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怖い、怖い目覚めを流すように。

起きてすぐに、熱いシャワーを浴びるようになった。目が覚める気がして。というか、覚めるものだと思うんだけど。効果はいまひとつだった。まあ、少しは覚めるけど。まだ眠い。でも、着替えてしまえば、布団に戻る気にはならない。だから、まあいいかと思う。


就寝時間が22時だったぼく。決めていたわけじゃない。単に、それ以上起きられないから。だったんだけど。最近は、もの書きとかもの書きとか、なんやかんやしている内に、気付けば23時になっていることもしばしば。


なので、今までは4時とか5時に自然に目を覚ましていたんだけど、最近は6時のアラームに叩き起こされるようになった。無用の長物と化していたアラームの活躍。いいのか悪いのか。


けれど、ずるずる寝続けていても、寒いし疲れるだけだ。(あんまり眠ると疲れる性質。)ので、具合が悪くない限り、無理矢理起きるようになった。無理矢理といっても、起き上がってしまえば、それなりに頭は働いてくるのだけど。妙なことに。でも、そんなものかもしれない。


自分の弁当の用意をしているパートナーの背中を眺めながら、白湯をすする朝。「働いてないなら、お前(ぼく)が作れや」と架空の声が聞こえる。


架空というか、何年か前の親の声か。鬱病になったときは罵られ、家族分の朝食の用意が間に合わなかったときも罵られ、少しでも笑顔でいないと罵られ……まあ、いいやその話は。


パートナーは、「いや、自分で食べる分だから、自分で作るよ」と、どこ吹く風。弁当も朝食も。(ぼくの分は、あとで自分で作っています。)たぶん、ぼくへの気遣いもあるんだろう。どうしても起き上がることができない日があるぼくへの。食欲がないと、他人の食事も作ることができないぼくへの。


パートナーは優しい。し、ぼくの周りの人(今現在)も優しい。どの家にも、その家の事情があることは、わかっているけど。人と接する度に、実家の異常性が際立つ気がした。


常に笑わないと、叱られるわけじゃないのか。どんなことでも、親の許可が必要なわけじゃないのか。(許可が必要なときと、必要じゃないときの区別が、今でも付かない。)ぼくは、そんなことから学ばないといけなかった。昔のぼくには、「そんなこと」じゃなかったけど。


起きてすぐに、熱いシャワーを浴びるようになった。早く目が覚めるように。パートナーの分の朝食は、パートナーが作るけど。その代わり、ぼくはコーヒーを淹れる。それが幸せだと、パートナーは言ってくれる。20年以上の恐怖が、早く和らいでくれることを願う。

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