今回は、DOC株式会社（外国人向けマッチングプラットフォーム会社）創設者の廣瀬義憲氏にお話を伺いまして、短い時間の中で、会社設立までの経緯、そしてその背後にある熱い思いについて語って頂きとても刺激されました

外国人人材が集まらなくて困っている人材紹介会社さんや今後外国人向けのサービスに関わりたい就活生必見です

サービスを始めた経緯

-このビジネス（サービス）を始めた経緯を教えてください

廣瀬（以下省略）　このサービスを始める前に、外国人向けのメディア制作会社で働いていました

多くの外国人の方と出会う機会があり、話しをしていく中で、彼らが就活の際エージェントを探すのに困っている事を知りました。自分自身が何かアクションしないと現状は変わらないなと思ったのが最初のきっかけです

その後、彼らの取り巻く環境を調べて行く中でわかったのが、紹介会社さんと在日外国人のミスマッチングが起こってしまっているしまっている現状                        多くの外国人はたくさんの紹介会社がある中で、どれを選べば良いかわからないという課題があります
一方で、紹介会社はクライアント企業が欲しがっている人材を確保できていません。外国人の登録者数は多いけれど、最終選考まで行って採用される人はごくわずか、これではなかなか売上があがらないし、外国人側も自分が求めている会社をなかなか見つけられません。両者共に時間とお金のコストが発生しているんです

それを解決したいと思い、思いついたのが現在の事業です

DOCのマッチングプラットフォームに登録する事で、在日外国人は自分に合った紹介会社に出会えて、紹介会社はクライアント企業が求め人材を早く簡単に見つける事ができます

-人材紹介会社さんを繋ぐという事は、DOCさんはITのマッチング系企業さんですか？

そうですね、よく「人材会社ですか？」と聞かれるのですが、正確に言うと人材会社ではありません
まだ世の中にないビジネスモデルなので分かりにくいのですが、マッチングプラットフォーム作りをしているIT会社です。クライアント先である紹介会社さんが欲している外国人人材を繋げ、ミスマッチによってお互いがかかる負担をなくしています

世界中の才能が日本で開花させる仕組みを作りたい

-既存のビジネスモデルでは解決できない問題に取り組まれているんですね。廣瀬さんは日々どのような思いを持って取り組まれているのでしょうか？

私自身、そしてDOCも「世界中の才能が日本で開花する仕組みを創出する」というミッションを掲げています

現状たくさんの優秀な留学生が日本の大学に来ていて、アカデミックな場面では能力を発揮しているにも関わらず、労働市場ではまだまだ力を発揮しきれていません

彼らの力を発揮するためには、彼らに適している環境（企業）へ繋げる仕組みを作るのが一番の近道だと思い、今のサービスを始めました。

こうして優秀な留学生や今日本で働いている方が適切な環境に行き、「働く」面でやり甲斐を感じる事でより多くの優秀な人材が日本に集まる

そういった正のスパイラルを日本の社会に与えられたら良いなと思っています

-素敵な思いで取り組んでいらしているんですね、事業する際に大事にしている価値観や軸などはありますか？

今こうしてビジネスをしていますが、僕は自分自身を商人ではなく、武士だと思っています。個人的に、商人は向いてないと思います（笑）

商人はお金を稼ぐ事を目的に動いていますが、武士は志のために生きています。僕はお金稼ぎよりも、自分自身の信念を一番大切にしたいので、そういう意味で武士なのかなと思っています

今のサービスよりももっと儲かるサービスはたくさんありますが、それでも今の事業やターゲットにこだわっているのは、この事業が社会をよりよくすると信じているからです

-今のサービスのターゲットである、「日本で働きたいと思っている優秀な外国人」にも理由があるんですね

そうですね。昔読んだ本の中で、リクルートの創業者である江副浩正氏と日本初代マックの社長の藤田田氏が文化について話していまして、それを参考にしました。彼らいわく、文化を作るためにはトップダウンでなければいけない
マクドナルドも一号店は銀座に出していて、普通だったらファーストフードチェーン店なのに銀座に出すのは変だと思うかもしれないですが、ファーストフードのカルチャーをつくるには流行の最先端の銀座が適していると考えたらしいです

だから、DOCのターゲットも優秀な外国人に選定していて、
彼らが今後日本の企業の中で活躍する事で、日本により良い影響をもたらすと
信じているんです

-DOCさんの今後の方向性・具体的にどのようなことに取り組んでいきたいと思っていますか？

「市場にまつわる情報の最適化」をしていきたいと考えてます

外国人労働者の市場はまだまだ未成熟です

なので現在彼らにまつわる多くの企業さん、例えば人材派遣、申請代行サービス、日本語学習サービスはそれぞれ単体で動いていて、この市場にどのような企業が存在しているのかお互いあまり分からず、情報がオープンになっていません

DOCはその中間の立ち位置として、外国人労働者と企業を繋げたり、企業と企業を繋げる役割を果たしていきたいと思います

そうすることによって本来外国人の方に届けなければいけない情報を適切に届けられます

そんな風に思って、今後動いてきたいです

編集後記事

外国人に向けた様々サービスが増えている中で、DOCさんが今後取り組まれていく事業は今までになく、聞いていてとてもワクワクしました。なかなか既存の立ち位置にいると様々な制限がかかってしまうので、第三者的な立ち位置のDOCさんだからこそ解決できる事があると感じました。今後より多くの外国人の方が日本で活躍し、日本人と外国人が互いに協力し合う社会に向けて前進していくと信じています。廣瀬さんありがとうございました。

この記事の編集者

吉岡愛羅（よしおか　あいら）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　青山学院大学 文学部 英米文学科　　　　　　　　　　　　　　　    　　　　　　過去には多数の資格（TOEIC975点、英語検定１級、中国語検定準１級　）を取得し、言語力を生かして国際交流団体立ち上げ、国際交流・異文化理解イベントなど多数開催（累計集客人数150人）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　現在は多文化共生・異文化理解勉強会、コミュニティー作り等の活動に取り組み中