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【エッセイ】fremdschämen(ドイツ語のお勉強)

去年の春にGarminが壊れてからジョギングの習慣が途絶えてたんだけれど、最近、職場のランニングサークルに誘われて、またランニングを再開。

外アルスター湖(Außenalster )を一周するとちょうど8キロ位になるんだけど、久々に走ったら気持ちよくって、1人でも走りにいったりしている。なんだかんだで週4とかの勢いで走ってるかも笑。特にいまは期間限定の雪中ランにすごくはまってて。めちゃくちゃ綺麗なの!雪に街灯の光が反射して、夜でもほんのり明るいんだよね。

で、今日は週1でやってるサークルのランニング・デイだったのだけれど、そのときに新しく教えてもらった言葉が【fremdschämen】である。

fremd〔フレムト〕」は、ドイツ語で、「外国の」とか「見知らぬ」とか「他人の」という意味を持った形容詞である。「外国の」という意味については、英語の「foreign」の意味と重なるみたい。

ちなみに、Rの発音だから、歯と歯茎のあいだらへんに舌を押し付けないで、舌をまき込む感じの方の発音ね。画家の「クリムトKlimt」みたいな発音ではないよ。

schämen〔シェーメン〕」は、「恥じる」、「恥ずかしく思う」といった意味の動詞である。

ただ実際の会話だと、「恥ずかしい(/ω\)」みたいなときは、「peinlich〔パインリッヒ〕」っていう形容詞の方がよく使われているような気がする。私、この「peinlich」って単語が実はすごく好きなんだ。響きが可愛いから、女の子が「Ich bin peinlich.〔イッヒ・ビン・パインリッヒ〕」なんて言ながら頬を赤らめたりしたら、きゅーんってなる。

ちなみに、ドイツ語を知らない人のために補足すると、ドイツ語って、日本語の漢字のように、単語と単語をくっつて1つの単語にするってことがよく行われる。例えば、「世界 Welt」+「大戦 Krieg」=「世界大戦 Weltkrieg」みたいな感じね!

で、【fremdschämen】の意味なのだけれど、

公の場での他人の恥ずかしいやりとりとか、行動によって
それをみた人の方が逆にすごい恥ずかしい思いをしてしまうっていうときに使うそう。

なお、【fremdschämen】は、動詞なので、使い方としては、
「Ich habe mich total fremdgeschämt.」みたいな使い方になる。
こっちがめっちゃ恥ずかしくなってしまったんだけどwwみたいな意味。

SNS上って、こんなので溢れているよね笑
まさに、その話しの流れでこの単語がでてきたんだけれど。

すごい便利な言葉だなって思ったの。

でも日本語で、これ、なんて訳します?

最初に思いついたのが
「うわっ+〔ひき笑いorこばかにした笑いor鼻で笑う〕」
だったんです。語彙力なさすぎて、すみません笑

普段の会話でなら、十分これで、相手に通じると思うけれど、
(超ハイコンテクスト文化、ばんざーい!)
訳語にはまったくなってない!ひどすぎる笑

みなさんだったら、どう訳しますか?

たぶんね、文脈にもよるんだとは思う。【fremdschämen】ってかなり守備範囲が広そうなんだ。だから、例えば、文脈によっては、「バカップルwww」って訳語をあてても間違いじゃなさそうな感じ。

ただもうね、完全に悪口な気がするの笑
だから【fremdschämen】って、そのまま使ってしまった方が、日本では言いたい放題な気もする(言っても誰もわかんないじゃんっていう)。その、仲のいい人と意味を共有したうえでね笑

外国で日本人どうしで集まったときの「あるある」だと思うんだけど、外国に日本語を理解できる人なんてほとんどいないから、辛辣な話とか、外国での愚痴とか、恥ずかしい話を、日本語で大声で外でしちゃったりするっていう笑 日本では聞かれたくない話を大声で話すとか多分しないと思うんだ。

逆に、ドイツ人の友達が日本にきたとき、人には聞かせられないような馬鹿な話をするときに、あえて英語じゃなくてドイツ語で話してたことがあって。そうしたら、そのとき、たまたま京大の前を通るバスに乗ってたんだけれど、ちょうど出町柳の辺り(トップ画が出町柳だよ)を通り過ぎて、御所の前を通るくらいのところだったかな。後ろに座ってた日本人男性(たぶん、研究者)が、いきなりドイツ語で話しかけてきたんだよね。

あとで、友だちが、
「Ich war sehr peinlich. Ich hab gedacht, niemand hier Deutsch verstehen kann. Warum? (顔真っ赤)/めっちゃ恥ずかしかったんだけど!ここでドイツ語理解できる人なんていないと思ってたよ、なんでー?」
って言ってたな笑 ←この「peinlich」はきゅーんってしないやつ。

たぶんね、その、おそらく研究者であろう人からしたら、
我々の会話がまさに【Fremdschämen】だったと思う。

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