文学フリマの展示スペースはせまいけど、そんなことより――文学フリマ後日譚2

こんにちは。藍澤誠です。文学フリマの振り返り2です。


文学フリマのスペース(ブース)は、初参加者の想像よりもたぶんずっと狭く感じられます

一般的な長机の半分が、ひとり分のスペース。
具体的な数値は、幅90センチ×奥行45センチ。高さは70センチ
お金を2人分支払えば、2ブースまで借りることができます。私は1ブースでした。

参加費に含まれている椅子は1ブースにつき1脚で、500円追加するごとに追加で1脚ずつ借りられます。私の場合は妻と息子の3人参加。全員ブースに張り付いていることもないだろうと予測して2脚だけ借りました。結果的に2脚で丁度良かったです。

出店料は、さきほど公式サイトを調べたところ、現在の1ブースあたり5500円(東京)が今後、会場である東京流通センターの使用料の値上がりに伴って少しずつアップしていくそうです。当日に支払うのではもちろんなく、参加申し込みの時点で事務局に振り込みます。

これに加えて、製本代・交通費・宿泊費・諸経費がかかるので、黒字にもっていくにはとても大変だと、今の私には思えます。今回は黒字にするという目標は設定しなかったので、めちゃくちゃ気軽に参加できる・・・と思ったのですが、実際準備する段になると売り上げが少しでも上がるようにと期待したり、売れなかったらどうしようと不安に思ったり。準備からが終了まで感情がブレブレになってしまうのでした。

参考までに書くと、東京で開催される次の文学フリマは2019年11月24日(日)。全国各地で順次開かれている文学フリマの次回開催は来月2019年6月9日(日)岩手県です。東京は出店申し込み受付期間中。岩手に参加する人は、たった今、絶賛ワクワク&ブレブレ期間中でしょうか。直前の感情を思い出して、私もいきなり緊張してきました。

さて、事前準備として仕事場の教室にある幅90センチ×60センチの机(少し奥行きが長い机)で、書籍の並び具合をシミュレーションしてみました。


うーん。ずいぶん狭いです。


で、会場に実際にて設営してみると――こんな感じでした。

おおむね事前の予想通りですが、足元にあるラッピングの道具やお土産のお菓子、文房具などが見えてしまい、少々恥ずかしいことに。次回があるとしたらこのスペースも演出&活用したいものです。

写真に映っているミニ黒板については、お客さんを観察していたところ、ほとんどの人の視線が黒板へ動いたので、持って行って正解でした。また、水色のお馬さんの人形も「かわいい」とやたら褒められたので、集客効果はあったような気がします。ていうか、このお馬さんを買いたいという人が何人かいました。

作家自体が有名な場合を除くと、見本を見ないで買う人なんているはずがないので、見本を読めるスペースが十分にあることはとても大切だと開場してから気づきました。

ただ、文学フリマは(性格によっては)立ち読みがしにくい部分もあります。この点をまったく考慮していませんでした。売る側ではなく、自分が客の側になってみてよく分かったのです。ブースで立ち読みすると、目の前に作者がいるので、感想を聞かれそうだし、内容と自分の趣味が合わなかった場合でも、すぐにその場を立ち去りにくいし、「気軽にどうぞ」と笑顔で言われても、買わないのはちょっと悪いかな、というような気を遣う感じに私はなってしまうのです。

その一方で、少しでも買いたい気持がわいてきた場合、作者が目の前にいるので、特にエッセイ系については「これ、本当にあった話ですか?!」とか、「この部分いいですね!」とか、その場で質問できてすごくよかったです。また会場でインスタやnoteのフォローもしあうことができました。これはまったく予想外の幸運でした。会場ですでにフォローしていることに気づいたり、ということもありました。もっと情報をていねいに追わなくちゃいけないね・・・

相手に気を遣わせない。こちらとしてはどうしても売る! というオーラを出さない。今となっては、「お客さんがブースでちょっとだけでも楽しんだり、リラックスしたり驚いたりできる状況」を理想として描けるのですが、文学フリマ当日は余裕がなく、少しでも興味がありそうな人がいると、もれなく気安く話しかけてしまったのが、我ながら残念です。

通りすがりの人にもコンテンツのパワーがすぐに感じられるブースを目指す。自分もそのコンテンツの一部として、控えめに、それでいて恥ずかしがらずに、理想のキャラクターをしっかり演じ切る――特に売る側としての自分の振舞い方については事前に本気でシミュレートしていなかったので、文学フリマ当日には、課題点ばかりが残りました。

とうわけで、いろいろ予想と違った部分も多かったけれど、後悔しているわけではありません。ん? 今になってもいろいろと課題点を並べているのは、後悔しているのかな。

手製本の手売りにチャレンジする。むしろ自分の課題を買いに行く気持ちでいたので、課題が多いのは大歓迎。その反省を、noteを含めた表現活動に活かせればOKくらいに思っていたのですが、文学フリマで得た悔しさというか不完全燃焼さは、文学フリマで晴らしたいというのが今の率直な気持。でもあれをもう一度やるのか・・・うーん。

会場でみんなと共有できた貴重な楽しさよりも、自分にしか感じられない個人的な悔しさの方がつねに先行するこの性格こそが、立ち向かっていく最大の課題かもしれません・・・。展示スペースだとか、作者の振舞い方とかいう以前に、人生の楽しみ方を学ばなくちゃ。ていうか楽しみ方を学ぼうとしている時点で楽しいのかっていうね。さらには課題に立ち向かうとか悔しさを晴らすとか、戦闘的かつ面倒臭いヤツだな。

文学に限らず、お金と時間をかけて自ら苦しんでくるパターンになりがち。文学フリマで得られたさまざまな課題は「落ち着け、自分」と言うシンプルな課題に集約されました。

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