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ビジネスにおけるわびさびの精神:久松真一【禅と美術】から学ぶ


こんにちは、今日はビジネスにおける「わびさび」の精神と、それをどのように取り入れるかについて、久松真一【禅と美術】の教えを参考に考えてみましょう。

わびさびとは何か?

わびさびは、日本の伝統的な美意識で、不完全さ、一時性、謙虚な美しさを重んじる概念です。この考え方は、禅の教えと深く結びついており、久松真一はこれを美術における7つの性格として体系化しました。ビジネスの文脈で考えると、わびさびは完璧を求めるのではなく、現状にある美しさや価値を見出し、それを大切にする姿勢を意味します。

禅の7つの性格は、久松真一によって提唱されたものです。
この7つの性格が、わびさびをうまく言い表しています。
久松は、禅芸術の特徴を7つに分類し、
その7つを
「不均斉」「簡素」「枯高」「自然」「幽玄」「脱俗」「静寂」と名付けました。

不均斉:禅芸術は、左右対称で均整が取れている美しさよりも、不均斉でアンバランスな美しさを求めます。これは、禅の修行において、物事を固定的ではなく、流動的なものとして捉えるという考え方が反映されています。

簡素:禅芸術は、装飾を施した華美な美しさよりも、簡素で質素な美しさを求めます。これは、禅の修行において、無駄を省き、本質を見極めるという考え方が反映されています。

枯高:禅芸術は、生花や新緑などの華やかな美しさよりも、枯れた木や冬枯れの草木などの枯高な美しさを求めます。これは、禅の修行において、物事の変化と永遠性について考えるという考え方が反映されています。

自然:禅芸術は、自然の美しさをそのまま表現することに重きを置きます。これは、禅の修行において、自然と一体となることで、悟りを開こうとするという考え方が反映されています。

幽玄:禅芸術は、謎めいた雰囲気や神秘的な美しさを好みます。これは、禅の修行において、言葉では言い表せないような真実の存在について考えるという考え方が反映されています。

脱俗:禅芸術は、俗世間の煩わしさから離れ、悟りを開くことを目指します。これは、禅の修行において、心の平静を保ち、真理に到達しようとするという考え方が反映されています。

静寂:禅芸術は、静けさの中にある美しさを求めます。これは、禅の修行において、心の雑念を捨て、内なる自分と向き合うという考え方が反映されています。

禅の7つの性格は、禅芸術の特徴をよく表しています。禅芸術は、私たちに、物事の本質を見極め、心の平静を保つことを教えてくれます。

アート思考の神髄を堪能できる名著【禅と美術】久松真一

ビジネスにおけるわびさびの適用

  1. 不均斉の受容:ビジネスにおいても、不均斉や不完全さは避けられない現実です。わびさびの精神を取り入れることで、不均衡や不確実性を受け入れ、それを利点として活用することができます。

  2. 簡素なアプローチ:複雑さを排除し、シンプルさを追求することは、ビジネスプロセスの効率化につながります。わびさびは、必要最小限の要素に焦点を当てることの重要性を教えてくれます。

  3. 枯高の美学:変化と成熟の過程を受け入れることは、ビジネスにおいても重要です。製品やサービスが時間とともに進化し、成熟する過程を大切にすることが、持続可能な成長につながります。

  4. 自然さの追求:人工的な装飾や過剰な演出を避け、自然体であることの価値を認識することは、ビジネスにおいても信頼性や誠実さを築く基盤となります。

  5. 幽玄の探求:深い洞察や革新的なアイデアは、表面的な分析を超えたところから生まれます。わびさびは、見えない価値や可能性を探求することの重要性を教えてくれます。

  6. 脱俗の実践:日常の喧騒から一歩離れ、静かな環境で思考することは、ビジネスリーダーにとって新たな視点をもたらします。

  7. 静寂の価値:静けさの中での思索は、ビジネスにおける深い洞察や創造的なアイデアを生み出す源泉となります。

結論

久松真一の禅と美術の教えは、ビジネスにおけるわびさびの精神を理解し、適用するための貴重な指針を提供します。わびさびの精神をビジネスに取り入れることで、私たちは不完全さの中に潜む美しさを見出し、より持続可能で人間味のあるアプローチをビジネスに取り入れることができます。完璧を求めるのではなく、現状にある美しさや価値を見出し、それを大切にすること。これが、わびさびが教えてくれるビジネスにおける真の力です。

禅体験をした神勝寺の【禅と庭のミュージアム】に展示されていた白隠禅師の作品

わびさびをうまく中国の仲間にも伝えたいと思い、
中国語でも記載します

侘寂(WABI SABI)

侘寂是日本传统的美学,重视不完美、短暂、谦逊的美。这种思想与禅宗教义有着深厚的联系,久松真一将其体系化为艺术中的七种性格。

在商业语境中,侘寂意味着不追求完美,而是发现现有的美和价值,并珍视它们。

久松真一提出的禅宗的七种性格很好地概括了侘寂。他将禅宗艺术的特点分为七类,并将其命名为“不均衡”、“简洁”、“枯高”、“自然”、“幽玄”、“脱俗”、“静寂”。

不均衡:禅宗艺术追求不均衡和不对称的美,而不是左右对称和均衡的美。这反映了禅宗修行中将事物视为流动的而不是固定的思想。

简洁:禅宗艺术追求简洁和质朴的美,而不是装饰华丽的美。这反映了禅宗修行中追求本质、去除无用的思想。

枯高:禅宗艺术追求枯萎的树木和冬枯的草木等枯高的美,而不是生花和新绿等鲜艳的美。这反映了禅宗修行中思考事物的变化和永恒性的思想。

自然:禅宗艺术重视直接表现自然的美。这反映了禅宗修行中与自然合一的思想,以获得悟道。

幽玄:禅宗艺术偏好神秘的氛围和美丽。这反映了禅宗修行中思考无法用语言表达的真理的存在。

脱俗:禅宗艺术追求脱离俗世烦恼,获得悟道。这反映了禅宗修行中保持内心的平静,追求真理。

静寂:禅宗艺术追求静谧中的美。这反映了禅宗修行中抛弃内心的杂念,面对内心的自己。

禅宗的七种性格很好地体现了禅宗艺术的特点。禅宗艺术教导我们看清事物的本质,保持内心的平静。

以下是一些常见的侘寂美学的例子:

  • 枯山水:枯山水是日本传统的园林艺术,以石头和砂砾来模拟自然景观。枯山水的特点是简洁、自然、幽玄。

  • 茶道:茶道是日本传统的茶文化,以品茶为中心。茶道的特点是简朴、清雅、脱俗。

  • 俳句:俳句是日本传统的短诗形式,以17个音节来表达自然和人生。俳句的特点是简洁、幽玄、含蓄。

侘寂是一种独特的日本美学,它影响了日本的艺术、文化和生活方式。

禅と美術にも紹介されている、白隠禅師の書。神勝寺禅と庭のミュージアムで展示。


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