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妊産婦のことば辞典 事始め(あ×あ行)

妊娠・出産・育児をほんわか過ごせるためのヒントとして、ことば辞典が合ったらいいなと前々から思っていた。そこですごく勝手ながら、独断と偏見で言葉を選び、意味づけしてみる。

もちろん、この意味付けは私の経験則から成るものなので、人によっては「え!?そうなの?」「それは違うでしょう!」ということがあってもいいように思う。

ただ、真面目に、まっすぐに、あまりに完璧を目指して大変な思いをしているお母さん、お父さんがいたら、この辞典の解説を見て、ふっと力が抜けたり、そんな考え方もありか、と楽になってくれたりしたら嬉しい。

毎日ちょっとずつ、書き溜めていこうと思う。


<あ×あ行>

①あぁ・・・

自分の見ていないところで子どもがやらかして、あるいは自分で思い通りにいかないことがあって、ため息の「あぁ…」

または、そういうことか、と後から理解が追いつく、納得の「あぁ…」

ずっと心配していたけれど、状況が落ち着いて、ほっと安堵したときに、後には「よかった」が続く「あぁ…」

はたまた、理不尽な状況に腹が立ったとき、反発心(と見せかけて内心は自己保身?)からこぼれる「あぁ…!?」なんてのもあるかもしれない。

妊娠・出産・育児はいろんな「あぁ…」にあふれている。

あなたの一番口にしている「あぁ…」は何ですか。


②愛(情)

若かりし頃に感じた、軽い「好き」や「恋愛」とは違う。もうちょっと深く、ひと言で言い表せない複雑さがあり、自分とは言動や価値観の異なる相手を受け止める寛容性や、長期間の永続的な感情を意味する。

どんなに酷い、相性の良くない相手でも、人生を長く共にすれば「情」が移る。それが愛に変化することもあるかもしれない。

でも、いわゆる「無償の愛」なんて存在しないというのが私の実感。

親子だって、夫婦だって、人間だ。ずっとずっと嫌なことばかり、困難な状況続きじゃ、どんなに可愛いわが子やパートナーだって、向き合い続けることは難しくなる。周囲からの理解や支援があってこそ保たれる親子・夫婦の愛。

ただ多少は理不尽なことや、割に合わないことがあっても、まぁ自分もそうやって育てられたし、大人だから少しの我慢はできなくもないし、と乗り越えるぐらいの愛はあるかもしれない。それも育ってきた環境や性格によって個人差が大きいことを含みつつ。


④アイスクリーム

魅惑のデザート。大人も子どもも大好き。妊娠中の冷えや虫歯を招く食べすぎには要注意。市販の多くに卵が入っているので、食物アレルギーの人も注意が必要。手作りだと卵なしでも作れる。


⑤相手

結婚も妊娠・出産も、相手があってのこと。1人ではできない。(まぁ今は科学技術が進んで、卵子・精子の提供や代理母出産もあるにはあるけど…)

相手とどんな時間を過ごすか。相手をどう観察して、どう対応するか。仕事以上に、家族には影響を受ける。仕事と家族、どちらの付き合いの方が気を遣うかは人による。

相手の気になる言動は自分自身の無意識の鑑ともいわれる。相手の嫌なところが目についたら、自分が疲れていたり満たされていなかったり。相手を責める前に自己に立ち返る習慣がつくと、いろいろなことがだいぶ楽になる気がする。


⑥合う(・合わない)

親子だって夫婦だって、どんな人にも相性ってものがある。たとえ一緒に暮らすことになっても、馬が合う・合わないはどうしようもない。

でも、合うこと、合わないことに振り回されず、積極的に良いところを見つける、良いところに注目する、嫌なところは水に流すことを意識して、相手のポジティブな印象を自分に植えつけ、自分がご機嫌に過ごせるようにする。これって家族との暮らしですごく大切なように思う。(詳しくは「ご機嫌」で解説します)

洋服が合う・合わない、タイミングが合う・合わないってのもある。服のサイズや好みが合わないのはつらいし、できるだけ合うものを選びたい。

タイミングはやっぱり人それぞれだから、あまりコントロールできると思わない方が良い。タイミングが合ったらラッキー♬ みたいな。特にお産・出産・子育てのタイミングはね。自分が思っている以上に、潜在意識やため込んできたあれこれ、相手の調子に影響されるから。

合うことも、合わないことも、「思い通りにしたい」執着を手放して楽しめるようになったら、毎日がぐっと軽くなるはず。


⑦阿吽(あうん)の呼吸

阿吽は仏教用語で、阿が口を開いて出す音、吽が口を閉じて出す音。万物の始まりと終わりを意味する。

転じて、何かを2人で行う際にぴったり息の合うこと。言わなくても通じ合えること。

夫婦や親子が阿吽の呼吸で暮らせたらどんなに楽か。しかし、家族と言えども自分とは別の人間。だから相性と同じで、めちゃんこ合う者同士もいるし、合わない者同士が家族になることもある。こればっかりは何ともしょうがない。

でも違和感があったら。そのままにしないで、伝えられたら、ちょっとほっとするんじゃないかな。モヤモヤを抱えたままにしないで、直接の話し言葉でも、日記や手紙の書き言葉でもいい。少しだけでも伝えられたらすっきりするかもしれない。

なかなか家族でも、いやむしろ家族だからこそ、素直に伝えられることばかりじゃないけどね。その伝える、伝えられないも味わい尽くせたらいいなぁ。


⑧会える・会えない

会いたいときに会える。会いたいのに会えない。これは家族にとって重要な問題。

恋人が夫婦になるまでが奇跡と運命に紡がれるように、赤ちゃんが来てくれるかどうかもいのちの奇跡の連続。誰にも正しい説明なんてつかない。

会えなくて迷子になったら不安だ。悩みに悩んで、自分がたどり着きたかった答えに出会えるどうかも人生ではわからない。

会えなかったら泣くのか。打ちひしがれるのか。諦めるのか。

特に妊娠・出産では、期待した結果にならなくても、自分が納得できる理解ができるかどうかが満足度を大きく左右する。

どうか「これでよかった」と思える理由に出会えるまで、まぁすぐにはたどり着けなくても、諦めず、気長に、ゆるゆると自分なりの答えを探し続けてほしい。

わからないまま進むのもいい。いつか「そうだったのか」とふとわかるときが来るかもしれないから。



「もっとこんな言葉を入れた方が良い」「こんな解釈もあるんじゃない?」という提案や感想も大歓迎です。どこまで続けられるかな…。楽しんで、最後の「ん」までたどり着けますように!

安心して産み育てやすい社会を作るため、また社会全体で子育てを支援する仕組みを作るため、サポートいただけると嬉しいです。いただいたサポートは、あいのちの活動で使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。