暗く、沈んで、凪いだ一日。
暗く、沈んだ一日だった。ぼくではなく、空気? が。室内に、満ち満ちているものが。上手く、言えないけれど。
外も薄暗く、沈んでいた。低気圧にいじめられるぼくは、変わらず、なかなか起きられずにいた。あらすじさえなぞれない、でたらめな夢を延々と見た。10時だったか、11時だったか。体が起き上がる気になってくれたのは、それくらい。
そこまでため込んでいなかったけれど、洗濯機を回して、手帳を確認する。よく行くベーカリーショップで、時々現れるコーヒー屋さんがいる。昨日は、その日だった。時刻と天気を考えるに、間に合いそうになかった。し、ぼくはたぶん、人に会うまでの気力がなかった。
白湯をすする。
洗濯し終えると、デッサンを始めた。一昨日は、ずいぶん集中力に欠けていたのだと思う。なにが言いたいかといえば、納得いく出来ではなかった。
昨日は、ものすごく集中できたわけではないにせよ、影の付け方は、それなりに満足いくものになった。2Bの鉛筆は、もう3本目だった。他は、まだ1本目なのに。
それから、どうしよう。と思い、少し早いけれど、夕食の用意をし始めた。
里芋が丁度2人分くらい余っていたので、煮ることにした。里芋の扱いになれておらず、皮を剥くのに、ずいぶん指が疲れた。不格好な姿形だったけれど、煮てしまえば、はじめてにしては、おいしくできた。パートナー希望のみそ汁も、ちゃんと準備しておく。
それから、また静かな時間が訪れた。なにもせずにいると、すぐ、体が冷たくなる。寂しいような、悲しいような、言いようのない感情が、削りとられていくのを感じる。何に?
パートナーが帰ってくるまで、先日知人のコーヒー屋が売ってくれた生豆を、選り分けることにした。(ぼくは、少量ずつ生豆を仕入れるので、まあまあ送料がかかるのだけど、それを気にかけた知人が、原価で譲ってくれた。とてもありがたかったので、支払いついでに、焙煎した豆も渡した。ぼくの周りのコーヒー屋は、優しい。)
ぼくには、ひとりでいても、やりたいこととか、やるべきこととか、まあまああって。けれど、誰にも会わないのは、それはそれで、調子が狂う、というか。
ひとりが好きなくせに。正確にいえば、誰かに会うのが怖いくせに。ぼくは、「頭がおかしい」らしいから。そう罵る輩は、もう周りにいないのだけど。それでも、どこかでぼくは怯えている。そのくせ、誰かに会いたがって。
今日は、誰かに会えるかな。少なくとも、晴れればいい。そう思う。
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