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#時空の森羅万象物語 外伝0


(今回の物語は少々アグレッシブな表現があるので、注意喚起の為に有料100円設定にしています。

 ただし、最後まで無料でお読みいただけます。)



ご無沙汰しておりましたが、ようやく時空物語の外伝が書き上がりましたので投稿します。

(本当は昨日投稿するつもりでしたが、解説文が長くなりすぎた為に終わりませんでした (:3」∠))

この物語はあまり正編の本編とは関係無いので、積極的に読んでいただく必要はないかもしれません。

五行思想や妖怪譚にも関係無い話なので、本当に時空物語の外伝なのか?と思われるかもしれないくらいです。

ただ時空物語の正編の内容を若干補足するものであり、続編も読んでやると考えてくださっている方は一層読んでいただいた方が良いかと思います。

その方が、続編の物語の内容を理解しやすくなります。



元々外伝は、物語に登場するキャラクターの裏事情などを補足する為に書いている(宿命物語の時はそうだった)ものですが、時空物語の場合は各章ごとに一人一人のキャラクターについて詳しく紹介しているようなものなので、メインキャラクター達について今は特に書く事が無いのです(笑)

ゆえに時空物語正編の外伝は今回投稿したもののみで、続編に至っては外伝が存在しないかもしれません(少なくとも今のところは存在してない)。

(念の為に書いておきますが、今回のお話に出てくる掟や規則、事件などは現実のものと一切関係ありません。

 そもそも著者は、その辺りの事は詳しくありません σ(^_^;))



今回の外伝物語の内容は、京極家の馬叉斗さんと里枝さんの話、そして昔の時代に京極家が北之海道(北海道)から虹野島にやってきた経緯(ついでにこの物語の京極家の人達が嫉妬深くなってしまった大元)などを書いています。

過去物語の舞台は、リアル現実の北海道にある京極町。

蝦夷富士とも呼ばれている羊蹄山(1898m)は、京極町の南西方向に位置します。

鹿児島には薩摩富士(開聞岳)があるので、それも含めてちょっと似てるという風に書いています(羊蹄山の方がずっと高いし雰囲気もだいぶ異なるけど)。

京極町は、香川からやって来た京極の姓を持つ旧讃岐丸亀藩の藩主の名前に由来するそうです。

その藩主・京極高徳子爵の大元を遡っていけば山城国(京都)に至り、そこまでの時代を辿ると近江国(滋賀)に行ったり飛騨国(岐阜)に行ったり出雲国(島根)に行ったり色々しているようですね。

 実際の京極町の成立は1940年なので藩の船がなんたらという話と時代が全く噛み合いませんが、あくまでも想像上のお話なので大目に見てくださると幸いです。

(上記の話に関連して、最後の方に出てくる「六つの星団」というのは「すばる星団」の事で、近畿地方で「すばる」が「すまる」と呼ばれる事を連想させるようにしています。

 「すまる」が古事記に出てくる古代の首飾り「美須麻流之珠」から取られている事は、本編の解説でも書いたかと思います。)

 楓塚家が虹野島にやって来たであろう時代の話も本編の解説に書きましたが、もちろんリアル現実のお話ではないのでその辺りもかなり曖昧にしています。



薩摩藩の中枢と密接に結びついていた富豪海運業者の話は実際にあった話のようで、詳しくは「浜崎太平次」というワードで調べると出てくるかと思います(この人は指宿の人ですが)。

江戸幕府からは密貿易扱いされていたようですが、日本の各地から海外まで股にかけ多額の利益を得たとされているようです。

本編中にも問題になっていた京極家の掟に「嫡子以外の兄弟姉妹は、結婚せずに生涯京極家に仕える事」というものがありますが、これは正編での解説通り漁師(日野矢家の時代には海運業者がメインだった)という職業柄、死に直面する可能性が少なくなく、万が一、当主が不慮の事故で亡くなった場合、同じ家の同じ血筋の者が家を継ぐ為ですね。

京極家は虹野島の漁師組合の総括的存在で、当主自身が海に出る事も少なくありません。

特に海関係の祭事の際は、先頭に立って指揮するのが習わしとなっています。

馬叉斗さんの父親はその祭事の際に亡くなっているわけですが、珍しく一人っ子だったので、まだ若い馬叉斗さんが当主を継がざるを得なかったのです。

京極家の刺青の話も、危険を伴う海の事故に関連するもので、万が一、海に投げ出されて行方不明になった時、後に遺体が見つかったとして、その刺青で誰なのか判断する為ですね。

(「馬」の字を当主の名前に入れるのは、北之海道に馬がたくさんいたからという理由もありますが、馬飛斗さんの名前に馬の字が元々入っていて、馬飛斗さんも自分の子供に馬の字を入れているので、それがずっとに続いてきているという事があります。

 当主となる嫡子以外の兄弟姉妹は名前に馬の字を入れなくても良いのですが、当主が事故で亡くなってしまった場合などに名前を変える事があるようです。)

あともう一つ問題となっていた「嫡子の配偶者は、当主の許可なしに家から出てはいけない事」というのはまさに今回のお話に関係があり、そもそも鹿ノ子が家出のような形で船に忍び込んで密航をしでかした故で、一度そういった者を外に出すと二度と帰ってこなくなるかもしれないという恐れの感情から発したもののようです。

ただしそのおかげで現在の京極家の前身となる人間が生まれて島に帰ってきたわけで、京極家の当主となる嫡子が女性でも有り得たり、船に乗る事を規制したりしないのもそのためです。

ただし実は「嫡子の配偶者は〜」のくだりにはもう一つ理由があって、鹿ノ子と結婚するはずだった婚約者が鹿ノ子の脱走に憤慨し、日野矢家に対してキレまくり、その怒りを収める為に、後付け的にそんな誓約を取り決めざるを得なかった、といった事があります。

なので実際はずっと守り通さなくても良さそうなものですが、慣習というものは恐ろしく、その由来を詳しく知らなかった後年の京極家の人々が残し続けてしまったようです。



京極家に里枝さんを連れ帰った馬叉斗さんは、それから里枝さんの過ごしやすいようにするにはどうすれば良いのか色々と意見を聞こうとしました。

しかし里枝さんは、自身が意見したり主張したりする事を全く知らなかったようです。

それ故に馬叉斗さんは、自分が里枝さんを導かなくては生活していく事も儘ならないかもしれない、という結論に至り、花筐家にいた頃とあまり変わらない(馬叉斗さんは里枝さんの話し相手をしまくり、庭も自由に出歩かせて回っているわけですが)静かな暮らしをさせるのが良いという考えに辿り着いたようです。

そんな里枝さんが唯一馬叉斗さんに意見し逆らうに等しい事をしたのが、第69節でも言及された双子の出産を危険視されていた時の話ですね。

(ただし馬叉斗さんに差し出された手を取った事もまた、里枝さんの意思表示ではあったのだと思います。)

馬叉斗さんは頭の回転も早いし勉強も嫌いじゃないので、理に適う事を言い行動もします。

しかし時折、周りがビックリするくらい理性的なようでいて実は感情的なものに流されまくっている事もある(そういう時は特に素直だったりするし、大いに自覚もあるらしい)ので注意が必要です。

こういった点でも馬叉斗さんと醒馬は、実は結構似ていたりするのです。

(途中で出てくる京極家と花筐家の失踪事件がなんたらという話は、正編第Ⅸ章第86節で書いたものの事ですね。)



最後辺りで馬飛斗さんが言っている山は羊蹄山、カルデラ跡の湖は屈斜路火山の噴火により出来上がった屈斜路湖の事ですね。

屈斜路カルデラは日本で最大のカルデラであり、世界でも有数の大きさだそうです。

ただ羊蹄山はともかく、屈斜路湖は京極町からかなり離れた場所にあります。



今回のお話は内容的に今の時代にそぐわない箇所ようながあったかもしれませんが、著者が書いておきたくて書いたものなので気楽に読み流していただけますと幸いです。

実際問題としていくつかの謎(縁さんについての話とか、千里さんについての話とか)も残っていますが、その辺りに関しては続編にて書いていきますので気長にお待ちいただけるとありがたいです。

(最後に余談ですが、正編の第100節で醒馬がわざわざ寮から時計回りで京極家に向かった(寮からなら反時計回りの方が早く京極家に着く)のは、途中で買い物などをしたい(島の西側には店などがほぼ皆無)という事もありますが、ただ単に京極家に着く時間を遅らせたかったという理由が大きいようです。)



今回も、ご愛読いただき誠にありがとうございます。

これからまた少し投稿の間が開いてしまうかもしれませんが、今しばらくお待ちいただけると助かります m(_ _)m






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中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。