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近未来麻雀小説(22)過去からの刺客 II

これまでのあらすじ

 何時ものように勉強も働きもせずに、麻邪羅(マージャラ)という麻雀を簡素化したゲームで遊んでいた役満和了太のところに、MAJAN GAME事務局という謎の組織から黒い封筒に金色の文字が書かれた招待状が届いた。和了太(ツモタ)は麻邪羅四天王の一人で、未来に発生する21世紀末麻雀戦争の士官候補であり、モリエホン元伍長以上の新中華雀士としての潜在力を秘めていた。

 24世紀末に人類が滅亡することを知っていた、未来の世界から来た猫型ロボットの銅鑼右衛門は、 #人類滅亡 を回避する為に過去から役満和了太を連れて新中華麻将テーマパーク・トーナメントに参加することになった。

東風戦・第二戦・東1局0本場

 MAJAN GAME事務局ディーラーの麻雀奉行は、第二戦のルール説明として、『第二戦でのトーナメント試合には、トーナメントAブロック第一試合を1位で通過されたマチルダ殿、2位のモリエホン殿、同じくBブロック第一試合を2位で通過されたベイズの勝麻殿に加えて、21世紀からお越しの特別招待選手の役満和了太殿と、代打ちとして銅鑼右衛門殿が、シードプレイヤーとして加わるで御座る。次の勝負は親の和了太殿が指定できるが、何をご指定なさるおつもりか?』と質問した。

 和了太は一瞬の躊躇もなく『じゃぁ、麻邪羅オリジナルの元祖ドンジャラのドラえもんDX!』と無邪気に麻邪羅を指摘した。

 ベイズの勝麻が不良品の #脳埋め込みチップ をインプリントする以前の20世紀末に雀士を志した契機となったのは、このゲームであり、勝麻にとって役満和了太は、まさに英雄的存在であり、麻邪羅こそがベイズの勝麻の麻雀理論の原点だった。

 電脳牌はどのような姿にも図柄を変えることができるので、AI雀卓ロボットは、元祖ドンジャラのドラえもんDX牌を用意したはずだった。

 ところが、配牌された牌を見た和了太は、ドラえもん牌、のび太牌、しずか牌、ドラミ牌、ジャイアン・ジャイ子牌、スネ夫牌、のび太のパパ・ママ牌、秘密道具セット牌といった何時も見慣れた牌が入っていないことに、『何なの? この変な牌? 読めない漢字ばかり書いてあるや!』と驚いた。

 旧中華式麻雀は旧日式麻雀とは異なり、方角を表す東、南、西、北や、白、發、中のような三元牌に加えて、季節を表す春、夏、秋、冬の季節牌と、植物を表す蘭、竹、梅、菊の花牌が含まれている。

 AI雀卓ロボが準備したのは、 #元祖ドンジャラ ドラえもんDX牌ではなく、旧中華式麻雀牌だった。

 ディーラーの麻雀奉行は、『これはかたじけない。この配牌はAI雀卓ロボのチョンボで、ディーラー振り込みで、MAJAN GAME事務局から役満通しの罰金をお支払いする』と宣言した。

 何の努力もせずに何でもできる役満和了太の強運を知り尽くしていたベイズの勝麻は、『凄い、和了太のこの強運! 勝負する前からMAJAN GAME事務局から役満罰金を引き寄せるとは、正に神の引きとしか言いようがない』と一世紀ぶりに感動した。

 ところが、代打ちとして和了太の隣の雀卓に座っていた銅鑼右衛門は、『いや、このチョンボは、単なるチョンボでなく、ダブルチョンボのディーラーのダブル役満振り込みだよ』とアドバイスした。

代打ちとして和了太の隣の雀卓に座っていた銅鑼右衛門

 動揺した麻雀奉行がルールブックを検索すると、麻邪羅にはオリジナルの #元祖ドンジャラのドラえもんDX 以外にも、 #ドンジャラ #鬼滅の刃 #ドラゴンボール超 #クレヨンしんちゃん #妖怪ウォッチ #ポケモン #ガンダム #ちいかわ #ワンピース #スパイファミリー #ウマ娘 など様々な派生品があり、ドンジャラチョンボに加えて、漫画選択チョンボのダブルチョンボだと判明した。

 ディーラーのダブルチョンボにより、親の和了太には96,000点、その他の子には64,000点が自動的に加算され、試合開始以前に行き成り和了太がトップに躍り出た。

1位:役満和了太  25,000+96,000=121,000点
2位:マチルダ   25,000+64,000= 89,000点
2位:モリエホン  25,000+64,000= 89,000点
2位:ベイズの勝麻 25,000+64,000= 89,000点

つづく…

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