イメージの重層化が進行している
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モードファッションは、服をデザインするというよりもイメージをデザインすると言った方が適している。服を通し、スタイルを通し、どんなイメージを発信するのか、それがモードファッションにおいてはとりわけ重要になっている。
コレクションブランドが発信するビジュアルやショーから、どんなイメージが感じられるか。2000年代に世界を席巻したエディ・スリマン(Hedi Slimane)の「ディオール・オム(Dior Homme)」は、わかりやすい例だった。エディ・スリマン=ロックというイメージが徹底して確立され、エディの例が示すようにかつては1ブランド=1イメージというタイプが多かった。
しかし、近年その構造に変化が現れ始めている。
今年10月4日、発表を待望していたマシュー・ウィリアムズ(Matthew Williams)による「ジバンシィ(Givenchy)」のファーストシーズン、2021SSコレクションが公開された。このコレクションを詳細に見ていくと、私は3つのイメージが入れ替わり立ち替わり感じられてきた。
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