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改めて日本の官僚(国家公務員)の働き方改革を考える


はじめに.

まず、最近、"官僚達に強いられている過酷な労働環境等要因から、若者の官僚職離れが進んでいる"とのニュースを、頻繁に目にいたします。

なので、以前に、官僚の働き方改革についてのnoteを既に投稿しておりますが、今回、改めて、これまでに新しく得た知見を含めて、"官僚達の働き方はどうあるべきか?"について、述べさせていただこうと思います。


1.官僚制の最も重要な部分

私は、日本の官僚達が、世界各国の中央政府の官僚組織に比べ、比較的優秀な結果を残せてきた最大の要因は、その採用方式に、"資格任用制(メリット・システム)"が、用いられている事だと思っております。

なので、それさえ維持出来れば、官僚達が、ほぼ毎日24時間近く労働出来るような超人である必要は一切無く"仮に、官僚達が、全員定時で帰れるようになった所で、行政の質は殆ど落ちる事は無い"と思っております。


2.頭脳労働においては、如何に働かない時間を作れるかが最も重要である

最近では、官僚達にとって、最も重荷となっている業務として、国会答弁の答弁書の作成が挙げられております。

官僚職と言うのは、基本的に頭脳労働者に分類されますが、答弁書の作成といった単純労働に従事している間は、ただの単純労働者と化してしまうと思っております。

やはり、日本における中央政府の官僚達というのは、"政治における全実務を担っており、官僚達がしっかりしているから、いくら政治家が駄目であったとしても、国が回っている"と言える程、政治においては、重要な存在であると言えます。

特に、自民党は、基本的には、官僚頼みの政治を行っているため、仮に、今の官僚達が居なくなってしまった場合は、政治や行政は一切行われなくなってしまうでしょう。

ですから、答弁書の作成等の単純労働に、官僚達の時間を割かせてしまう事は、官僚達の頭脳労働の妨げとなってしまう事から、ある意味由々しき事態であると言う事が出来ます。


また、個人的に、頭脳労働をする上で、最も重要なのは、"一時間でも多く、考える時間を確保する"事であると思っております。

確かに、画期的な発想を産み出すためには、お金や時間を投資して、様々な経験や知識を頭に取り入れる事が必要だと思います。

しかし、いくら膨大な量のインプットを行ったとしても、考える時間が全く足りなければ、良質なアウトプットは殆ど行われなくなると思っております。


3.所詮、公的機関である

日本においては、公立学校の教師達のように、公的機関であっても、良質な働きぶりが求められる事が、一般的であると思っております。

しかし、原理原則として、公的機関というのは、最低限の労働成果しか保障されないというのが、世界各国の共通認識であると思います。

戦後直後であれば、国民や民間企業は貧しく、所謂未発達な状態にあると思いますが、現代においては、先進国レベルの教育が施されており、国民や民間企業の能力も、戦後と比較して、著しく発達しているため、公的機関の重要性は、それ程高くはないという事ができます。

ですから、高い水準の労働成果を求めるのであれば、公的機関ではなく、民間企業や団体に頼るべきであると思っております。


4.今後の日本の政治の形に対する予想

昔の"銀行マン"と言えば、ただ企業に融資をするだけではなく、経営に対するアドバイス等も行っていた事から、民間企業に対して、幅を利かせ、一目置かれる存在であったそうです。

しかし、現代においては、企業の経営アドバイスについては、それを専門とするコンサルティング会社等が登場した事等から、銀行に対するそういったニーズは低下したと思っております。

そして、私は、政治についても、同じ事が言えると思っており、今後の政治の形としては、"政治家が、官僚達だけに頼るのではなく、シンクタンク等の民間企業や民間の有識者に頼るような形"となっていくと予想しております。

つまり、前述のように、昔は、政治家へのアドバイスを行える者は、官僚達に限定されておりましたが、民間のレベルが向上したため、政治家へのアドバイスを行える者が、増えたという事です。

なので、今後は、官僚達だけでなく、民間の人材に頼る政治家が増えていき、逆に、そういった転換が出来ない政治家は、自然に淘汰されていくだろうと思っております。


あとがき.

やはり、ほぼ毎日、朝から深夜過ぎまで働かされているという労働環境は、客観的に見てもおかしく、今すぐにでも改革すべきだと思っている方は多いのではないでしょうか。

ですから、私は、"官僚達が、全員、定時に帰れるまで、徹底的に改革を行うべきだ"と考えております。

特に、答弁書の作成等は、Chat GPT等のAIにやらせればよく、むしろ、ビッグデータを活用する分、AIの方が正確な回答を出来るのではないかと思っております。

そして、このおかしな労働環境が改善されない限り、官僚の人材不足は、一向に解消する事は無いでしょう。


勿論、これまでの日本経済というのは、先代の官僚職の方々の献身的な働きぶりによって、もたらされたと言っても過言ではありません。

しかし、このままでは、日本において、官僚として働く国民が減り続け、官僚機構そのものが消滅してしまう事は、疑う余地がありません。

なので、官僚機構が消滅してしまうよりかは、官僚達全員を、定時で帰らせるような改革を行い、官僚機構を存続させる方が、遥かにマシであると思っております。


そして、その足りなくなった労働の分は、国会議員や政党にやらせればいいと思っております。

また、前述のように、民間の人材が、これまでの官僚の業務を、一部肩代わりしても良いと思っております。

一般的に、世界各国においても、"政治家は、無能であるが故に、官僚やロビースト等のブレーンがしっかりしていれば良い"という認識があります。

しかし、私はそうは思っておらず、やはり、基本的には、"政治家自身が、やる気が無かったり、何の仕事も出来ないような人間であった場合は、国家は衰退してしまう"と感じております。

なので、いくら官僚やロビースト等のアドバイザーが優秀であったとしても、政治家自身が無能であっても良いという事にはならず、読者の皆様には、若くて、きちんと、国民のために仕事の出来る議員に対し、一票を投じていただければと思っております。


参考文献.

・官僚の研究 日本を創った不滅の集団 (講談社学術文庫)

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