見出し画像

作業療法だとしても、それはそれで

11月も残りわずか、だんだん日が短くなる。ぼくの。


いや、日が暮れるのもすぐなんだけど。なかなか起きられない日が続いているせいで、ぼくの一日は昼から、もしくは、昼より少し前から始まる。


起き抜けに、必ず短歌を詠んで、それをSNSに予約投稿していると、昼食時になる。それから、ようやく、今日は何をしようか、と。それで、ぼんやりして、また時間が過ぎる。1時間くらい。


画板を買いに。


前日にも、いくつか店を回ったのだけど、見つからなかった。(あと、途中で職質に捕まったので、心が折れた。)ので、少し距離のある画材店まで、自転車を走らせた。


一見したところ、ない。イーゼルもない。店主と思われるご婦人に訊いてみる。「まだ、あったかしら」と困り顔をされるものの、「カルトンよね?」とカウンターの奥から、一枚引っ張り出してくれた。


「紐が付いていないけれど」と申し訳なさそうに差し出されたそれは、今使っているスケッチブックの用紙のサイズより、二回り大きい。が、今後画用紙を使うことも考えて、それを購入した。縁も感じた。


自転車のカゴに入らないので、画板の入ったビニール袋を、手首にぶら下げ帰宅。風があまり吹いていなかったことが、幸いだった。


スケッチブックから、紙を一枚切り離し、画板にクリップで留める。スケッチブックをめくってそのまま描くより、だいぶ安定した。描きやすい。それで、簡単に技術が上がるわけではないけど。描きにくいストレスが減るだけで、ずいぶん気が楽になった。


ぼくが今続けているデッサンは、YouTubeでたまたま見つけた「10分デッサン」の動画を参考にしているのだけど、30分以上はかかっている。たぶん、時間を決めた方がいいのだけど。まだ描き始めたばかりなので、しばらくは、ある程度納得するまで、描き込もうと思う。


ところでぼくは、コーヒーの生豆の選り分けが好きだ。単純作業が好きだから。無心になれるので、余計なことを考えずに済む。


デッサンのために鉛筆を削るのも、同じく単純作業なので、慣れてきたことも手伝って、好きになってきた。デッサン自体も、目の前に集中するので、それ以外を気にかけなくていい。「なんとなく」で始めたデッサンだけど、意外と長続きするのかもしれない。


逃避なのかもしれない。作業療法といえば、聞こえはいい。まあ、なんでもいいか。


たとえ、目を逸らしているだけでも。苦しさが少しでも減れば、「しにたい」時間がその分減るから。

デッサン8日目

この記事が参加している募集

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。