみんな参考にしてます。この””1%””はどこからでた数字なんでしょう?」

マルチ勧誘員「えっと・・・」

Y君「宣伝広告にかなり力を入れる感じですか?けど、ポスティングは反響率0.1~0.3%だと言われています。日本の人口で18歳から64歳までは大体2021年時点で7,000万人いて、7,000万の0.3%は21万人で、もちろん単純比較できないですけど月額2,000円のアプリとしては見積もりが甘すぎませんか?」

以下、ビジネスモデルをガン詰め。割愛します。

マルチ勧誘員「(スマホを触り始める)」

マルチ勧誘員「えっと・・・上司がもうすぐ近くに来る予定で、ここに呼んでも良いですか?

おわりに

ブログ記事を割とカットしたのですが、これでもメチャクチャ文量あってビビりました。当時のおれって相当「義憤」に駆られていたのかな…。

この後、マルチビジネスの限りなく親に近い幹部層と対面します。これについては気力があれば続きを書きます。

最後に僕の好きな言葉を引用して締めさせて頂きます。

””数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う””

次回記事

最後まで読んで頂きありがとうございました。

以上

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