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終われない冬

どのくらい長い道のりになるのだろうと、
君は溜息をついた。
ちょっと腰を掛ける椅子もない。

不協和音の連鎖はとまらず、
いまや泣き笑いの交響曲が鳴り響く。
春だというのに外は寒い。
桜の花びらの一枚でも散ってくれればいい。

最後の最後まで空っぽの会話が続く。
君は笑わずにはいられない。
上から覗いた2人はひどく滑稽だ。
真実の言葉に辿り着くことは永遠に不可能に思われる。
それに付き合うことが贖罪だというのか。
君は、時計をみて、時間の概念を捉えなおす。

過ぎた時間は取り戻せない。
待った時間を取り返そうと、
未来を奪うのなら、
この目の前にある壁は、
壊すしかないのだろうか。
迂回する方法はないのだろうか。

君は、1/2の権利をもって
金貸しの取立て屋にでもなろうか。
結局は、自由というやつは金で買えるのだろう。
そんな真実を信じたくはなかっただろうけれど、
良心などないのなら、それも仕方ない。
魂を売ったと言われてもいい。
自由への対価だと思えば、甘受できるはずさ。

去ろうとする者を留めることなど
とどのつまり、できないのだから。

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