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「重いものは速く落ちる」らしいが、今日の残業が終わらないのはアリストテレスのせい

「ちゃんと6Wでまとめてくれないと困るよ!」

はぁ、今日も企画書の出来が悪くて居残り残業です。そもそも6Wって電球の明るさじゃないです(笑)。

ビジネスの場で多用されるロジカルシンキングの基本中の基本なんです。

When(いつ)
Where(どこで)
Who(だれが)
Whom(だれに)
What(なにを)
Why(なぜ)

ロジカルシンキングの「6W」

実はこの「6W」を生み出したのは、あの「アリストテレス」だったんです。アリストテレスさんのおかげで上司は6Wおじさんになっています泣…

アリストテレスっていうと古代ギリシャの哲学者で、ほかにも政治学、宇宙論、天体学、物理学、気象学、生物学、心理学など…数え切れないほどの学問に精通していた、いわゆる「天才」。なんと「古代ギリシャ最大の知性」とたたえられていた人です。

でも、彼の生涯に渡って執筆された550冊の著書の中には今となっては「変な説」もあったりするんです。

天動説…
地球は宇宙の中心にあり太陽やほかの惑星は地球を回っている。

四大元素説…
この世界の物質は、火・空気・水・土の4つの元素から構成されている。

自然発生説…
世界には生命の元となる、「生命の胚珠」が広がっていて、この生命の胚珠が物質を組織して生命を形作る。ネズミやウナギといった動物さえ自然発生する。

うーん、確かに微妙ですが2400年も前の話ですからスゴイことですよ。だって日本ではまだ縄文時代の後半の頃なんですよ。ようやく一ヶ所に定住が始まって稲作が全国に広まり出した時代ですからね。

ところで、アリストテレスの有名な間違いの1つに

「重い物体の方が速く落ちる」

という説があります。すなわち、重い物体と軽い物体を同時に手を離して落下させると、重い物体の方が速く落下する。落下の速度は物体の質量に比例すると導き出したのです。

しかし、この説は2000年後、当時ピサ大学教授だったガリレオ・ガリレイの「ピサの斜塔実験」によって否定されたのです。

ガリレオはピサの斜塔のてっぺんに上り、見物客の見守る中、重さの異なる2つの球を同時に落とした。すると、2つの球はほぼ同時に地面に到達したのです。残された記録によると重い球の方が5、6cm先に落ちたとのことである。もちろんこの差は空気抵抗ということでしょうが。

ということで、こんな方程式にまとまりました。

自由落下の速度「v=gt」
落下距離「y=(1/2)gt^2」
重力加速度:g、移動距離:y、時間:t、速度:v

自由落下の運動方程式

確かにどこにも質量(重さ)は入っていないですよね。軽くても重くても同時に落ちるに決まっています…

でも、万有引力の法則によると…

F=GMm/r^2
Mとm:2物体の各質量、r:2物体間の重心距離、G:万有引力定数

万有引力の法則(byニュートン)

質量Mも質量mに引っ張られて動くので、その加速度は質量mに比例するのです。そうすると、質量mが大きいほど質量Mとの引き合う時間は短くなるので速く落ちるはず。って言っても小石と岩の落下を比べても時間差なんて測れるレベルじゃないんで、

小石と月が落下するのはどっちが速いですか?

これくらいだとちょっと違いが出そうです(笑)

でも、自然科学や物理って世の中の現象のきっと1%もわかっていないんだと思います。だから今正しいと言われているものが正しいんだと思います。

「6Wになったのはわかったけど、三段論法(byアリストテレス)でまとめてくれないと結論が伝わらないよ」

はぁ〜、うちの上司はアリストテレスかっ(笑)


今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。


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