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予想をはるかに超えていました。(学芸員インターン1週目を終えて)

(2018.06.05) インディアナポリス美術館で、日本美術史の博士を持つ学芸員(以下ボス)のもとでインターンをさせていただき、はや1週間が過ぎました。

今週はずっとボスが出張中なので、私には、
1. 過去に作られた「インディアナポリス美術館名品展」のカタログを読み込むこと 
2. 所蔵作品一つ一つの情報が集まったファイルに目を通すこと
の二つを通して、この美術館に所蔵されている日本美術コレクションをある程度覚えるようにという課題が出されました。

と、いうことで、この1週間、毎日美術館の資料やカタログに目を通していたのですが…

ここの日本美術のコレクションが、予想をはるかに超えて、すごい。という事実に気づきはじめ、嬉しいやら緊張やらで、冷や汗が止まりません。

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インディアナポリス美術館は、アメリカの日本美術コレクション(特に江戸時代の絵画)の豊富さに関しては国内最高レベルである、というのはwikipedia等を読んでうっすらと知ってはいたのですが...。

ただ、大学の授業で美術館を何度訪れても、日本絵画は全然常設してないのです。仏教美術の彫刻が少し置いてあるくらい。だから、日本美術のコレクションが強いというイメージは、この美術館には全く持っていませんでした。

ところがです。キュレーター(学芸員)のオフィスでカタログや作品のファイルを読んでいると、伊藤若冲の花鳥図やら狩野探幽やら歌川広重の東海道五十三次が全部揃ってるやら、高校の日本史の教科書にも乗っている名前が、とにかくわんさか出てくるんです...。ちなみに、北斎の赤富士の浮世絵も、この美術館の所蔵です。

Courtesy of the Indianapolis Museum of Art at Newfields

ファイルには、各作品がどんな経緯でこの美術館に来たのか、どういう修繕を施され、今どういったコンディションにあるのかが記録されています。

一つ一つの作品が、何百年という時代の荒波を生き延びて、海を超えてここまで来ている。作品を作った作者や、かつて所有していた人の人生も、美術品たちは見てきていて、その痕跡が美術品自体に、傷や筆跡として残っている。
作品一つの歩んできた歴史だけで、歴史小説が書けそう...。作品や作者の歴史を知るのが面白くて、資料をめくる手が止まりませんでした。高校生の頃、これくらいの熱量を持って、歴史の勉強に取り組めたらよかったのになー。

来週ボスが帰ってきてから、どんな業務になるのか、今から楽しみでなりません。


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