オレンジの片割れを探して3 「恋愛とか関係なく気の合う女友達と暮らしたい」って最近よく聞くけどさ・・・・・・

 そういえば以前友人で私が住んでいる地域に引っ越したがっている子がいました。シェアルームを持ちかけられて、その時ははぐらかして断ったんですけど、あの子まだこっちに住みたがってるんだろうか。
いつもお金がないって言ってたし、
「家賃は私が負担するから一緒に住もう。その代わりに私と付き合ってくれない?」なんて言ってみたらなんていうかな、なんて最悪すぎる想像が頭の中を行ったりきたりしています。

 かわいいんですよ、友人。賢いのにちょっとだらしなくて、明日は明日の風が吹く的な生き方がポリシーの自由人。学生時代、私の突然の思いつきにも気軽に乗ってくれて、その思い出補正も追い風になって、ここ数日、改めて自分にとっての恋愛を考え直すたびに彼女の存在が脳裏に浮かびます。

 SNSを覗くと、今でもたまに私のことを話題にしてくれていて、まあそれがまた嬉しいんですよね。

 なにごとにおいても自由な子だったし、頼んだらなびいてくれたりしないかなあ……だけどこれで気まずくなったりしたらかなり大切な友人を失うことになるし、学生時代の思い出ごと破壊されそうで怖い。
 しかも、私のこの気持ちも半分くらいは下心というか、親友にしか欲情できない体質ゆえに条件にあった彼女をそういう対象に見ているみたいで本当に申し訳ない。なにより愛してもらえる自信がないからって家賃や生活費で彼女の感心を買おうしている自分に気づいてしまいSAN値チェック!(SAN値チェックとは、TRPG用語で怪奇現象など気味の悪い出来事に遭遇したときにプレイヤーがどれくらい狂気に近づくかを判定するコマンドのこと。不都合な真実に気が付かなければ免れられることもある)

 そんな自分の汚らしい部分に気づいて怖気が走る思いなのですが、ふと考えてみると、これが男女の話だったら、こんな状況はありふれているような気もします。
 条件に合う身近な異性に欲情する男性が、生活の保障がほしい女の子に粉をかけて、付き合って一緒に暮らすなんてこと、きっとそこら中に転がっていて、誰もそのことに罪悪感なんて抱いてはいないのではないでしょうか。 

 そういう搾取構造から脱却しようと、近年は「無理に恋愛をしなくても気の合う女性の友人と暮らしたい」と考える女性が増えているようです。シスターフッドという言葉をよく耳にするようになったのと、同時期くらいからそういうフィクションも増えて来た気がします。
 シスターフッドとは女性同士の強い繋がりや連帯を指す言葉です。もし相手が「性的な好意を向けられない安心できる相手」と生活することを望んでいるのだとしたら、私は決して安心できるシスターにはなれないので、シスターフッドをベースにした生活には入ることができないんだろうと思います。

 2回目更新で話したデミロマンティックの話でも書いたのですが、本当に親しい人間に恋愛感情を抱きがちな私の悩みのど真ん中にあるのがこの問題です。
 友達と友達でいるために、早く恋人を作りたい。だけど出会い目的で会うどんな人よりも友達のことが好き。
 強い絆を持つ人に惹かれるといえば、ロマンチックで誠実に聞こえるけれど、逆に言えば穏やかで平和な友情の世界の破壊者とも言えるんじゃないかなと、自分では思います。(あくまで私が私自身に下している評価です)

 これまで幾度となく恋愛上級者たちからいただいたアドバイスで「真面目すぎ」「考えすぎ」「もっと心のままに動いてみたら」などと散々聞かされてきましたが、それに従ったら彼女に告白することになるんですけど、本当に合ってますか恋愛上級者たち!?

 とりあえず、今の茹だった脳みそで下す判断は信じられないので、じわじわと彼女な近況を探ってみようと思います。


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