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IPAレビュー2022年5月号

どうも。最近暑くて嫌になりますね。こういう時期はセッションIPAと言いたいところですが、クーラーが効いた部屋で飲むダブルIPAも中々いいものです。冬場にコタツでアイスクリームを食べるのと同じような感じですね。
ということで始めて行きましょう。

※IPAアワード用に先月からの通し番号となります。
※分からない用語がありましたら、この記事を参考にしてください。

No.17 Strathcona Beer Company Head Banger

スタイル:トリプルIPA
香り:グレフルに若干の松、アルコール
味:グレフル祭り、隅から隅までグレフル祭り。麦の甘さもあるし苦みもあるけど、それ以上にグレフル祭り。グレフルはピンクの方。ほのかな甘さもある。温くなると苦くなりそれはそれでよき。

17本目は「Head Banger」です。IPAレビュー初登場のStrathcona Beer Companyですが、カナダのブリュワリーです。カナダはアメリカと同様クラフトビール文化が根付いているのですが、日本に輸出される量は少なく貴重です。

香りはグレフルに松、そして少しのアルコールがあります。味わいはグレフルが全面的に出ています。グレープフルーツはピンクの方で甘さを伴っています。グレフルの要素が強すぎて他にコメントすることがないのですが、温くなると苦くなりグレフルがピンクからホワイトに変わります。トリプルIPAとは思えないスルスル入っていく危険なグレフルIPAでした。

余談ではありますが、後半からおりが出てきました。もしかしたらヘイジーIPAかもしれません。公式情報に基づきクリアなIPAということにします。

後半部分、副原料にオーツ麦が入っているからヘイジーかも


No.18 BREW CLASSIC ピルピルヘビーインパクト

スタイル:ウエストコーストダブルIPA(副原料にウーロン茶)
香り:グレフルにマンゴー、マンゴーは控えめ
味:グレフルからの強烈な苦み、後味にウーロン茶の舌に残る感じがある。麦の要素も無いしいい感じのウエストコーストかなぁ。麦がいないのにミディアムボディなのが違和感ある。

18本目は「ピルピルヘビーインパクト」です。IPAレビュー初登場のBREW CLASSICですが、石川県金沢市のブリュワリーです。ゆるいラベルと商品名が特徴的ですが、自家培養酵母を使用したガチガチのビールを作っており、新進気鋭のブリュワリーとして名が知れ渡っています。

香りはグレフルが主体でマンゴーが後ろにこっそりといます。味わいはグレフルからの強烈な苦みがやってきて、後味ウーロン茶のねっとりとした苦みが残ります。ミディアムボディに感じるのですが、麦の要素は無くウエストコーストらしい味わいとなっています。ウーロン茶がいい感じ作用しているかもしれませんね。

総評すると基礎がしっかりしてるからこそ隠し味が生きる素敵なIPAでした。BREW CLASSICの技術力の高さが分かりましたので、今後見かける機会があれば積極的に飲んでみようと思います。


No.19 Pizza Port Brewing Dream Trip

スタイル:ウエストコーストIPA
香り:柑橘よりちょっと甘い、カシス?ブルーベリー?
味:マンゴーに草、麦もいる。草のえぐみ強い、ヨモギとか言っても問題ないレベル。切れ味は悪くジンジンと苦みが口に残る感じですなぁ。温くなるとマンゴーが強くなって草に対抗出来てバランスが良くなる。

19本目は「Dream Trip」です。私が大好きなブリュワリーであるPizza Port Brewingの新作で「一口飲めばその名の通り、夢の様な体験をもたらせてくれる一杯。」とのことです。夢のような体験は盛りすぎてるような気がしますが自信作ということでしょう。

香りは甘さの強い柑橘系でブルーベリーやカシスにも感じます。味わいはマンゴー、草、麦があって草のえぐみが主体です。この草のえぐみが最後まで残りますがそれがいいんですよね。温くなるとマンゴーが強くなり、バランスが良くなります。草のニュアンスが好きな人は早めに、バランスがいいものが好きなら人は少し時間を置いて飲むのがいいでしょう。

夢のような体験は出来ませんでしたが、ヨモギのような草のニュアンスが特徴的な美味しいIPAでした。


No.20 Passific Brewing Passific IPA

スタイル:IPA
香り:グレフルに草かなぁ
味:柑橘麦に優しい苦み、柑橘の嫌なところまで丸絞り、麦のボディもある。温くなるとトロピカルが急に出てきやがった。トロピカルなあなたが一番美味しいよ。草の味もやっときました。

20本目は「Passific IPA」です。Passific Brewingは神奈川県茅ヶ崎市のブリュワリーで、界隈ではその美味しさで話題になっています。この記事を読んでいる方であれば耳にしたことがあるのではないでしょうか。「Passific IPA」はブリュワリーを代表するIPAなので、最初に飲むのには最適だと言えるでしょう。

香りはグレフルに草といった一般的なIPAと変わりない感じです。味わいは柑橘に麦に優しい苦みって感じです。正直ここまで飲んで「世間で騒がれるほどか?」と思ってしまいましたが、こいつの真価は温くなってからでした。

温くなると急にジューシーなトロピカルな要素とフレッシュな草のニュアンスがやってきます。トロピカルな要素はパッションフルーツな感じです。

総評するとハイパーウルトラゴージャス版インドの青鬼です。インド青鬼にトロピカルな要素と草の要素が足されてる感じです。全体のバランスが良くIPA好きな人全員に刺さるIPAだと思います。


No.21 West Coast Brewing Harmonic Dreams

スタイル:ウエストコーストダブルIPA(ホップハッシュ※を使用)
香り:柑橘に松
味:松が凄い、残りに柑橘がいる感じ。後味の苦みまで松がたっぷり。こいつは好みが分かれるやつだぜ。

※ホップハッシュとは簡単に言うとホップからルプリンのみを抽出したもの。インコグニートとは違い、ホップの苦さがダイレクトに味わえるぜ

21本目は「Harmonic Dreams」です。日本のIPAのコンペティションであるラスアルファチャンピオンシップ2021で予選を突破した由緒正しきIPAです。飲んでみたいと思っていたのですが、中々機会が無くやっと出会えました。

香りは柑橘に松の香りがします。味わいは松がとんでもないです。いつもなら草とぼやかすところなのですが、こいつは松です。松が支配している中に柑橘がしれっといます。余りにも松が強すぎて好みが分かれますが私は大好きな味わいです。

このIPAはおいそれと人には薦められませんですが、ニガニガ植物IPAが大好きな同士にはオススメしたいIPAです。圧倒的な松のニュアンスに満足することでしょう。


最後に

今月のIPAレビューは以上になります。今月は初めてのブリュワリーのビールが沢山飲めて満足出来ました。問題点があるとしたらクリアなIPAしか飲んで無いので、ヘイジー部門と特別賞の候補がいないことですね。

ということで今月の優勝はWest Coast Brewingの「Harmonic Dreams」となりました。これは個人的に好きなだけです。暴力的なまでに松がいるIPAは初めてだったので、感動を覚えました。こいつのせいでそんじゃそこらの松系IPAでは満足出来なくなってしまいそうなところが怖いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。今月もおまけがございますので、よろしければお付き合いください。


おまけ(5月の選考外IPA)

オリエンタルブリューイング シングルホップシトラ

スタイル:セッションシングルホップIPA(シトラ)
香り:柑橘系、レモンかなぁ
味:シトラの柑橘がよく出ている、セッションIPAとしては高得点なのだが、僕がセッションが好きでは無いのが難点。こういうのごくごく飲みたいね。


Y.MARKET BREWING NEW鬼ヶ島V

スタイル:ヘイジーダブルIPA
香り:桃、パイン
味:トロピカルあっさりヘイジー。去年よりもボディは重くなってる。それをヨシとするか悪しとするかは人次第かと。去年のフルーツマシマシよりはマンゴーとかが控えめになっている印象。お前は美味しいのだが、前が美味しすぎた。


Firestone Walker Brewing Hopnosis IPA

スタイル:IPA
香り:白ブドウ
味:ライチはいる、白ブドウにパッション、最後はキチンと苦い。Firestone Walker Brewingであるが故に期待値を上げすぎた。美味しいのだが、何故か満足出来ない。

飲んだ本数まとめ
今月飲んだIPA:8本
2022年飲んだIPA:34本

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