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友人の「受け身であること」に感じた強みと、そうじゃない私の強み。

昨日、我が家に、ある友人親子を招いた。
ここでは友人を「良子さん」、小学2年生の息子さんを「良太くん」とする。

良太くんは1年生の秋から学校に行きたくない日が増え、それから現在まで、行けそうな日は良子さんと一緒に登校し、1,2時間だけ授業を受けたあと一緒に帰ってくる、という生活を約1年半送っている。

同じ町内に住んでおり、我が子と同じこども園の出身で、同じ小学校だ。

私の長男がこども園に通っているときから、送迎時に道で会ってしゃべるようになり、時々、LINEでやりとりする付き合いが5年ほど続いている。

良子さん最近元気やろか、と先週気になってLINEし、
良太くんの最近の状況や良子さんの気持ちを聞いてみたい、というのが私が今回誘った理由だった。

昨日の朝、
「今日は私が学校に行くの面倒になっちゃったから、学校行かないわ。良太と何時から行っていいかな?」というLINEが良子さんから来ていたので、
「10時半でお願いします!」と返信した。

正直に言うと、私が良子さんの立場なら、毎日イライラして、やってらんねー!と夫に八つ当たりしたりしてるのではないかと想像する。
子どもに付き合って毎日登校したり、家でずっと一緒に過ごすなんて、一人の時間がないとやってられない私には相当キツい。

ただ、良子さんは、そんな私とは違って、
「学校がかったるいのは私も一緒だったから、行きたいときに行けばいいし、なんなら行かなくてもいい」と淡々と言う人なのだ。

良太くんには2人お兄ちゃんがいて、この春、小学校と中学校をそれぞれ卒業する。

良子さんは気忙しいはずだが、落ち着いていて、
「まぁね、気持ちは忙しいんだけど、私が何かすることがあるわけじゃないしね」と言う。

そんな良子さんは「良太くんが学校に行っても行かなくてもどっちでもいい」というスタンスを、憂いる様子もなく貫いているように見えて、どういう精神構造なんだろう、すごいよなぁと、ますます気になる。

昨日、良太くんには我が家のおもちゃで遊んでもらいながら、良子さんと長時間おしゃべりをしていると、ふと良子さんが
「今日は誘ってくれてありがとうね。最近学校と家の人以外と喋ってないから、久々で楽しかったわ」と言うので、

「良子さんはさ、もっと外に出て誰かとしゃべりたい、イライラする〜とか、家にばっかりいてられっかよ!みたいにはならないの?」と臆せず訊いたところ、

「あ、私さ、昔人格テストみたいの受けたら、❝受け身の要素がかなり強い❞って出たの」

「…そうなんだ…?」

「ほぼ受け身だから、誰かに対してこうしてくれたらいいのに、とかこうだったらいいのに、とかいう気持ちにあんまりならないのよ」

「ふむ…」

「実家にいた頃、犬の散歩で、犬の行きたい方向に着いて行ったら1時間くらいかかって、帰りが遅いってばあちゃんに怒られたことがあって。それくらい、相手が行きたいところに着いて行ったり、したいことに付き合ったりするのが苦じゃない」

その例を聞いて私はやっと理解し、心底びっくりした。

マジ…?
あぁ、なるほど…。
だからか…。
だから、私は、育児がしんどいのか…。

「もうそろそろ公園から帰ろう」
「こっちの道の方が近いからこっちから行こうよ。ダメだよ、そっちは遠回りだって」
「その食べ方どうにかならないの?ショベルカーみたい」

など、私は子どもたちに、「こうしてほしいんだけど!」の要求を日々突き付けている。そして、思い通りにいかないから、あーもう!とイライラしてしまう。

しょうもない自分のことをひとしきり思い返した後、
もう一度良子さんを見つめてみる。

「受け身」であるゆえの強さでしたか…。

コントロールしたい気持ちがないって、とても幸せなことだなぁ。

最近ある人から、

人間の苦しみは、自分ではコントロールできないことをコントロールしたいと思うときに起きる

ということを教わった。

過去を振り返ると、確かにそうで、

・両親に仲良くしてほしい
・父親は酔っぱらって家族に悪態つかないでほしい
・誰からも嫌われたくない
・フラれた元彼とヨリを戻したい
・夫にはもっと慈しみを持って子どもと接してもらいたい

など、少し思い出すだけでも、大きな悩みは、人間関係やどうにもならない他人の問題だったことに気づく。

(ここら辺をもう少し自分の中に落とし込むためにアドラーさんの本を読みたいのに、なかなか読み切らない…)

つまり、受け身であることは、自分の苦しみを減らすには良いことかもしれない。

その一方で、受け身であれば、問題に対して何かしようという考えは生まれにくい点もあると思った。

先日、民生委員の研修で受けた内容を下記の記事で書いたが、

良太くんにも、サードプレイスが必要だと良子さんは思っていたりしないかな、あわよくば、学校や家以外の子どもの居場所を地域に作りたい私の思いに賛同してくれないかな、なんていう期待を持ちつつ、彼女にそれとなく話してみたが、思ったより反応が薄かった(撃沈。笑)

「そういう場所があればいいけどね。
継続しようとか考えず、まずは1回やってみたら?」

私の中では、良太くんがメインターゲットと思っていたけれど、
求められていないかなぁ・・・。

受け身であることが、吉と出ることもある。
でも能動的に何かすることが吉と出ることもたくさんあると信じたいし、それが私の強みだとも思いたい…そんな1日だった。

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