ながおあいり

う潮 主宰・脚本・演出

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記事一覧

型にはめること、括ること。

武田砂鉄さんの『わかりやすさの罪』という本を読んでいる。 その中に、笑いに関する分かりやすさとその罪性というテーマで、明石家さんまさんの番組を例にあげて記述して…

ながおあいり
1か月前
6

未知との遭遇

私は、限りなく宇宙人に近い人間に出会ったことがある。 それは、とある日のバイトでのこと。 バイトの詳細はここでは曖昧にしておくが、接客業をイメージしてもらって構…

ながおあいり
1か月前
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書くことの喜び、その原体験・続

中学2年生の国語の授業のこと。 その年の国語の授業を担当していた五味先生は、少々ぶっきらぼうで包み隠さぬ物言いをするタイプの人だった。中学生が親しみを持てるほど…

ながおあいり
2か月前
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書くことの喜び、その原体験

文章を書くことで喜びを感じた最初の記憶は、小学校の頃に聞いていたラジオの掲示板だったと思う。 私は小学校から中学校にかけて、SCHOOL OF LOCK!の熱心なリスナーだっ…

ながおあいり
2か月前
6
型にはめること、括ること。

型にはめること、括ること。

武田砂鉄さんの『わかりやすさの罪』という本を読んでいる。

その中に、笑いに関する分かりやすさとその罪性というテーマで、明石家さんまさんの番組を例にあげて記述している章があった。
ちなみに今、手元に本がない状態でこの文章を書いているので、本の内容に関する記述は多少の正確さを欠くかもしれないが、どうかご容赦いただきたい。

砂鉄氏の論旨はこうである。
さんま御殿では、番組MCであるさんまさんが用意し

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未知との遭遇

未知との遭遇

私は、限りなく宇宙人に近い人間に出会ったことがある。

それは、とある日のバイトでのこと。
バイトの詳細はここでは曖昧にしておくが、接客業をイメージしてもらって構わない。
私がレジを担当していた時間に、一人の女性が私のもとへやって来て、俯きがちにゴニョゴニョと何やら言葉を発した。
見たところ60代。その年代特有の淡い色の木綿生地の服を着ており、杖をついている。眼鏡をかけていて、髪は乾燥したぱさぱさ

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書くことの喜び、その原体験・続

書くことの喜び、その原体験・続

中学2年生の国語の授業のこと。

その年の国語の授業を担当していた五味先生は、少々ぶっきらぼうで包み隠さぬ物言いをするタイプの人だった。中学生が親しみを持てるほどの若さではないが、キャリアの長い女性教師にありがちなお節介さもない。むしろ生徒とは常に一線を引いて接しているような、決してプライベートに立ち入らせないような雰囲気を纏っていた。生徒からの人気はあまりなかったように思う。そもそも中学2年生に

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書くことの喜び、その原体験

書くことの喜び、その原体験

文章を書くことで喜びを感じた最初の記憶は、小学校の頃に聞いていたラジオの掲示板だったと思う。

私は小学校から中学校にかけて、SCHOOL OF LOCK!の熱心なリスナーだった。この番組は、中高生をメインリスナーとする学生のためのラジオ番組で、現在も平日の22時から24時にTOKYO FMで放送されている。そもそもこの番組を聞き始めたきっかけは、大好きだったSEKAI NO OWARIが「アーテ

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