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読書感想文 No.3「間違いだらけの文章教室」

間違いだらけの文章教室(高橋源一郎/朝日新聞出版/2019年)

文章を書くと、なんだか頭が良い人のふりをしているようだし、偉そうだし、そんな自分を気に入っているナルシストな奴だと思われないか、不安になる。

それから、自分は正しい文章を書けているのか、意味がわからない文章になってはいないか、知識や語彙の欠如が露呈していないか、不安になって周りの目をおずおずと気にしてしまう。

この本はそんな人におすすめかもしれない。

正しい文章とは何か立ち返って考え、正しく書かれた優等生な文章よりも、心を打つ文章こそが名文であると気がつく。心を打つ文章に正しい文法や豊富な語彙は必要ない。

しかも、その文章を書くために、滅多に経験できないような特別な経験なんてものも必要なくて、何かを深く考えたり身をもって感じたことであれば、どんなテーマでも、誰にでも、誰かの心を打つすごい文章が書けるというのだ。

何かを深く考えること自体、滅多にしない特別な経験だと思った人!この本を読めば、それは日常に沢山転がっていると気がつくだろう。

すごい文章には、そこに書き手の血が通っている。まるで書き手が目前に現れ、ただ一人、私に向かって語りかけていると感じるのだ。心から湧き上がるありのままの文章は、偉そうに踏ん反り返ったりしない。自分と同じ目線に立って、ありのままの言葉で語りかけてくれるのだ。


というわけで、私もこのブログでは、湧き上がるままに文章を書こうと思う。この本は何度も読み返したいし、この本に紹介されていた文章とも友だちになりたいので、読みたい本がまた増えた。

嬉しい、楽しい、幸せ。この本を読んで良かった。


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