𝒚𝒖𝒌𝒊𝒏𝒐

御贔屓くださいませ♡

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マガジン

  • 雪と月 連載中/現読了約1時間

    雪乃さんと僕のミステリーと少しエッチな日々。

  • つぼみほころぶ頃に 1.5万文字/読了30分

    『お姉さぁん。マッチはいかがですかぁ?』 椿のような唇の美少年は、遠く煮詰めた蜜で女性教師を魅了させていく。妙技をもたらしたのかと思うほど骨盤に柔らかいくびれをうねらせ、美妙そぐわぬ縦ながのへそは忘我を足掻く女性教師に恍惚を覚えさせていた。  この物語は心因性失声症の少年と、それに向き合った音楽教師のお話。三日月を椿色にした少年は大人になった今も彼女を慕い続けている。

  • 朱の緊縛 11万文字/読了3時間

    ミステリー小説大賞2位作品 〜トマトジュースを飲んだら女体化して、メカケとその姉にイジられるのだが嫌じゃないっ!〜  『怖いのなら私の血と淫水で貴方の記憶を呼び覚ましてあげる。千秋の昔から愛しているよ』――扉の向こうに行けば君が居た。「さあ、私達の愛を思い出して」と変わらぬ君の笑顔が大好きだった。  同僚に誘われ入ったBARから始まる神秘的本格ミステリー。群像劇、個性際立つ魅力的な女性達。現実か幻想か、時系列が前後する中で次第に結ばれていく必然に翻弄される主人公、そして全てが終わった時、また針が動き出す。たどり着いた主人公が耳にした言葉は。  アルファポリス第4回ホラー・ミステリー小説大賞900作品/2位作品

  • MIYABI 2万文字/読了30分

    交差点を照らす巨大スクリーン。それを見上げ、ギターを構え持つひとりの女性。彼女の蜘蛛の糸は地面が崩れ落ちたようにぷつりと切れ、鳴る事の無いノイズとなった。

最近の記事

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はじめまして。

 誕生日の記念に始めました。幼少を神職として過ごし、巡りまして当世はBARの店主を生業としながら日常を修飾した小説、 “ 雪と月 ” を連載しています。  まるで妄想ばかりの臆病者ですが、どうぞ御贔屓くださいませ♡ 大分県大分市都町2丁目3−1 シャルルケイ 4F  𝐵𝐴𝑅 −篝− LINEID cagalli0116

    • ワイングラス。

       ー 血液で満たしたワイングラスを如何に洗浄しようと無意味であり、その “ 穢れ ” を浄化するには幾多の時を清流にひたさなくてはならない ー  何時ぞや私に差し込まれた言葉です。  私は己への醜悪、俗欲やストレス。貧困や病にいたるまで全てにおけるマイナス、陰を “ 穢れ ” だと捉えています。 「森林浴でも子供に触れる等でもいいと思うの。何かを抱えているのならね、綺麗な場所へ行くといい」 ーー  如何にしてストレスから逃げるか。随分とめんどくさい言い回しで説いてい

      • Dの意思を継ぐモノ。

         Y染色体D系統、通称YAP遺伝子。  現日本人の40%が所有。一説ではシュメール、縄文由来とされていおり、優しさ遺伝子、愛情遺伝子などと謳われています。 ーー  近代文明、資本主義。アメリカが世界の覇権を取ってから100年余り。  世界は宗教革命、農業革命、産業革命。そして近代の情報革命へと変化を遂げてきました。  しかしどうでしょう。1万〜1万5千年続いたと言われる縄文文化の足元にも及びません。 ーーその違いは何なのか。  シュメール、古代ユダヤ、縄文の人々は

        • アリスの眼鏡。

           当店にある一枚の絵画。 「……えっ!」と即座に反応する方は圧倒的に “ お若い女性 ” が多いです。  同じ “ 人間 ” であっても見えているモノが同じとは限らない♡  ※ 歯を見せて笑います  色彩感覚テストに使われるらしいですけれど、瞬時に判別出来たから異常というよりは個体差でしか無いのでは? と思います。  ※ 数字の2です ーー  このような記事を書く理由ですが  年齢を重ねた分、これまでの年月で幾多素敵な方々とエニシができました。  ……となり

        • 固定された記事

        はじめまして。

        マガジン

        • 雪と月 連載中/現読了約1時間
          48本
        • つぼみほころぶ頃に 1.5万文字/読了30分
          10本
        • 朱の緊縛 11万文字/読了3時間
          48本
        • MIYABI 2万文字/読了30分
          16本

        記事

          お麩。

           ラーメンやうどんに麩を入れていたのは私だけでしょうか? ーーご無沙汰していました。雪乃です。  先日、NOTEから始まったご縁で当店にてパーティが開催されました。その際の喉越しと後味を記事にしたく筆を取った所存であります  何故タイトルが “ お麩 " なのかと!?  そこはヒトヒネリしたくなる天の邪鬼は健在。としておいてください♡  情けないモノで52歳手前にしてようやく腑に落ちた事がありました  〜永遠と抱いていた違和感 ーー随分前にお客様と交わしたのです

          クダギツネ。

          ←前話 『外は冷えるのだから突っ立ってないで早く上がらせろ』言わずにもせっつく雪乃さんは僕の背に顔を埋もらせた。  ……折り鶴?  モノクロの羽根に読み取れる “ 岩手新聞 ” の文字。さしずめ新聞紙で折られたようだけれど、どうにも腑に落ちるモノでない……夕べにいそいそと店の営業へと向かい、連だっての帰宅……詰まるトコロそれは無人の部屋に突如と現れたことになるんだ。    いっぱいに広げたであろう新聞紙から折られた鶴は、到底郵便受けから入るサイズではない。それがまるで主

          影踏み。

          ←前話  日中には遅く今宵と言うにはまだ早い頃、柑子色を跳ねらせる畳を雪乃さんがなぞった。『ほら、此処を見てごらん』と指を止めた先、そこは日陰でも日向でもなく何やら揺らぐように灰色と霞んでいる。  思うとそれは昔よりも随分小さくなった気がした。影踏みをしていた幼少期、灰色の部分を踏んだからセーフだとハシャイでいたはずなのだけれど……  お酒が足りていないよとねだる様にヤレヤレと膝を上げた時『ほら』と猫の唇が僕を見上げた。  あれ? 灰色が……影が伸びている? 「ボク

          縁結び。

          ←前話 「……こんな話を知っている?」  猫の唇から幾度と溢していた彼女に託された木箱。その中で錆び朽ちていてた手の平ほどの短剣は乱雑にすかりと埋もれている事だろう。  『コイツはきっと私を近寄せないでくれるのだから』  あれから僕は随分と髪を伸ばしたようだ……風も無く深々と雪だけが舞う夜にそれは風鈴のよう、いつまでも横髪を揺らし続けていた。 「昔からそう。アイツは突然現れて忽然と居なくなるのよ」  美奈さんの肩に三回、僕はくすぐられたようにクシャミをした。 ー

          狐の嫁入り。

          ←前話  影に寄せられ更に闇へ、そのまた奥へと……皆が戸惑い無く寄せられてゆく様を、ややも穿った見方をするのなら “ 夏 ” と言うのは斯のよう理りを無下反する季節なのだろうか。 ーー  綿雲のままのお天道が夕立ちに育つまでを見なかった月夜は、雌日芝をさも大木かのように和がせていた。  ……ポツリ、ポッ、ポツポツ 「れ、店までもたなかったみたいですね……折りたたみ傘なんて無いですよね? 雪乃さん」 ーー雪乃さんから聞いた話だ。  鬼灯と書いて “ ホオズキ ”

          八段錦。

          ←前話  ピラミッドみたいにほとんど正四角錐の山ってあるでしょ? そんなモノが自然を装って幾多存在するこの国って “ 変 ” だと思わない?  鳥居の有無。ここでバージョンが二つ有るのだけれど、ソコは人目に付かないように鳥居も祠も無いと思うんだ。多分冷戦時代にソ連がやっていた事と同じ、“ 機密事項 ” なんじゃないかな。 「瞽女の眼を無理やり開いたとろこでさ、所詮演者でしかないんだ。……想いに足るでしょ? 生きた眼を閉じて尚、三味線行商をしなくてはならない醜穢をさ」

          12年。

          ←前話  堕ちた時、紫色に跳ねる黄泉の洞窟で背のまま向いた眼差しに脚を掴まれた。  浅い水面に突如と浮き上がった異質は、一糸纏わずの長い髪を濡らし物の怪の如く明ける月夜に雫を跳ね上げている。 「見物料なんて取りゃしないけれどさ、ソレと君は番いなのかい?」  姫ヶ淵、標高高くからを源とした下流の池溜まり。今だ残る月夜に現れた真白い背がまるで恥らう事も無く水面を分けた。  化かされた様たうたうに「すみません」と何度も繰り返す……そうだろう、喰われてしまってはたまったモノ

          人魚。

          ←前話 ーー急ぎナマエをヨんだ……。  まもなく冬至の頃と言うのに蒼褪めた寝汗で顔を覆う様子を三晩も眺めたのだから興味を唆ったのだろう……僕は雪乃さんに伺われるがまま、まるで少女よう事の末を打ち明けた。 「先週仕事で福井に行ったんだっけ? ……その時水月が見知らぬ人に分けてもらった椿餅ってさ、葉の下に薄皮がなかった? それね、私にと買って来てくれた土産とは違う “ マガイモノ ” じゃないかな。  まったく……小浜の “ 椿 ” はダメなんだよ、碧薄いモノが覆っていたの

          ピダハン族。

          ←前話 「面白そうだとソソるモノ。それだけなのだから私は上等なんかではなくてさ、まるでロクでもないんだよ」 ーー山間の水面で浮き世離れた背を眺めてからかれこれと十年越しになる。まるで柚子湯に水飴が流れ込んだの様、随分と僕はアテられたのか……いいや、これはきっと孤独感ってヤツなのだろう。  コタツに横たわる雑な姿勢のまま気配を消していく雪乃さんを追いかけようとしたのだから。  曰く、座禅だからと座る必要はないのだと雪乃さんは言うのだけれど、いかんせん初心者なのだから順序立

          高田美奈の件。

          ←前話 「何を見ているのかって? そうだね……どうやらそれは病気らしいのだけれどさ、私は必要な時だけしか左脳を動かしていないようなんだよ」 ーー幼少の雪乃さんと級友である高田美奈さんが店を訪れた翌週、連れ立って彼女の家を訪れた。  残暑の暮れを遮らないマンションの高層階、しかし閉ざしたカーテンのせいなのか室内は随分と湿度を溜めたような冷たさだった。  『……子供二人が自殺した家』  躊躇は遠くなる二人の背に、用意されたスリッパを履き倦ねてしまうほど想い余した僕を余所

          高田美奈の件。

          巨乳。

          ←前話  倦ねるよう鋏を刺した封書。苛まれ事があるワケではないのだけれど、毎度訪れる健康診断の結末を覗くのはイヤなものなのだと傾げる僕に、カウンター越しの雪乃さんが “ ふわり ” 紫煙を揺らした。 「そのまま “ ロジャー・バニスター効果 " って言われるのだけれどね」 ーー雪乃さんから聞いた話だ。  イギリスのロジャー・バニスターと言う陸上選手が由来の事らしい。  1950年代。当時の医師や生理学者、科学者までもが人類が4分以内で1マイルを走る事は物理的に不可能

          MIYABI。

          ←前話 「霊障うんぬんではなくてさ、知らずにとは言えまるで不可逆な自殺行為なんだ。沙也加さんのそれに唯一可能性があるのなら催眠療法だろうけれど、世にまだ成功事例が無いんだよ」 「そ、それじゃあ私は……」 「沙也加さんは身体だけを残して消えてしまう事になるね。……四方、手を尽くしてはみるけれど、仕方のない事だと据えてほしい」 ーー三十歳にも満たない女性の顔に月明かりが映る。しかしその故では無い、恐らく彼女にとって “ 最期の綱 ” であったであろう雪乃さんの糸は手を伸ば

          MIYABI。