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枯れかけの花と、たぶん終わる世界のこと。

体がひどく重かった。身をよじっても、なかなか。ようやく起き上がれたころには、10時を過ぎていた。目を覚ましたのは、5時前なのに。(昨日の日記は、PCを布団の中に引きずり込んで書いた。)


立ち上がっても、熱いシャワーを浴びても、頭の上に鈍痛がのしかかっていた。どいてくれないかな。と思うけど、どうにもならない。前日のカレーの残りを食べても、眠気は覚めなかった。むしろ、眠くなった。朝食兼昼食。いい天気なのに、どうして鬱々としているのか。


ところで、先日買った切り花が、もう萎れている。(ブーケで買ったので、花によるのだけど。)水は替えているし、時々根を切ったりしているのだけど。でも、寿命のことはよくわからないし、ぼくもうろ覚えで世話をしているから。


陽に当たっていないのが、たぶんよろしくない。と思ったので、花を挿しているグラスを、ベランダに置いてみた。ベランダ用のサンダルで挟むように固定して。すると、なぜかさっきまで陽が射していたのに、翳ってきた。それでも、しばらく置いていた。少しだけ風が強くなったところで、部屋に戻した。運が悪い。


わかりやすく萎れているのは、除いた方がいいだろうか。でも、だんだん減っていくのは、残された花には寂しいだろう。と考えているのは、ぼくに他ならないけど。とりあえず、1本も減らさず様子を見ることにする。「欺瞞」ということばが浮かぶ。たぶん、この状況には関係ない。


外へ出たいのだけど、今日は億劫だ。と、まだ元気そうな花を突っつく。けれど、億劫だと言っている場合じゃない。食材の買い出しはしたいし、あと、ツタヤのDVDを返却しないと。


DVDは、その店舗になかったので、取り寄せてもらったもの。取り寄せ方を教えてもらったときの店員は、昨日はいなかった。あの場では思い出せなかったけど、ものすごく見たことのある顔と名前だった。


たぶん、高校のころの部活の先輩だ。ぼくは2コ入っていたので、兼部の方……。レジ前を通ると、強いポップコーンの匂いがした。


このまま帰ってもよかったのだけど、近くのコーヒー屋さんで、電動ミルについて訊くのを思い出した。奥から出て来た店長さんは、ぼくのコーヒーを1杯淹れると、昼食の途中だったらしく、また奥へ戻っていった。なんか、申し訳ない。


ぼくの他には誰もいない店内。時々、店長さんがなにかをすする音が、奥から聞こえる。ぼくの方はコーヒーをすすりながら、もう枯れかけている花のことを思い出した。店長さんが戻ってくるまで、ひたすらぼーっとしていた。世界、終わるなあ。と、脈絡なく思った。

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