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【育児日記】アシナガバチの巣作りと、新生児の育児。

私が住む東北地方にも、やっと完全な春がきた。
ちょっと前に、みぞれが降ったので、自動車の冬タイヤを交換するか迷っていた。
でも、桜が満開になって、そしてぶわっと散った。

玄関を開けると、私のまわりに春のにおいがたちこめる。

「あったかくなったなぁ」

そうつぶやいた私の鼻先に、黄色と黒の縞模様がちらついた。

アシナガバチだ。

さっきまで、春の暖かさを感じていたというのに、背筋がヒヤッとする。

一匹のアシナガバチは、そのまま私の頭の上へ。
どうやら玄関のひさしにとまったようだ。

ジッとして、何かを作っている。

「巣を作っているのか?」
心拍数が少し上がって、自分が少し緊張しているのを感じる

身長150センチそこそこの私では、どうにも対処できそうにない。
夫の帰りを待って、巣の駆除をすることになった。

調べたところ、アシナガバチはスズメバチよりは攻撃性が低く、こちらが攻撃しない限りは、向こうから刺してくることはないようだ。
けれど、玄関は私だけではなく、子ども達も出入りする。
「もしも」のことを考えただけで、胸が潰れそうだ。

夫の帰りを今か今かと思いながら、待った。
待ちながら、「この感覚は、前にも感じたことがある」と思い出した。

第一子の出産は大震災があった2011年の、4月だった。
私は自宅のある福島県から、誰も知り合いのいない宮城県仙台市に、母子避難をしていた。
夫は福島で仕事をしていたので、週末だけを仙台で過ごした。

24時間、大人と会話することがなく、ふにゃふにゃと泣く、小さな新生児を抱きながら、狭いアパートをうろうろする日が続いた。

「私が頑張らなかったら、私もこの子も、死んでしまう」
とにかく、生きることに必死だった。

夫が帰ってくるのを、不安な気持ちで今か今かと待っていた。

明らかに避けるべき「大きな問題」があるのなら、「解決しよう」と行動ができる。
けれど、「なんとなく身の危険を感じる」とか、「手を抜いたらもしかしたら死んでしまうかもしれない」というような「ぼんやりとした霧のような不安」は、じわじわと精神力をそいでいく。

「産後は、ささいなことにイライラしてしまいます」と、おっしゃるママさんは多い。
自分がなんとか守らなければ、消えてしまうかもしれない小さな存在を、24時間ずっと抱えることは、緊張の連続。
イライラしてしまうのも、当然だと思う。

そんな風にイライラを感じた時には、「あ、ちょっと心が張り詰めているな」と気がついて、少しでも自分が安心できる方法を試してみる。

空をぼんやり眺めるとか、チョコレートを一かけつまんでみるとか、誰かとあいさつを交わしてみるとか。

イライラしてしまう程に、子育てを頑張っているんだと、自分自身を褒めるのも良い。

毎日本当にありがとうございます。

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助産師hana【子育てを、安心であたためる】

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