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意図や感情を素直に伝えてみる

こんな大人いませんか?

とっても機嫌の悪い大人が子どもにこう言います。
「早くしなさい!」
「もう知らない!置いていくから!」
「ほら、行くよ。」
「危ないって言ってるでしょ!」
「いつになったら勉強するの!」

あるいは部活のコーチがこんな風に叫びます。
「やる気ないなら帰れ!」
「遅い!」
「お前たちがそういう態度ならもう来ない」
「連帯責任だ!」
「勝手にしろ!」

どこかで見たような、聞いたような気がしませんか?

声には出しませんが、私はいつもそういった言葉を聞くと、
「なんで?」
と思ってしまいます。

そんな風に言われてすぐさま改善できている子どもをあまり見たことが無いからです。
ではなぜ改善できないのか?

それは納得出来ていないからだと思います。
どうして大人がそう思ったのか、なぜ子どもを主語にして注意するのか、大人側は本当はどうしてほしいのか、素直に自分はどう思っているのかを伝えた方が子どもの行動改善につながると私は考えています。

今日はそのための方法をお伝えしたいと思います。

Iメッセージのスキル

「私(コーチ)」を主語にした言葉がけをI(アイ)メッセージと言います。子どもを評価したり、逆に叱責したり、注意したりするのではなく、子ども自身で自分の行動を顧みる機会を与えるのです。そういった機会が、子ども自身が自発的な行動をしようと考え、実際に動けるようになっていく後押しになってくれるのです。

●自分の意図を伝える意義
多くの子どもは「~しなさい」「~してはダメ」という指示命令の言葉を浴びて生活しています。とても息苦しいと思います。そんな時は、先ほど挙げたような言葉が日常にある様子を観察してみてほしいのです。
子どもは本来、指示命令が無くても自分で考え行動し、判断する力があります。そこに、大人(コーチ)の意図や感情を伝えることで子どもの行動に変化が生じてきます。その伝え方の1つがIメッセージです。

●Iメッセージの表し方
例えば子どもがスーパーのお菓子売り場でほしいお菓子を買ってもらえないと泣き叫んでいるとします。
「うるさい!」「静かにして!」
というのは主語が子どもです。
あなたが「うるさい」
あなたが「静かにして」
といった具合に。

そうではなく、こちらの意図や感情を伝えるためのフレーズを使ってみませんか?
★意図を伝えるフレーズ
「今日は帰ったらすぐ晩御飯だから買わないよ。」
★感情を伝えるフレーズ
「泣いていたら私も悲しくなってきちゃうな。」
★影響を伝えるフレーズ
「大きい声で泣いてると、お店の大事なお知らせが聞こえなくなる人がいて困っちゃう人がいるんじゃないかなって心配なんだ。」

※小さいお子さんにとってはスーパーは興味をひくものばかりで気になってしまうし、ほしいもの(手に取ってみたいもの)がたくさんあり、「ほしい」「買って!」とねだってくるとは思いますが、声の大きさが大きくても小さくてもそれはよくあることで、本当に大事なのは、買わないと決めたら買わない、ということです。そこで根負けして買い与えてしまえば、楽かもしれませんが、その後は泣いてねだれば買ってもらえるという方程式が出来上がってしまうでしょう。なぜ、今買わないのか、泣いても買ってもらえるわけではない、ということを伝えることの方がよっぽど大事だと思います。ただ、フォローは忘れずに!「ほしかったよね」「今度は来る前に何ほしいか考えてから行こうね」と子どもの気持ちに寄り添うように心がけてみましょう。

Iメッセージに直してみよう

冒頭のセリフをIメッセージに直してみたらどうなるでしょうか?
「早くしなさい!」➡あと5分早く行動して、ゆとりがあると嬉しいな。
「危ないって言ってるでしょ!」➡危ない行動でケガしないか心配だよ。
「いつになったら勉強するの!」➡一緒に勉強計画考えてみようよ。
「やる気ないなら帰れ!」➡ふざけが過ぎると、真剣に取り組んでる人たちにも影響が出ると思うよ。
「お前たちがそういう態度ならもう来ない」➡みんなが前向きな態度で取り組めると、私も前向きになれるし、もっと教えたいと思える。

子どもがうれしいと感じる伝え方

注意するときだけでなく、褒めるときにもIメッセージは有効です。
子どもを承認する言葉にはいろいろありますが、主語が「子ども」のときと「私(大人・コーチ)」のときとでは受け取り方の素直さが少し違ってきます。比べてみましょう。

A☆主語が「こども」の場合
「よく頑張ったね」
「作文上手だね」
「いつもしっかり勉強してるね」
「自分から進んで行動して偉いね」
「努力家だね」

B☆主語が「私(大人・コーチ)」の場合
「感動しちゃったな」
「次の作文もまた読みたいな」
「見ていて本当に感心するよ」
「やっておいてくれて助かるよ」
「君ならできると思ってたよ」

いかがですか?
Aの場合、子どもに対する評価のニュアンスがあり、子どもによっては素直に受け取ってくれない子もいるでしょう。
Bの場合、子どもの行動や存在を承認する気持ちが感じられ、「私(大人・コーチ)」が感じたことを伝えているので、素直に受け取ってもらいやすいのです。

まとめ

Iメッセージには子どもが「自分の行動が相手をどんな気持ちにさせ、どんな影響を及ぼすのか」と考えるきっかけがあります。
もちろん大人同士でも同じです。相手が良い、悪い、と言うよりも、それを自分自身がどうとらえているのかを伝えることの方がよっぽど円滑な人間関係を築くことにつながっていくと私は考えています。


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いつも読んでいただきありがとうございます。
これからもコーチングスキルを塾講師、親の目線で発信していこうと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。

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