見出し画像

散文56

またひとりで起き、ひとりで眠る
ふたりで話し、よにんで食べる。
過去の人々より不幸な民族が
生活の最も原則的な
部分に連携する数を削ぎ落とした
簡素な拍で踊るふりしている

あった、あったと思う何かを
繰り返しているうちに、
それは既に楽しいものではなくなっているからたちが悪い。
楽しみが漸進的に退屈に変わり、いずれ何もできなくなる
大人になってから人に怒られることなんてね
ないと思っていた。

何かを浴びた時、
身体が乾いてくのを感じた。
そのような身の振り方でしか生きることのできない過去。
語る必要もない、記録される必要もない
ミニマルな命、そんなものある?
あった、ここにも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?