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フリーダ・カーロ

フリーダ・カーロ(1907-1954)

映画「フリーダ」はみたが、彼女の絵はまだ実際に見たことがない。
あれほど激しく自分を見つめ続けた女性がいるだろうか?
ままならない体を襲う激しい苦痛、激しい感情、激しい愛情と嫉妬。
すべてを悲しいまでに誠実に受け入れ、飲み込み、絵にしてゆく。
エキセントリックな感情に共存する思慮深い知性。
これほど激しく、生きる、ことが人にはできるのか。
獣のように生き延びながら、芸術を生み出し、愛を手にする。

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今、右目にものもらいができていて、充血し、腫れて、痛くはないが気持ち悪い。ただそれだけで、普段より意欲もテンションも下がる。あまり目を開けていられないし、人目も気になるし、ぼおっとしているし、頭がうまく回らない。あせっていつも通りのことをしようとするとうまくいかない。なので、できるだけいろんなことをしないようにしてみる。元気な時は無駄なくらい急いだり、ネットを見て、ゲームをして、SNSをチェックしていたことに気づく。駅のホームで目を閉じたまま太陽の光を感じる、電車の中も何もみないでただじっと座っている。デスクでもただゆっくりとお茶を飲む。窓の外に美しい夕焼けと大きな翼のような長い雲がたなびいているのが見える。

学生の頃、よくこのものもらいができていた。右目だけなかなか治らず悪化させて、ひどい痛みを伴ったりしていた。新卒で入った会社で、最初の健康診断でみつかった甲状腺亢進症。さらに経理部の仕事が合わなくて、数ヶ月で帯状疱疹になり入院した時、左目近くにもとびひし眼帯をしたら、右目が良く見えていなかったことに気づいた。ぼんやりして、配られたお茶を飲むのも一苦労で、調べてもらったら白内障になっていた。体はしんどいし、周りもよく見えず、23歳なのにボロボロで、会社とか組織とか経理とかそういうのが全然あってないことに途方に暮れた。来る日も来る日もぼんやりした白い天井を見ながら、留学しようと決めた。

乾燥した病室で顔がカサカサになり、軽いアトピーだったのがこの後処方された薬を使うようになってアレルギーマーチを起こすようになる。どんどん広がる湿疹、片頭痛、結膜炎、甲状腺亢進症。ステロイド、免疫抑制剤、頭痛薬、甲状腺ホルモン剤、週末は病院通い、いつも薬をたくさん持ち歩いていた。フランス留学中も、現地の病院に紹介状を書いてもらい甲状腺の薬や、皮膚科でステロイドも処方してもらっていた。

28歳、留学から帰ってきて自宅にいたとき、ふと、この薬を全部捨ててみた。その次の日、顔がひびわれものすごい汁と血が噴き出し全身に広がった。そこから薬を使わない生活が始まった。食生活を見直し、冷えをなおし、色んな考え方をかえなくてはならなかった。数年ひどいリバウンドを経験し、今は、常用している薬はない。

ものもらいも久しぶりだ。当たり前みたいに思っていた健康だけど、リバウンドに苦しんでいたころは、夜も痛みやかゆみや不快感で眠れず、人とは思えない形相で、起き上がるのも首を回すこともままならず、少しでも眠れたら幸せだった。外に出るのがいやで、DVDをたくさんかりてたくさん映画をみた。このレビューもその頃のもの。

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メキシコの極彩色が美しい。
信じられないくらい青い空、色とりどりの花、奇妙な形のサボテン。
テオティワカンの遺跡。
彼女の生家であり、ディエゴと過ごした「青の家」は、フリーダ・カーロ美術館になっている。
ぜひ行ってみたい。

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