どうして、ここまで壊れてしまったんだろう、と
たぶん、よく眠れた朝だった。
寝不足だったせいだろうか。
だめなときは、たとえ寝不足でも、睡眠薬を飲んでも、とことんだめだけど。
幸い、中途覚醒も早朝覚醒もなく、目が覚めても不自然じゃない時間(というものがあるなら、その時間)に起きた。
晴れていたけど、のちに天気が崩れるのを察知してか、頭痛がした。
それでも、眠れたものは眠れた。
最近にしては、頭の中がしんとしていた。
だから、どれだけ自分に余裕がなくて、いかに自分で自分を傷付けて、まただれかを傷付けていたことを自覚した。
泣きながら謝った。
泣く側じゃないくせに。
謝りもした。
過ぎたことと言えば、それまでだけど。
忘れるな、と思った。
大切な人が大切であることを、少しでも忘れかけていた自分に。
その日は、昼まで眠った。
目が覚めたのはいいけど、体が動かなかったから。
朝から晩まで、何かをせずにはいられなかった自分が、眠ってもいいと、ひさしぶりに思えた。
丸一日休んでしまおうか、と思ったけど、無理のない範囲で体を動かそうと思った。
ぼくは、まだ、よくわからずにいた。
引っ越しの準備で、どうしてここまで壊れてしまったんだろう、と。
まったくの新天地に移るわけでもないのに。
(移るのは、同じ市内の借家。)
たぶん、今の部屋が、ぼくにとって安心できる場所じゃなくなったからだと思う。
好きなものをしまっていく。
それは、安心材料が減っていくことでもあったから。
捨ててしまったわけじゃないのに。
でも、とにかく、昨日はよく眠れた。今朝も、それなりに。
入居日まで、1週間を切った。
早く、日を問わず、安心して眠れるようになりたいと思う。
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