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毒親の子どもの敵は「親権」なのか?ということ

毒親の問題解決を考えるにあたって、いろんな側面から捉えられると思う。

○法律から考える側面
家庭というものを法律がどう捉えて、虐待をはじめもし子供に害がある家庭だった場合にどんな救済処置があるのか。

○親の資質から考える側面
毒親がなぜ毒親になってしまうのか。毒親を糾弾することも大切だし、毒親にも過去に精神的なトラウマなどの問題がありそれが原因になっているのかもしれない(もちろんトラウマがあるとしても加害行為が許されるわけではない)

○子ども側の主体性と知識の問題
(ⅰ)子どもが自分の置かれている状況の異常性に気づくこと。子供にとって、家庭というのは生まれたときからの当たり前の状況で、ほかの家庭との比較が起こりづらいので自分の親が毒親であると気づきにくい。

(ⅱ)全ての人には人権あり、自分の人生を自由に選択できる権利がある。
不当に傷つけられたり搾取されることはもし相手が親であっても許されないということに気づくこと。

(ⅲ)自分が置かれている状況を是正する能力をつけること。可能なら親に権利を主張して、話し合う、不当さに立ち向かう。
キレイゴトな好きな大人達は話し合えば分かってくれるというが、話し合っても分かり合えない相手は居る。その場合は逃げる手段を作りだす。
近くにいる人や、児童相談所や、関連するNPOなどに話せる人に相談する(どんな団体が存在するのか分からないので知っている人がいれば教えてほしい。)
毒親家庭の子どもは人間不信に陥りがちだとおもうが、声をあげたら意外と人間はやさしい人も多いので力になってくれる人もいるはず。

ドラマや映画だと傷ついていたら誰かが手を差し伸べてくれるが、現実世界では傷ついているだけでは誰も助けてくれないのが辛いところ。

○子どもの心のケアの問題
未成年期はもちろんのこと、成年後も心に傷を抱えたり、自立しても干渉してくる親に悩まされることは多々ある。毒親とはいえ肉親にNOを突きつけることは非常に心苦しいことであるが、それをどう乗り越えるか。

毒親について考える上でも、以上のような多様な視点からみた争点があるのかなぁーと思います。

○毒親問題の敵は親権「親権」?
ところで法律の話に戻りますが、全ての人には人権があるので傷つけられたり不当に搾取されることは誰ひとりとしてあってはならない。
けど、家庭のなかでは「しつけ」だの「保護」だのキレイな言葉を隠れ蓑にして子どもの人権が踏みつけられている状況が往々にしてある。

そもそもそんな状況がなぜ起きているかといえば、もともと子供に付与されている人権や自由の権利が子どもが未発達なのを理由に、部分的に親が代理していたり、親は子供に対して行使できる権利があるからです。

「親権」というやつです。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/親権

・住む場所を親が指定できる「居所指定権」
・一定範囲で体罰が許容されている「懲戒権」
・子どもが働くことを制限できる「職業許可権」

こういったことは子供の保護や養育を目的としているはずだが、毒親には悪用できてしまう。

たとえばWikipediaの「懲戒権」の項目だとこう書いているように、一定の体罰が許されてると言ってももちろん子どもの心に禍根が残るような体罰が許されているわけではない。

この規定に基づき、一定の範囲内において、親の子に対する体罰は合法となっている。ただし、社会通念を超える懲戒は親権濫用となり、傷害罪(刑法204条)や暴行罪(刑法208条)等の刑事責任の問題となりうる
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/親権

しかし、この文書を読んでも一定の範囲内ってのがどこまでなのか線引きが分からないし、この概念は容易に毒親の言い訳に使われてしまうだろう。
懲戒権という小難しい言葉ではなく「私がやっているのはシツケです」という言葉で。

親権はもちろん普通の家庭では子どもの健全な育成のために必要なものであるけれど、それが毒親に悪用されてしまうとしたら、この法律が毒親家庭にとっては現実に対応しきれていない不合理な側面があるか(たとえば居所指定権が毒親から逃げることを阻害していることは容易に想像できる)
もしくは法律の運用が上手くいっていないのだろう(児童相談所という救済機能があるはずなのに救われない子どもが多数いるように)

現状の親権のどこが問題なのか。
それを知るにはまず現状の日本での親権とは何なのか、どんな権利が親に付与されているのかを知らなければならない。とりあえずWikipedia一緒に読もう。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/親権

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