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花の個性を見極めることと、チームビルディングについて。

「どうやって花材は選んだらいいの?」

たまに聞かれる。
花材選びのポイント。

だが、いつも私は答えに窮してしまう。

というのも、

「その花の個性が生きるように」

これに尽きるからである。


ドライフラワー担当として、
最近、勤めている職場(インテリアショップ)にて
ディスプレイを任せてもらえることが増えてきた。

特に明確な指示はなく、
「ここに馴染むようなものを作って!任せた!笑」
といった具合。


初めは、
任せてくれる上司、そして
「果たして自分なんかが、装飾に携わって良いのか」
という責任感から、
小さなスワッグ一つ制作するにしても、手に汗を握りながら
1時間以上もの時間をかけて、作業にあたっていた。


だが、最近は
制作にも慣れてきて、

職場のメンバーから
「素敵!」
とスワッグを作る度に褒めていただけることが増え、
自ら意欲的に、
率先してスワッグ作りに取り組むようになった。


「どうやって花材は選んだらいいの?」

たまに聞かれる。
花材選びのポイント。


答えは簡単、
「花の個性が生きるように」
その一点に尽きる。


例えば、

フワフワとした雰囲気が魅力の
ボリューム感のあるかすみ草であれば、
同じようにフワフワした花材を合わせてあげれば
双方の柔らかなボリューム感が引き立ち、
可愛らしい少女のような雰囲気になる。

はたまた、
凛とした佇まいが魅力のアーティチョークであれば、
同じようにシャープでスタイリッシュな印象の枝物を合わせてあげれば、
枝葉のくっきりとしたラインや、
線的な動線がより一層際立つ。

反対に、
ケイトウのような、面的な集合花の場合には、
同じような小花の集合花、タタリカを合わせてやり、
最後にポプルスなどで巻き、
長い枝物をアクセントに加えてあげれば、
繊細かつどっしりとした存在感のある
ラウンドブーケになる。

要は、
花の個性を見極め、
その個性が引き立つような花材を合わせる。

これに尽きるのである。



もっと言うと、
この個性を生かすというのは、何も
フラワーアレンジメントに限った話ではない。

お洋服のコーディネートだってそうだし、
インテリアのコーディネートだってそうだし、
さらに言えば、
ディレクターという仕事だってそうだ。


例えば

フワフワとしたバレリーナのような
チュールスカートをメインに持ってくる場合は、
その柔らかなシルエットが引き立つように
トップスはタイトなもの、
ピチッとしたTシャツや、タートルネックのセーターを選んだ方が、

バランスが良い。

また
柄の可愛いロングワンピースやロンパースを着る場合は
柄と丈感が目立つように、
アウターは同じくロングのものを着た方が、
こなれた感じに仕上がる。



そして
ディレクターという仕事の場合。

私が今、まさしく奮闘している職種なのだが、
多くの方と協力し、
それぞれの個性や強みを生かし、
大きな一つのプロジェクトを作り上げることが任務だ。

そう考えると、
「個性を見極め、伸ばし、一つの作品を作る」
という面では、
フラワーアレンジメントや
お洋服のコーディネートと
根本的には同じなのである。


違うのは、
反応が返ってくるということ。

ただ黙ってされるがまま、
受動的な姿勢を崩さない
ドライフラワーや洋服と違い、
対人間となると、
こちら側の要求に対して、きちんと反応が返ってくる。

これは良いと思う、とか、
これは難しいのではないか、とか。

だからこそ、
チームワークでの仕事というのは
難しくもあり、
同時に面白くもあるのかもしれない。


ディレクターという仕事。
良い作品を、世に生み出したいものだ。

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