見出し画像

ホストとパラサイトの関係

最近、「すずめの戸締まり」を観たのですが、無料で新海誠本をもらえるのですが、新海誠本1にこの映画の設定が書いてあるのです。

この物語には3つ柱がある。
(中略)
3つめは、日本各地で起きる災害(地震)を「後ろ戸」を閉じることで防いでいく「戸締まり」の物語。
(中略)
厄災がどうしようもなくべったりと日常に貼りついてる、そういう世界である。

〜「すずめの戸締まり」企画書前文より〜/新海誠本

この設定が歯周病菌(口腔の菌)と、本人の身体との関係にとても似ています。
歯周病菌が感染してしまって、口の中に定着してしまうと・・・
どうしようもなくべったりと貼り付いている厄災と同じで、共に生きていくしかないのです。

host-parasite relationship
宿主寄生体関係

基本治療、メインテナンス(SPT)もですが、
口の中(歯周組織)をプローブという器具で直に触っていきます。
映画でいう”ミミズ”が地面から吹き出すように、炎症が起きてるポケットの中から出血や、膿として吹き出すことで歯周病で侵された部分を探し出します。

毎回、探し出すことが重要なんです。
今のクリニックに勤めて16年になるのですが、長い人で10年以上経過をみていた。初診時から基本治療と必要なところは歯周外科手術をして、2本の歯を除いて10年以上安定していました。

歯周病菌は、その2本と最近もう1本を棲家としてたのですが、抜歯となって歯を補う(補綴)治療も終わって、何ヶ月ぶりの検査をしたところ
棲家を変えて、ちゃんと生き延びていました・・・😢。

その後、患者さんに検査で歯周病に罹患した(特定した)場所、状況を説明します(-_-;)
すごいきれいな口の中なのに・・・
今まで安定してた場所なのに・・・
やつらは棲家を変えて しつこいな・・・と心から思いました。
歯周病菌も生き延びるために必死なんだろうけど・・・

そして映画でいうところの「扉を閉じる作業」として、
ポケット中を専用の器具できれいにするのですが、厄災はどうしようもなくべったりと蔓延るその人の世界は変わらない。3歯の棲家を無くしたから物語が終結というわけでない。

歯周病菌とは共存するしかないのですが
「厄災の場所を探して」、「扉を閉じる」の繰り返しなんです。

お昼休みに歯周病菌のやつらを抑えるには他になにか有効な手立てないかなとは思って調べるんですけどね。

映画で厄災を抑えつけるクライマックスのシーンは、口(ポケット)の中で起きていると思ってます。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?